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お出かけ手帳

誤字脱字病。書いては直す人生。

『純と愛』 第12週 さいしゅうけっせん 後半

☆ネタバレしています☆

 

 続き! もうツラいよ、この週(泣)。

 

金曜日:裏切り

そうなんです。善行は裏切ります。

愛くんの説得、結構真剣に聞いてくれてたんだけどな…。

 

お客さんに支援をお願いし、喜ぶ家族。純もすごく嬉しそう。お父ちゃんが、やっとわかってくれた!

次の日には、善行も接客。離婚もなしになりました。愛くんはまだ何か隠してるって思うんだけど、それを晴海に伝えると、怒られてしまいます。

善行は「愛くんにガツンと言われて改心した」と言うし、商社の人が「仕方ないですよ、今回は諦めます」と帰るところを純は目の前で見る。

 

純は善行を信じると決めました。たった一人の父親なんだし、と。

愛くんが、せめて契約破棄の書類だけでも見せてもらったほうが…って言っても、純はつっぱねる。信じたいんですね。愛くんはその気持ちを尊重する。誠も善行がコソコソやってたのを見てたんですけど…。純の気持ちを聞いた誠は、兄に聞きます。「愛ちゃんは信じてるん?パパとママのこと」

 

「明日予約が入ってないから一緒に食事をしよう、勘当も解く」と純も愛くんも誠も狩野家に呼ぶ善行。今までになく優しい声色です。

 

そしてホテルがカラになったところで、一気に撤去作業を始める。

おい、やり方が汚いぞ(怒)!

 

善行が家にいないことに愛くんが気づき、純とホテルに走ってきた時にはもう遅かった。業者が備品をどんどん運び出している。家族も遅れて駆け付けます。

 

書いててしんどいな。なんでこんなことをしてるんだ私は…(笑)。

 

「みんなを騙した!」「お前が全部悪い」っていういつもの父娘の言い合いから、善行はどんどん狂気めいてくる。

 

「女房も説得できない男やと見下されて、損害賠償ふっかけられて、詐欺で訴えられそうになってんねん。もう自己破産だけじゃすまん。犯罪者にされてしまう。せやから持ってる土地と建物、売ったんや!どこが悪い!」

がんばろうよ、という純と晴海。しかし…。

「俺はこの島におることが耐えられへんねん。もうこれ以上おったら、俺は死んでしまう。よってかかってこの俺を殺す気か!俺は全身全霊かけて家族を守ってきたんや。こっから先は、俺は俺のために生きるんや!」

持っているなんか棒みたいのを振りまわすお父ちゃん…。もうこの人を止められない。

大切なジュークボックスも持って行かれてしまいました。

 

善行よ、これはひどい。こんな仕打ちないよ。でも私「これからは俺は俺のために生きるんや」と壊れてしまった善行世代の方の症例を、幾つか聞いたことがあります。実際にこれに近いことって結構起こってるんですよね。生きていくって難しい…。

 

諦められない純。でも、家族は何もなくなったホテルを見て、心折れる。諦めてしまいます。

 

長男として責任感じてるの!という純に、正は「長男、長男っていうのやめてくれるかな!俺は長男なんかに生まれたくなかった!」と逆上(この人は第1話から、ずっとこれを言い続けてる)。

 

晴海は「離婚してやってもいいが、これからひとりでどうするんや」と善行に半分脅され、「お父さんの言う通りにします…」とビーチを売ることを承諾してしまう。反発する娘には「純!お願い。これ以上苦しめないで!」と、キツい返し。純が悪いわけじゃないのに。

 

剛は無力。

 

おじぃ、助けて。どうしたらいいの? 

 

皆を安心させたところで一気に地獄に落とすタフ回。まぁ愛&誠がかなり疑ってるシーンがあったけれど…。純が喜んだあとに、どん底まで落とされるのを見るのが辛いよ。辛すぎる。

 

考えさせられるのは、回が始まってすぐ「家族を信じられるか」っていう話題を出し、その後、みんなが狩野家に集まったところで、正、剛、愛くんが唐突に「人は何故結婚するのか」っていう会話をしてるんですね。

 

その後にこれですよ。

父親が妻や子供達にこんなひどいことをしている。これでも結婚や家族っていいものって言えるのか、と問われている気がするんです。

これ見て、胸張ってYes!とは言えんよ。

 

お父ちゃんは結局、家族を信じていなかった。純の言う通り、自分のことしか考えていない。騙し討ちっていう、家族の信頼を裏切る形で自分を選びました。自分が向きあうべきことから、ことごとく逃げた。訴えられるかもしれないことも、純たちに相談することだってできたのに。

こういう善行のひとつひとつの選択が、きっと今でも、そしてこれからも善行自身の首を絞めていくんです。

視聴者にも今までは多少同情したり、共感させる余地を残していたのに、ここで全てを自らぶっ壊しにかかった善行というキャラクター。この人はひどいです。でも人間はひどいんだよ。だからこそ、この人から学ばなくては。

唯一この人の肩を持つとしたら、家族が善行の苦悩を全く理解していないし、しようともしてないこと。でもそれは、お父ちゃんが心を開いてないからだしな…。愛くんが善行の心に踏み込んだ時に、ある程度内面の理解を示したのに。あぁ、でも嫌いな男の言うことを素直にきくわけないか、この人。それこそプライドが許さないね。この結果は必然だったのね…。

やっぱ肩もつの今は厳しいわ、お父ちゃん。

辛い…。

 

土曜日:崩壊

ホテルで家族が揉めていると、窓越しに大きなトラックが向かってくるのが見えます。純は走りだす。

車道の真ん中に立ちはだかり、でっかいトラックを丸腰で止めようとする純(このタイミングで『101回目の〜』のオマージュですか…?)。

 

愛くんや晴海は止めますが、純は動こうとしない。

「約束したんだから!おじぃのホテルを守るって!」

すると善行が「実力で排除するのは、法律で認められてんねん!お前の母ちゃんに聞いてみ!」って愛くんに言うんです。多恵子の話がいきなり出てきて、驚く愛くん。

トラックはサザンアイランドに向かって行ってしまいました。

 

涙の純はホテルに戻る善行の背中に向かって、怒ります。

「なんでよお父ちゃん!昨日もおとといも家族みんなでうまくやってたじゃない。お客さんだって昔のホテルみたいだねって、すごい喜んでたじゃない。あのままみんなで頑張れば、借金だって絶対返せたのに!」

「いつまで俺の邪魔をしたら気がすむんじゃ、ドアホ!!」

「なんでそんな考え方しかできないのよ。たった2日だけど、家族みんなでホテルやれた時、夢が叶って死ぬほど嬉しかったのに…。嬉しかったのに!お父ちゃん!!」

晴海も泣いています。

 

振り返りもしない善行。

 

ここからクレーンでサザンアイランドが壊されていきます。建物が振動を立てながら崩されていく。がれきが地面に落ちていく、おじぃの写真が、プレートが落ちていく。

なんという無力感。

おじぃ、この世にまほうのくになんてないんだ。

悲しい人間の欲望という国しか。

 

あっという間にがれきの山と化したおじぃのホテル。

 

純はがれきの中からおじぃのカセットが入った旧式のプレイヤー、サザンアイランドとオオサキのプレートを拾います(オオサキのも飾ってたのか)。もう茫然としすぎて、声も涙も出ません。そんな純の肩に手を置く愛くん。

 

そこに愛くんの電話が鳴る。多恵子です。いつもながらの強気な口調。

「あれから、まほうのくにがどうなったかと思って」

 

なんと多恵子は売却先の商社の顧問弁護士でした。善行にも先に建物と家を売って既成事実を作ってしまえばいい、とアドバイスをしていた(!)。そうすれば晴海は折れるしかない。サザンアイランドを救えないことをわかっていながら、契約書の不備を純たちに教えていたんですね。

「あなたがあの女と縁を切るためなら、このくらいのこといくらでもするわよ。これからも」

打ちのめされるいとし。 


うわー。多恵子がホテル崩壊に手を貸していたって。この人もカイザー吸収の時は、業務の遂行なんだからと、ちょっと理解できる余地があったけど、これは…。愛くんだけじゃなく誠が離れて行ったからって(純のせいじゃない)、なんという仕打ち。

 

家に戻ると、嬉々と荷造りをしている善行。大阪でのマンションも決まってるそうで。しかし、善行と晴海と一緒に住もうとする者はいません。そりゃそうだ。純も「結局バラバラじゃん、家族みんな」と呟き、力なく去っていく。追いかけてるいとし。

 

せめて子供達と一緒にいられるなら、と思っていた晴海は、悲しみに打ちひしがれ、ひとりむせび泣きます。

 

夜。宮古の空港。誠が「元気だしてな、純さん」と純と愛くんを見送ります。放心状態の中、かろうじて返事をする純。純たちはとりあえず大阪へ。誠は臭いが気にならない宮古に留まることに。

 

誠が去った後も静かに空港のベンチに座り続ける、純と愛

愛くんはおじぃと少女純の声が入ったテープを、おもむろに再生します。ハッピーバースデーの歌の続きには続きがあったんですね。2人の会話が続けて入っていた。

純は大きくなったら何になりたい?っていう話。もちろん純は「おじぃののホテルのおかみさんになるのが夢なの。それでここをまほうのくににするの」って言ってるんですね。この内容は今まずい、とテープを止めようとするいとし。でも純は愛くんの腕を掴んで聞き続けます。

「なれるかなー」「純なら大丈夫」と言って、おかみの挨拶練習を純がしていまして、とても楽しそうなのが辛い。そしておじぃは最後にこう言います。「純がいてくれたら、このホテルはずーっと大丈夫さ」

 

なんて残酷な。

純は静かに涙を流します。

 

ここで入るのは、純ではなく、愛くんのナレーションでした。

僕にはかける言葉がない。

おじぃ、純さんの心の声が聞こえなくなりました。 

えぇ!純さんの声が聞こえないって…。あの表も裏もなかった純が、完全に心を閉ざしてしまいました。

やっと物語の折り返しが見えてきたところで、この惨状…。


なんだかんだ言って、おじぃのホテルを再興する話になるんじゃないかっていう期待が、このドラマにはあったと思うんですね。それが、もう完膚なきまでに打ち砕かれた。びっくりしましたね。

 

カイザー事変の時は、まだ桐野さんがいたし、多少は希望があったけど、今回はサザンアイランドのがれきまで見せて、狩野家は宮古から完全撤退です。放映時は、純ちゃんじゃないけど、本当にショックで…。

自分の大切なものが徹底的に壊され、仕事も故郷もなくし、しかもそれが実の父と義母の仕業っていう。家族自体も崩壊です。朝ドラで、こんな話ありますかね…。いや、ない。だから怒られた(笑)。善行と多恵子が一番憎まれる週なんじゃないですかね。もう家族なんてサイテーっていう思いがフツフツと沸く。

しかも善行の俗っぽいホテルじゃなくて、おじぃ時代のホテルに戻してから壊すっていう。おじぃのホテルがなくなったんだっていう喪失感がとめどない、週のラストでした。DVDで見直しても、やっぱりここは落ち込みます。親の勘当とかで揉めてた時より断然辛い。だって、おじぃのホテルは純ちゃんの「生きる目標であり、夢であり、何にも代えられない宝物」だったんだよ。これから一体どうすれば…(泣)。

 

でも、この週で嫌になった人は、ここまで見たなら、もうちょっと耐えてほしい!このドラマは悲しみや喪失をどうどう乗り超えるかっていうお話だから。純ちゃんたちを見守ってほしいです。これからも大変なの。そしてまた落ち込むの。でも純は最後にはいつだって純に戻るから。あとね、この状況じゃ信じられないかもしれないけど、これラブストーリーなの。


だから、行かないで!

 

(がれきをあれだけ見せるのは、やはり震災を強く意識してると思います。 放映は震災から2年も経っていません。このドラマは大切なものや人を失った人たちのために作られていると思う。傷ついた人に寄り添うために、純はどんどん傷ついて失うんだろうな。人を癒すには過激すぎる劇薬だけど…。効く人には効くはず…。)

 

 

純と愛 完全版 DVD-BOX2

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