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お出かけ手帳

誤字脱字病。書いては直す人生。

『純と愛』 第18週 えがおのゆくえ (前)

純と愛 テレビドラマ

☆ネタバレしています☆

 

18週まできたか…。

オオサキで桐野さんに怒られていた頃が懐かしい…。

今週は粛々と。

 

<今週のあらすじ>

正式に若年性アルツハイマー認知症と診断された晴海をめぐり、大激震の狩野家。

善行は妻のために変わることができるのか。そして純と兄弟たちは。

 

病気が進行とうろたえる家族

認知症の治療を始めた晴海。

病院に付き添う純に「頼りにしてるよ」って笑顔で言ったとかと思えば、家に帰るなり「私のことを構わないで」って急に機嫌が悪くなったり、コロコロと気分が変わってしまいます。症状が進行していく。

これからはもっと色んなことがある。下の世話もする時が来るかもしれない。

 
晴海の病気に戸惑い、長男としてのリーダーシップがますます取れない正。
晴海が大好きだけど、気持ちばかりで、現実感がまるでない剛。
晴海を思うあまり、家族のやることなすことに文句を言ってしまう純。
 
子供たちは、何かあるたびに仲間割れ状態です。
母を思う気持ちは皆同じなのに…。
 
そして善行は誰よりもうろたえ、どうしたらいいのかもわからず、酒に逃げる。家にも寄り付かない。

しかもお父ちゃんは、クビになった会社で(クビだったの!?)酔っぱらって騒ぎを起こしてしまいます。「俺の人生をめちゃくちゃにしやがって」。

あぁまた不幸を人のせいにして…。

酔っぱらっていたので覚えてない、と決まり悪そうなお父ちゃん。

情けないねぇ。迎えに来た純は「なんでこんな時にお酒なんか!」とイライラ。

 

一緒にマンションに帰る二人。

「なぁお母ちゃんの病気ホンマ治らんのかなぁ」「騒ぎすぎちゃうか?」と善行は信じられないというか、信じたくないようなんですが、そうしている間も病気は待ってくれない。

料理がうまくいかなかったり、あげたばかりのお小遣いを剛にまたあげようとする晴海。

しまいには「財布がなくなった、純が盗った」と大騒ぎをし、引き出しをひっくり返して探し出す。純を強い口調で責め、剛に泣きつきます。

やっと家に戻った善行でしたが、その様子を見て、たまらずまた家を飛び出してしまいます。
 
晴海の病気の進行にもちろん純もショックを受けてはいるんだけど、男性陣のうろたえが大きくて…。でも、これはしょうがない気がするんですよね。少なくとも今まで描かれてきた狩野家の男たちなら当然の反応だと思う。こういう反応をさせたくて、予めみんなダメダメな造形にしたんじゃないかって思うくらい。
 
特に、善行は「妻はこうあるべき」という自分の考えを晴海に押しつけ、しかも晴海はそれに我慢を重ねて応えてしまっていました。
そんな晴海が変わってしまうことがあるなんて想像もしてこなかったくらい、善行は妻に甘えてきた。このうろたえは、そういうことなんですよね。
 
今まで晴海に頼りっぱなしだった男たちは、どうなってしまうのか。 純には何ができるのか、というのがこの週の課題です。
 
 

笑わせて、私を

今週は、狩野家の物語が大きく動いていくんですが、それと並行して里やのお客さんのエピソードが毎日少しずつ出てきます。

家族会議の最中、里やから呼び出される純。24時間コンシェルジュに頼みたいことがあるという客がいる、と。「あんた今大変だから適当に断っておこうか?」ってサトは言うんだけど、純は飛んで行きます。 

そこにいたのは、酒びたりの客・久世(朝加真由美)。

「笑わせて、私を」

真顔で久世は、純にそう頼みます。

「ここにきて、いつもあなたが楽しげに仕事してるのを見てたら、自分がもう何年も笑ってないことに気づいたの。というか、どうやったら笑えるのか思いだせなくて。あなたの辞書には『無理』って言葉はないんでしょ?」

「わかりました」と速攻で変顔を始める純(笑)。

そして全くウケず…。

サトは「適当にしておけばいい」と言います。

あの人、色々あって、人を信じられなくなってるみたいだからさ。

でも今週、毎日純は諦めずに久世を笑わそうとバカなことをし続けます。

 

この日はマイケル・ジャクソンのモノマネもするし、次の日からもアツアツおでんのリアクション芸、セニョールも巻き込み『タイタニック』風寸劇、はたまた手品…。

純のネタ見せ→全くウケずに「お酒ちょうだい」って言われる流れが、この週のお決まりになる(笑)。そしてそれを微妙な面持ちで見守る里やの人々…。

サトには「バカだねぇ笑」と言われ、チュルチュルに「撃沈」とか「退場」と片づけられるんだけど、それでも頑張るんです。お母ちゃんのことで奔走しながらも。

晴海の深刻なエピソードの週に何故?でもちゃんと意味がある。

 
 
お母ちゃんの笑顔のためなのに…
忙しい中、純は認知症について猛勉強を始めます。

愛くんは「お母さんのことが心配なのはわかるけど、ひとりで抱え込まない方が…」って心配するんだけど、純は「あたしはね、お母ちゃんのあの笑顔がなくなるのが嫌なの」。視線の先には家族写真の中で微笑む晴海がいます。

「1分でも1秒でも、お母ちゃんの笑顔が見られるなら何でもやるつもり」

不安な気持ちが、何かしなきゃと突き動かしているのでしょう。

 

一方、里やにやってきた剛は「お母ちゃんと一緒に宮古に暮らす」と言い出す。でも、ノリがあまりに軽いため、純に「ちゃんと考えてから言え」と怒られます。

すると「おれはお母ちゃんによくなって、長生きしてほしいんだよ。なんでわかってくれないんだよぉ」と泣き出す。剛なりの思いはあるのです。

サトにも「この子の言うことも一理あるよ、宮古のほうが病気にもいいんだろ?」って言われるんだけど、純は善行が宮古に帰りたがらないことを気にかけます。夫婦を引き離してはいけないと思っているんですね。

そんなこと言うなら、お父ちゃんのことはよろしく、と逃げていく剛。こずるいぞ!

正も就職し(ホストになりました…)、これからは金を稼がなきゃ、忙しいからと、善行問題を妹に押し付ける。

晴海のことはなんとかしたいけれど、正も剛も面倒くさい父親に関しては、純任せです。

なんだかなぁ。この2人は、面倒なことは母親にやってもらってきたからなぁ。そして晴海が手に負えなそうなことは、純がやってきたし。問題解決なんて、そもそもしてたことがないんだよ。

 
ある夜、晴海は財布の件を純に謝りに、里やへやってきます。
「この前ヒドいこといったでしょう?私のこと嫌にならないでね」と小さくなって娘に頼む母。本来の自分と病気側の自分との間で揺れているんですね。切ないよ。
純は何言ってるの、嫌になるわけないよ、と母を優しく里やの中へ迎えます。
 
師匠との初恋話をしたり、宮古の踊りをしたりと、久しぶりに楽しそうな晴海を見た純。やはりお母ちゃんは宮古にいたほうがいいんだ。
 
宮古に帰れないならせめて、と純と愛は晴海のマンションを宮古風に模様替えをします。喜ぶお母ちゃん。
 
そこへ善行が帰ってくる。頬には絆創膏(純も今週はずっと頬に絆創膏を付けています。先週、善行が床に投げつけた破片で切ったんです。そして純と同じ位置のに傷を作る善行。あぁ因果応報)。手にはお酒です。部屋を見るなり、宮古風に変えたことを激怒。「絶対に宮古には帰らない」と更に意地を張ります。
それに対して号泣しながら「わかりました」という晴海の姿にいたたまれなくなり、またも出て行く善行。
 
怒る純。
でもその直後、いとしは善行がメモを落としていったことに気づきます。そこには、認知症を診る病院が幾つも書き連ねてありました。善行なりにできることは模索しているのです。でも、どうしても素直になれない。妻に優しい言葉をかけられない。
 
部屋を見たときの笑顔とは一変、晴海はもう宮古には帰れないのだ、と深く落ち込みます。これを見た正と剛は、純のせいだと責め、もう家にはくるなと言い渡す。
 
何故うちの家族はみな名前負けで頼りにならないのかと、仕事中も怒りが止まらない純。
 
そこにマリアがやってきて、純がいないと家族がダメになると励まします。
実際、あんなに気負っていた剛は晴海を振り回し、世話どころではありませんでした。
 
そして剛が目を離した隙に、行方不明になる晴海さん…。
 
 
狩野家の誰もが、晴海のことが大好きで、少しでも元気になってもらいたいと願っています。でもみんながお互いに歩み寄らないので、個人プレーになってしまう。それが余計に家族をバラバラにしてしまうんですね。だから純だって凄く凄くがんばっているけれど、いつものごとく空回りなわけです。
純任せの家族はズルいです。でも、何かする時に、せめて相談するなりすれば、善行は無理でも正も剛の態度は違うかもしれない。そんなことを思わせます。純ちゃん怒ってばっかりだし。
 
これから家族が一丸となるためにも、こういうぶつかり合いのエピソードを積むのは必要だったんだろうな。でもやっぱり、家族げんかを見るのは楽しいものではありませんね(笑)。
 
 
ふたりの母親
消えてしまった晴海。
必死に家族が探すなか、晴海を見つけたのはなんと多恵子でした。買い物袋を手に、道で迷っていた晴海と偶然会うんです。
 
いとしから連絡を受け、里やに飛んでくる純。晴海を傷つけないように、食堂の外でまずは見守ろうといとしは純に言います。それに何故だか二人の母親は楽しそうに、食堂で話をしているというのです。
 
「純がご迷惑を」と言う晴海に、「もう慣れました」という多恵子。
息子のために純を受け入れ始めているのだろうな。
さらに「そちらこそ、うちの息子に迷惑しているんじゃないですか、人の本性が見えるとか言って」と、まさに晴海の気持ちを言い当てたりして。
姑としての会話としてはお互いちょっとおかしな感じなのですが(笑)、和やかに会話は進む。
 
ここで二人が何を話すのかというと、「何故自分のような女からあんないい子が生まれたのだろう」ということなんです。正反対の生き方をしてきた二人が、母親として共感し合う。
 
子供の頃から変わったお子さんだったんですか?、という晴海の質問に「いいえ」と笑みを浮かべ答える多恵子。ちょっと誇らし気にも見えます。
いとしは子供の頃、いつもニコニコして優しい子で。

「なんで私みたいな女から、こんないい子が生まれたんだろうって、不思議でした」

「私も同じです!何で私みたいな女から純が生まれたんだろうって…」

晴海も多恵子に続きます。
 
でも、あの子がいてくれて本当に助かりました。正ぃと剛ぃは優しいけど、頼りないから…。純はいつも自分の言いたいことを夫に言ってくれるし、頑張っているのをみるとどんなに落ち込んでいても元気もらえて。
純が生まれてきてくれて本当に良かった。
 
二人の発言に驚きつつも、嬉しそうに聞き入る純と愛
 
 
晴海もだけど、多恵子までもが息子への愛情を素直に表すという。あの多恵子がですよ!
純と愛』の中でも上位に食い込む、ハートウォーミングな瞬間です(笑)。
 
このドラマは「家族ってそんなにいいものじゃない」っていうことを描いているようで、家族を思う気持ちがそこかしこに出てきますよね。
晴海と多恵子。母親の気持ちがぎゅっと詰まったいいシーンだなぁと思います。
ここのところ逃げる父親が何人も出てきたけど、その一方でこの二人は状況は違えど、自分のできることを最大限にやってきた。それは子供への強い愛情があってこそです。
 
多恵子は恐らく、晴海の状況をすぐに察知しています。だからこそ、素直になれたっていうのもあると思うんです。晴海に駆け引きをしてもしょうがないし、かといって息子や純に直接何か言うほどの関係ではまだない。晴海だから、素直に気持ちを言えたんじゃないかな。
それに母親が集まって話す話題は、だいたい子供のことですよね。
  
晴海は、正や剛と比べると純をないがしろように見えていたけど、ここでは純への愛情を表現しています。これを聞いて純はどれだけ嬉しいだろうかと思うと、涙が出そうだ(笑)。
愛くんも、多恵子からの意外な言葉が聞けて幸せを感じてると思います。
 
ここで母親たちからの愛情をはっきりと言葉で聞いたのは、純にとっても愛くんにとっても、心の動く大きな出来事でした。物語の流れから言っても、コレがあるのとないのじゃ全然違う。ここから純も愛も、「母親に愛されたい」というより、「母親を愛したい」という気持ちがもっと加速してくと思うんです。安心して母親を愛していいんだ、という意味においての。
視聴者も、二人の母親に対する見方が変わる(はず)。
この週はターニングポイントがいくつもあります。
 
 
そこへやってくる正と剛。
お母ちゃんどこにいってたの!?と案の定心配から晴海を責めてしまいます。
 
多恵子は私たちは待ち合わせをしてただけだ、と騒ぎを制する。「あなたたちの悪口を言うためよ」。
 
純は多恵子に礼をしますが、別に礼を言われるようなことは、と相変わらず。
ただ「家族が揃ったんだから食事をしたら?」と言います。子供たちを仲直りさせるため、晴海は鍋の材料を買いに行っていたというのです。
 
出て行く多恵子を、いとしは追いかけます。
何かあったら、いつでも言ってほしい、と母を気遣う息子。
「じゃあ一緒に帰って鍋でもする?」
意外な言葉に驚くいとし。
 
冗談よ、鍋嫌いなの知ってるでしょ?と多恵子は帰っていきます。
 
愛する息子が、自分意外の母親のために奔走するのを見るのは、複雑な心情でしょう。
あぁ多恵子。すごくいいよ。だんだん素敵に見ていく。
 
愛くんが今晴海と関わっているのは、いつか多恵子との関係修復するための心の準備になっているんだと思うんですよね。最終的に多恵子とのわだかまりを解消する上でも、晴海さんの存在は大きい。
 
 
サトやセニョールも一緒に鍋を囲む、狩野家。そこに善行の姿はありません。里やの外からその様子をひとり見ている。あぁこの人にもう少し、素直になる気持ちがあれば。
 
賑やかな食卓。
純は、晴海に里やにこないかと誘います。ここなら宮古の気分を味わえるし、ひとりにもならない。
正や剛も渋々ながら賛成します。
 
 
うーん、この週は葛藤と模索が今まで以上にあって、難しいですね。
今週こそエントリを短くコンパクトに、って思っていたんだけれど、断念します(笑)。
 
 

それにしても、里屋で師匠と晴海の初恋話で盛り上がった時、「若い頃の師匠が想像できないから、お母さんの恋心が全く理解不能なんだけど」と言うサトが面白かった(笑)。セクシーは「きっと男の趣味が悪かったんじゃないですか、私みたいに」と言うし、チュルチュルは「納得」。

「お黙り!!」って乙女な師匠はブチ切れるんだけど(笑)。

 

純と愛』は今までの男女の役割に対して、何度も問題提議をしているので、師匠の存在って実はこのドラマですごく重要ですよね。

 

まだまだ序の口。続く! 

 

 

純と愛 完全版 DVD-BOX3<完>

純と愛 完全版 DVD-BOX3<完>