お出かけ手帳

誤字脱字病。書いては直す人生。

『純と愛』 第11週 やめないでぇ (前)

☆ネタバレしています☆

 

「ホテルは所詮一企業で、夢やロマンでは食べていけない」ことを痛感させられた先週。大先真一郎はスーパーマンになれませんでした。オオサキはこれからどうなってしまうのか。
 
一方、台風被害でサザンアイランドが壊れて借金を返すあてがなくなったのに、「乾坤一擲(けんこんいってき)、起死回生の一手があるからまぁ見とれや」って善行は言ってたけど大丈夫なの?

…いや全然大丈夫じゃなかったっていうのが今週のお話です。
 
 
カオスな第11週
オオサキが大きく変わったこと、サザンアイランドが危機的情況にあることが相まって、今週は色んな人達が人生の岐路に立ちます。同時進行すぎて、もうメチャクチャ。とりあえず先に問題を列挙してみます。

  • 大先さんが去った後、桐野さんは何故か張り切っている。
  • 善行が宮古の家とホテルを売ろうとしている。(!)
  • 剛と誠が結婚すると言い出す。(は?)
  • チカと水野が今にもオオサキを辞めそうである。
  • 純はこれからどうする!?
今週、みんな何かしら辛い思いをしているのですが、それぞれの問題に対して立ち向かうのか、逃げるのか。それが今週のテーマです。「やめないでぇ」は「あきらめないでぇ」っていう意味でもあると思う。
 
私は決めたの
オオサキはカイザーに吸収されてから、ビジュアルからしても全く違うホテルのようになってしまいました。業務のやり方も変わり、スタッフは順応するのに苦労している模様。あ、ちなみに先週純は大先社長の秘書的なことをしていて(といってもマスコット的存在)、合併後はフロント勤務になりました。

チカちゃんはもう限界が近づいてるようなんですが、純はなんとか頑張っています。大先さんが去る時に、「オオサキをまほうのくににする」と約束したから。そして、その時は最初の客になる、と言ってくれたからです。
でも正直、全く仕事が楽しくない。

でも桐野さんは、大先さんが去った後むしろ張り切っているぐらいなんですね。
吸収合併後、成果主義の人事で桐野さんは宿泊部長に昇進し、今までずっとオオサキはカイザーだったみたいに働いています。全然動じているように見えない。

ある日、純にも手伝わせて、桐野さんはオオサキの精神を記したあのプレートを外してしまいます。上の命令だからと言って。合併前は桐野さんだって時折大事そうに拭いたりしていたのに、ためらいもなく外す。
「何故平気な顔してるんですか?大先さんについて行くと思ったのに。桐野さんの考えてることがわからない」と怒ってしまう純。
すると桐野さんは「今晩付き合って」と真顔で言います。
 
呼び出されたのはカラオケボックス。池内さん(料飲部長に昇進)と、ロビーウェディングでお世話になった広報の新井さんもいます。

桐野さんは、そこで純に自分の本心を伝える。

「私は決めたの。うちのホテルの社長になるって。いつか必ずカイザーを自分の理想のホテルにしてみせる」

だから今はどんなに辛くても、歯を食いしばって宿泊部長として結果を出すつもり、と力強く言うんです。

「確かに、大先さんが解任された時、ついて行きたいって思った。でもなんだか逃げるみたいで悔しかったの。自分からも、オオサキからも」

桐野さん、かっこいいよ。立ち向かうことを決めたんだね。オオサキが変わってしまったのは悲しいけれど、そんな時でも新たな希望の種を見つけることだってできるのです。
更に純に対してこう続けます。
 
「あなたのせいだわ。あなたのせいで、理想と情熱を持っていた昔の自分を取り戻した。
だからこそ、もう一回オオサキを再生したいと思ったの。彼のためにも。
協力してくれない?もし社長になったら次にバトンを渡したいから、あなたに」
その顔はとても優しいです。
 
戸惑いながらも、喜ぶ純。
 
以前、愛くんが桐野さんの本性を見た時、純と似てるって言ってたものね。大先さんも、昔は純みたいに目がキラキラしてたって言ってたし。
 
桐野さんが自分を取り戻せたのは、純が怒られながらも、自分らしさを貫いていたから。迷いながらも、自分を信じ突き進む姿が輝いていたからです。でも、その姿を見て、あぁ私にもあんな頃があったんだ、って思うだけじゃなくて、またあんな自分に戻ろう、と変わる決意をした桐野さんはすごいと思う。
大人が素直に生きていくって、本当に難しいことだから。強くないとできないよ。
 
じゃあとりあえず今日は盛り上がろう!愛くんも呼んだら?ということになります。
 
先輩達の「年下の男の子」をBGMに、純に仲間ができてよかったと喜ぶ愛くん。純は「私さ、もう泣き言とか絶対に言わないからさ、これからも支えてね、私のこと」と愛くんに頼みます。
 
このお願い、純はこれから何回するのかね。もう泣き言いってもいいってことにしたら、と思っちゃうよ(笑)。泣き言いいながらも、頑張ることだってできるじゃん。
 
ともあれ、大先さんとの約束だけでなく、桐野さんを応援するという目標ができ、オオサキで頑張っていく力が湧く純です。
 
カラオケボックスのシーンでは、愛くんの異常な音痴も発覚し、さっきまで優しかった桐野さんが「やめろー!」と本気でキレるのが面白かったわ。あれはヒドイっていうか、逆に難しいと思う(笑)。ちなみに選曲は加山雄三「君といつまでも」。(こういう細かい伏線やめてくれ泣)
純は「人って何かあるのね、苦手なもの」と、愛くんの新たな一面を知ります(笑)。完璧な人間はいないからね。愛くん、何でもできすぎだから。
 
この週はこんな風に楽しく始まるんだけどな。
 
 
善行、オオサキに現る
桐野さんたちとの決起集会で、元気を取り戻した純。
そんな中、なんと善行がオオサキに現れます。チカに「うるさいクレーマーがいるから一緒に対応して欲しい」と頼まれて客室に行くと、そこにいたのがお父ちゃんでした。
 
台風被害の後、家族の誰とも連絡がつかずサザンアイランドも休業中のままで、純はここのところ心配していたんですが…。
 
そこにきて、善行の登場。
でも、何故大阪にいるのか教えてくれません。
 
次の日、純は愛くんにオオサキへ来てもらい、善行の企みを読んでもらおうとしますが、心の中で「なにわ恋しぐれ」を歌い続けるという、かく乱作戦でかわされる(笑)。目にもなんかスースーするスプレーをかけてくるし。以降、この週の愛くんは片目眼帯となります…。
お父ちゃん、やるな。
 
その後、善行がいると純の留守電で知った晴海、正(壊れたサザンアイランドを直そうとして、転んで骨折中)、マリアもオオサキに登場。
 
遂に晴海と正から、善行が何をしようとしているのか明かされます。
「うちのホテルと家を全部売って、大阪に引っ越すって言ってるさ、お父さん」
起死回生の一手は、これだったのか。
 
なんでも、昔勤めてた商社で部下だった人が宮古のリゾート開発をしていて、ホテルと家を渡す代わりに、借金の肩代わりをする上、子会社の重役ポストまで善行に用意する、と言っているらしい。
 
話ウマすぎるわ。そりゃ飛びつくよ。
 
っていうかもうお父ちゃん、背広でどっか行っちゃったし!
 (純をマいて、タクシーに乗り込んだ善行の満面の笑みは、素晴らしく憎らしかったです笑)
 
1番大事なものは何?
善行を尾行していてた愛くんがなんとか契約を阻止したものの、契約する話は変わらず。日を改めて、となっただけです。

帰って来た善行を取り囲み、オオサキの客室で家族会議をするけど、もう話し合いにもなりません。善行の心は決まっている。お父ちゃんは借金のことはもちろん、大阪で再起することを既に次の夢として見てしまっているんです。

善行にとって宮古は、大阪で仕事に失敗したからこそ行くことになった屈辱の場所。恐らく善行は12年前の失敗をずっと引きずり、劣等感に潰されていたんでしょうね。そりゃホテルの経営もうまくいくわけないよ。
そこにきて出てきた再就職話。これで、今までの惨めな思いから解放されたれるかもしれない。そんな希望を抱いてしまっている。
善行は自分のプライドのために、売却話を進めているのです。
 
一方、売却を反対する家族も、自分の想いのために反対しています。

特に純と晴海にとっては、宮古のホテルも家も自分の幸せだった時の思い出がつまった場所です。絶対に失いたくない。
どんなに辛くても、楽しかった思い出があれば、生きていく力になる。その思い出がつまった場所は本当に大事なんだよ。

先週、亡き夫とのつまったオオサキに、毎日来るおばあちゃんが出てきましたね。あのおばあちゃんが出てきたのは、オオサキの歴史の長さや重みを教えてくれるためだけじゃない。
人間の気持ちと「場所」がいかに密接に繋がっているのか、ということを描くためです。
あのおばあちゃんは、旦那さんとのデートも結婚式もオオサキでしたっていう人で、幸せな思い出があそこにたくさんあった。おばあちゃんはオオサキがただ好きなんじゃない。旦那さんとの思い出を大事に生きているから、二人で楽しく過ごしたオオサキに毎日来ていたわけです。

カイザーに吸収されて「私はこれからどうしたらいい?」って、おばあちゃんは迷子になった子供のように言います。大事な場所がなくなってしまうって、心が帰る場所がなくなっちゃうってことなんだなと思ったよ。
 
善行と純・晴海の対立は、宮古に対する思いが正反対すぎて、歩み寄る余地が全然ありません。みんな、自分自身が大事なものを主張し合っているだけなんです。
正なんて、それこそ自分とマリア、産まれてくる子供が食っていければいいって感じだし。
家族みんなにとって、何が最良の選択か、という話が全く出てこないのです。
 
「俺は大阪にもう一回戻って、10億、20億の仕事がしたいねん」
「お母ちゃんや、おじぃのホテルを作った思いを考えて」
「お前は生きてる父親より、死んでるおじぃのほうが大事なんやもんな」
「じゃあ、お父ちゃんは家族を大事にしているの?」
 
ロビーウェディングが成功で視聴者が見せられたのは、「みんなが同じ目標に向かって一つになれば、ひとりできないことができるかもよ」っということだったわけですが、いまの狩野家にはそれとは程遠い。
純は家族みんなで相談して決めよう、と言いますが…。
 
  
家族でもないのに
「俺は決めたんや!何としてもやる!」
善行は自分の部屋から皆を追い出します。
 
「とりあえずウチにくれば?」と純は晴海達を誘いますが、愛くんに本性を見られたくない晴海はやんわりと拒否します。
「でも、愛さんに悪いし…。お父さんが心配だし、近くにいた方が」と、オオサキに泊まることに。お金もないのに…。

その日の夜、純は愛くんと二人だけで食事です。ご飯だけでもみんなで食べることだってできるのに。フード理論的観点からも、純と愛くんは晴海とまだ共に戦う仲間ではないんだな。
 
これからどうしよう、と途方にくれる二人です。
 
次の日。善行の部屋の前に集まる一同。
結局、部屋から出ないように見張るのっていう原始的な方法しか今はない、ということになるんですが、純は仕事、正は骨折、マリアは妊娠中、晴海は弱い(前日に、出会い頭に純とぶつかり手も捻っている)。愛くんが1番の適役なのに、お母ちゃんはそれを頼む発想すらない。

愛くんが「よければ僕が…」と言うと、晴海は「でも家族でもないのに、申し訳ない」ってポロっと言うんです。
 
これはかなりキツいよ…。
 
純も思わず「それどういう意味!」と言ってしまいます。そりゃ言うわ。
 
晴海はどうしてここまで愛くんを拒絶するかね。多恵子が純を拒絶するのとは種類が違う。純は関係なく、晴海はただ自分を守るために、愛くんを拒絶してる気がするよ。
結局、お母ちゃんは善行と一緒。自分が一番大事なんだよ。(私もそうだから、非難するわけじゃないです。むしろ、善行と晴海の人物造形ってよくできていると思う。)
 
 
おじぃのテープ
ちょっとだけ話は戻りまして、晴海達がオオサキに来た日、純は晴海からカセットテープを渡されます。掃除をしてたら出てきたよ、と。

帰ってひとり聞いてみると、おじぃと子供の頃の純の声が入っています。
おじぃが「今日はおじぃの誕生だから、純が歌のプレゼントをしてくれます」って優しく言って「恥ずかしいよ〜」っと照れながらもハッピーバースデーを歌う少女純。そして音痴!微笑ましいです。

「純さんも音痴だったんですね笑」
愛くんに気づかれて途中でテープを聞くのをやめてしまうんですが、ここでおじぃの生声を聞かせるなんてね。宮古をリアルに鮮やかに思い出すじゃないか。憎いねぇ。
 
このテープが今週のキーになります。
 
 
 剛と誠が結婚!?
さて、「家族でもないのに」発言で場が凍りつき、晴海はごまかす為に「こんな時、剛がいてくれてたら」って言い出します。
 
で、剛に電話したら、善行の隣の部屋に剛と誠が泊まっていて、二人が結婚したいと言い出す。
 
今週この流れが一番むかつくわ(笑)。
いや、誠が人生の岐路に立ってるのはわかるけど、誠と剛が結婚するっていうのが無茶だよ。このあと、善行の契約阻止と並行して、この二人の結婚式を阻止しようとするって流れになるんですが、このドタバタは一体なんなのさ。
 
式をしたからって結婚したことにはならないんだから、そこまで結婚式を止めようとする必要性がわからないよ。この状況だったら、緊急度の高い善行をみんなで止めるのが先でしょ。
でも狩野家も待田(多恵子除く)家も、売却危機と末っ子達の結婚の間で、あっちもこっちもってオオサキの中で振り回されるんです。
 
これはお話を盛り上げるとか煽るっていうこともあるし、こういう中で善行がどうなるかっていう結果にもかかる訳だけど、純は今後どうするか、という伏線にもなってるってことでいいんですよね(怒)?つまり、人間あれもこれも同時にはできないのだということ。どっちも大事だとしても、選ばなければいけない時がある。第3週のマリアさんの妊娠騒動とお客さんのリクエストに挟まれた時にも、この話はでてきたね。

そういう意図ってことじゃないと、このドタバタは許せんよ(笑)。
 
(この週は最後の日以外は結構ポップなんです。ばかなことやってるからこそ最後がドーンとくる。色々考えてこういうふうにしてるんでしょうが、ファンだからこそここは怒らせてくれ。ここだけだから。)
 
 続く!
 

 

純と愛 完全版 DVD-BOX2

純と愛 完全版 DVD-BOX2