お出かけ手帳

誤字脱字病。書いては直す人生。

『ホットロード』

☆ネタバレしています☆
原作は読んでいません。

正直、よくわかりませんでした…。

とはいえ、まずいいなと思ったところ。

主人公の友人えりちゃん。
80年代の中学生感がよく出ていて、独白シーンもすごく良かった。思春期の女の子の淋しさが伝わってじんときました。

春山、予想以上にかっこよかった。
優しい、いい子だった。

れなちゃん、おつとめご苦労様でした。
お前がこんな子にしたんだ!てとこ良かったよ。

以上、です…。


いや、まだちょっと混乱しているんです。

ここのところマーニー、アンネの日記、いまを生きる、などなど思春期を扱う作品を結構鑑賞していて、その上でのホットロードだったんですが、あれれ、思春期の孤独とか親との葛藤が普遍的というよりも、むしろ特別なことに感じてしまったんです。いや、個人個人にとってはそれぞれ特別なんだけど…あ、一言で言うと共感できなかったんだなぁ。

能年さんも登坂さんもすごく感じよく演じていて、素晴らしいなと思う反面、想い合ってる感じがそんなに…。

原作の空気感を大事にしてるのかなとは思うけど、例えば二人で朝からカニなんか食べてそろって食中毒ってちょっと笑っちゃうエピソードなのに、超超シリアスなんですよね。それでクスリ口移しシーンになるんだけど、あのあと二人はもっと明るい表情でもいいんじゃないかしら…(まじめに意味を込めた演出だと思いたいが)。自分らバカだなーって気持ちと、薬飲ませたからもう大丈夫、ってか口移ししたぜ!って高揚感があるはずなのに、なんかまじめなんですよ。不良なのにまじめ過ぎる。いくら具合悪くても私だったら笑っちゃうよ!それにキスもろくに見せてくれないしさ!


そんな感じで、あらゆる面で各方面への遠慮が感じられて、深く物語に入っていくことができませんでした。時代の空気も孤独も親子愛も純愛も命の大切さも全部中途半端な作りになっていた気がする。
暴走族のこととかもっと掘り下げてもよかったとおもうし、和希ちゃんにももう少し感情の幅を持たせてあげてもよかったような…。せっかく押さえた演技をしていても、ナレーションで簡単に気持ちを語らせちゃってるぐらいなら。
最後まで主人公は自分の孤独をちゃんと乗り超えてないのは、中学生だからしょうがないの…?自分を大切にしよう、って思うのが精一杯なのかな。和希は春山を卒業しないと大人にはなれないと思うけど、あの段階ではまだ子供でいさせてあげてもいいのかな。
うーん、いまこの作品を映画化するのは難しい過ぎた気がする。ちょっとよくわかんなかったよ。ごめんね。
あんまり批判したくないけど、ちょっと色々もったいない感がありました。

でもまあ、同世代の子達が喜んでいるなら十分な気もするけれどね。