お出かけ手帳

誤字脱字病。書いては直す人生。

『純と愛』 第1週 まほうのくに

☆ネタバレします☆
 

さて、長い長い全26週のうちの第1週です。純の理想である「まほうのくに」とは何か、また、それとかけ離れた彼女の現実が描かれました。大学生3年から就職して働きだすところまでテンポよく進みます。
 
振出しから見直してまず思うのは、このドラマは毎回色んなことが山盛りすぎて、週ごとにまとめて書くこと自体が大変難しいということ(笑)。隙間がないほど言葉が詰まっていて、伏線もバンバン入っています。本当はとにかく見るのが一番いい、これは…。
 
放送時は、愛役である風間くんのコラムが番組HPに毎週UPされていたんですが、よく書けましたね、あのかた。すごいよ。そりゃブロスで連載始まるわ。
 
運命は自分で選ぶもの
第1話は誰のセリフよりも先に、純のレーションでこう始まります。
おじぃ、昔こう言ったの覚えてる?人の運命なんて最初から決まってない、1つ1つの選択が運命だって。私は今から自分の運命を選ぶ。

また、同じ週の終わりに、愛くんに向かって、純にもう一度「わたしは運命は自分で選ぶものだって思ってるから~」って念押しで言わせています。

 
最終回まで見届けた者として、これは本当に驚きました。
だって26週かけて最後の最後に辿りつくのはやっぱりそこなんです。

純と愛』は、「運命を自分で選ぶ」ということの本当の意味を26週かけて純が学んでいく物語なんですね。どんなに辛くても希望を持ち続けよう。諦めずに前に進もうっていう。
その宣言をまず初回でこんなにはっきり宣言していたとは…。初志貫徹。

特にドラマ後半は悲しみの連続が怒涛すぎて、何故ここまで…って思ってしまうんですが、傷付いた者が言わないとこの言葉は響かない。実際に心深く傷付いた人達に寄り添うためにも、純はああいう性格じゃなきゃいけないし、ボロボロになっていかなくてはならなかったんですね…。と、思うことに決めたよ。
 
純と善行
第1週の中でも、第1回はすごく大事な回だと思うんですが、おじぃが遺したホテルサザンアイランドをめぐる父と娘のケンカがまずありました。

純のホテルやおじぃに対する思いや真っ直ぐすぎる性格、お父ちゃんとの不和、そしてそれだけじゃなく、そこに居合わせた母や兄、弟の性格まで、短い時間でよくわかるいいシーン。いいシーンなんだけどケンカがガチンコすぎて心楽しいシーンではないですが(笑)。

純はおじぃもサザンアイランドのことも心から愛していて、そのために人生を捧げたいと思っています。おじぃのように人を笑顔にしたい、喜んでもらいたい。でもホテルも宮古も大嫌いなお父ちゃんが舵をとっている限り、あの頃に戻ることは絶対に無理。だから私がやらなきゃ。

きっと純は正しいんです。
でも、これはお父ちゃんを全否定しているってことですよね。だからこそあそこまで激昂して純を拒絶するんです。

善行は本当に嫌な男として登場します。娘が久しぶりに実家に帰ってきても、顔さえ見ようとしないお父さんです。
でも嫌な男には嫌な男なりの事情がある。大阪で仕事を失って、宮古では超アウェイで、でもプライドだけは捨てきれない。今思えば苦しかったと思います。娘の事が実は大好きで、誰よりも愛されたいのに、なぜこの子は俺を責めるんだっていう。

純は純で、並々ならぬ決意で訴えかけたのに、お父ちゃんはどうしてわかってくれないの?っていう悲しみで一杯だったろうし。
 
あぁ、この2人はやっぱ親子だよ。
 
純と善行は何故ここまでこじれてしまったのか、和解することはできるのか、っていうのはこのドラマの見どころの一つだと思います。


愛(いとし)くんと出会う
就職試験に向かう純は、謎の青年・愛と大阪の路上で偶然ぶつかり出会います。
そして面接で大失敗した純に、愛は「あなたはそのままでいてください」と告げる。
 
出会ったこと以上に、この「そのままでいて」と伝えたことに意味がありました。この言葉がなければ、純は愛を意識することもなかったでしょう。後にわかりますが、純はおじぃに同じ言葉を言われて、救われた子なんですね。
 
 
一方、愛は顔を見るとその人の本性が見えてしまうため、ずっとうつむいて暮らしていたのに、純は何故か裏のない、みたままの女の子に見えた。
純の顔を見たときの愛くんの表情がすごくいいんです。信じられないことが起きて呆然としているようなあの顔。
 
愛役の風間さんは「金八先生」や「それでも、生きてゆく」などやたら事情を抱えた役がそれまで多く、今までやってきた役のイメージをあえて持ってきてもらってる気がする。得体のしれな感がすごくいいです。(逆に善行は金八先生のイメージを逆手とった武田さん。このドラマ、キャスティングが絶妙だわ。全員いい。)
 

 ちょっとすれ違っただけなのに、ずっと見てくるし、人の本性見えるとか言うし、なんか全体的に不気味だし。第1、2週の愛くんは純のストーカーのような存在で、えーと、面白いです。

純は「おじぃ、都会って怖い」とか言ってます(笑)。 

 

そのままでいられるか

純が就職したオオサキプラザホテルはかなり大きな組織で、純は集団に合わせることを求められます。純はとにかくお客さんを笑顔にしたい、喜んでもらいたい、という気持ちが働くモチベーションとなっているので、サービスをセーブするっていう意味がよくわからない。入社してすぐ勝手なことをして怒られます。純にとっては正義なんですが。

 あまり大きな声では言えませんが、私もホテルで勤務経験があり、当時は先輩からサービス過多になりすぎないようにと、よく言われていました。人が好きな人ほど、ホテルで働くのが苦しいこともあるかもしれない。だから純の気持ちは結構わかるんです。さすがにお客さんの肩は揉んだことはないけど(笑)。

お客様の都合より、組織の都合を優先するっていうのはホテルだけじゃなく、よくあることかもしれませんね。あの一本気で曲がったことが大嫌いな純ちゃんはこれから大変です。何しろ言うこと聞かない子ですから。暴れます。でも学びもある。

 

オオサキでは社長(舘ひろし)、桐野さん(吉田羊)、水野さん(城田優)等々、面白い人が色々出てきますが、この週はあのおとなしい同期のチカちゃん(黒木華)が、純にいきなりキレた場面が個人的にはおもしろかった。

純をだまそうとするお婆さんなんかもそうですが、人にはいろんな顔がある、見た目ではわからない部分があるっていうことを第一週からどんどん視聴者は見せられます。

 

伏線だらけ

1週目からたくさんの伏線が投入されています。予告に近いものから、最終週にからむものまで。ジェットコースターのように話が進むので、表面的な突飛さにとらわれがちなんですけど、実は数珠つなぎのようにストーリーが進んでいくんです。
 
たとえば、オオサキの面接官(後の上司)の態度があまりに悪いので、「近いうちにつぶれますよ!」って純はブチ切れちゃいますがが、実際オオサキは買収されてしまいます。
 
また、押し付けの強い善行と喧嘩をして弟の剛は家出をしますが、その際母の晴美に「お母ちゃんも、お父ちゃんと一緒にいたらおかしくなるよ」なんて言います。これも晴美さんの行く先を考えると恐ろしい伏線ですよね。
 
あとは、ひな祭り。おじぃとの回想シーンでしっかり雛人形が映ってました。しかも人形の前で幼い純に「お前はそのままでいい」とおじぃは言います。これは性格だけじゃなくて、女性としても純を肯定しているということですよね。男になる必要もないし、変に女らしくなることもない。純はこういう女の子でいいんだ、という肯定なんだと思います。
「女のくせに」といわれ躍起になったり、従来の性役割を逆転させた夫婦になる純ですが、これは男になるということではありません。暗い曲調に惑わされますが、これからちょくちょく流れる「ひな祭り」は純の応援歌なのです。
 
あと、晴美が「もうあい」って言葉を出しているのにも驚いた。
 

 

 

とにかく第一週はよくできている!いや、その後もいいけれども、この週があってこその次の25週に続くような気がします。

あと、この先のために書いておきたいのは、このドラマはシリアスだけれども、かなりコメディーシーンもあるということ。

夏菜ちゃんは、コント番組に出ていたこともあって、面白演技がすごくいいし、ナレーションもテンポよく、個人的にはうるさいとまでは感じないけどな。

 

だから色々な意味で、先入観なくこのドラマを見てらえたらっていう気持ちが私にはあるんですよね。本当に勝手な気持ちですけど。

 

第1話については真面目に書いた(笑)エントリーがあるので、ご興味がある方は是非よろしくお願いします。