お出かけ手帳

誤字脱字病。書いては直す人生。

『純と愛』 第18週 えがおのゆくえ (中)

☆ネタバレしています☆
 
続き!
ものすごい中途半端なところで年をまたいでしまったわ。本当は昨年内に終わらせるはずが…。
 
純、これだけは忘れちゃいけないよ
里やで生活することにした晴海。
 
純は客室で晴海に子供たちが幼かった頃のアルバムをみせます。昔の写真を見るのは認知症にいいからっていう純のはからい。
 
正が生まれた時。剛が生まれた時。
母は思い出を語ります。
 
じゃあ私が生まれた時は?という純に、時間をかけて思い出す晴海。
 
「純が生まれた時、とにかくお父さんが喜んでね」
意外な母の言葉に驚く純。
 
純はいい子だ、純はいい子だって、離さなかったよ。純が動物園が好きってわかると、休みに行くのはいつも動物園さぁ。
 
子供の頃に動物園で迷子になった自分を必死に探し出し、もう手を放すな!と叱った父を、純は思い出す。
 
晴海は純に諭すように言います。
純、これだけは忘れちゃいけないよ。お父さんはあんたのことを本当は、誰よりも愛してるよ。
 
晴海がこんなこと言うなんてね(泣)。
これだけは忘れちゃいけないよっていうのは、自分の記憶がこれからどうなるかわからない晴海からの遺言のようなメッセージです。それが善行のこととは。
 
晴海さんは善行さんに対して複雑な思いがあり、でも情もあり…。ある意味、夫を娘に託しているのかもしれない。
 
 
あんたは笑ってなんぼやろ?
一方、母のために何もできない剛は、里やの近くのたこ焼き屋でバイト。しょぼくれています。
そこへやってくる誠。
愛ちゃんから落ち込む剛を励ますよう頼まれたと言うなり、思いっきり剛をビンタします。
「気合い入れとんのじゃ!」
スケバンか(笑)。
あんたは笑ってなんぼやろ?そんな辛気臭い顔せんと、どんな時もアホのまま突っ走らんかい!
そしてまたビンタで喝。
 
今まで好きにやってきたが、最近ではもう何をどうしたらいいかわからないと言う剛。
 
どうしたらいいのかわからないのは、誠も同じでした。
両親の離婚以来、多恵子の干渉はすっかりなくなり、もう弁護士にならなくていいと言われた誠。あれだけ母に反抗していたけど、抑圧が急になくなり、どうしたらいいかわからない。
 
剛は誠を励まします。
まこっちゃんなら何にでもなれるよ。かわいいし、頭いいし、パワーあるし(何故か嬉しそうに殴られた頬をさする剛w)」
とりあえずたこ焼き食べよう、と笑顔を取り戻す二人。
 
誠も剛もいい子だな。
ここで、「誰にでも何かできることがある」というテーマが出始めるんですね。
純には明確な夢がある。愛くんはなんでもできるし、夢を叶える純を支えたいという間接的な夢がある。
 
でも、みんなが夢や目標を持ってるわけじゃない。むしろ、自分が何がしたいのか、できるのかがわからない人の方が多い気がするよ。
家族関係を見つめる一方で、個人がどう生きていくべきか、という物語の終わりまでにつながるような命題が、少しずつまた色濃くなっていきます。
 
誠と剛は視聴者に近い立場で、これからどう生きるべきか悩んでくれているのだと思います。
 
 
おうちにかえりたい!
家のもろもろと仕事で実は疲れ果てていた純。晴海はそれを見抜きます。「あんたの方が病人みたいよ」。今夜は一人で大丈夫だから家に帰りなさい、と娘を労わります。
 
でも家でほっと眠るのもつかの間、すぐに里やから連絡がくる。
目を覚ました晴海は、自分がどこにいるのかわからず錯乱状態となっていました。
 
「おうちにかえりたい!」
純に向かって子供のように泣き叫ぶ晴海。
 
あんたはなんで私の言うこときかないの?
昔からなんでそうやって母親苦しめるようなことばかりするの!?
おうちに帰りたい。
正ぃに会いたい。剛ぃに会いたい。勇気ぃに会いたい。助けて…。
泣き崩れる晴海。
 
純はどうしたらいいのかわかりません。
 
お財布がないと騒いだ時もかなり動揺させられるのですが、この晴海さんの姿は相当に衝撃的です。あの優しいお母ちゃんが、全くの別人のようになってしまうわけですから。意思疎通を取れる状態じゃない。
でも画面に映し出されるのは、混乱し、怒鳴り散らす晴海ではなく、その母の姿にぼう然とする純の顔なんです。あくまでも、主人公である純の動揺をクローズアップさせる。今週は純を始め家族が変わることがテーマになっているので、そこはブレずに見せていく。上手いなぁと思いました。
 
そして森下さんの豹変ぶりは圧巻です。見ている方も、一緒にショックを受けてしまうほどだよ。晴海の押さえつけていた感情が爆発しているようでもあって、切ないです。娘を凄く愛していると同時に、内心怒りも感じてるというのは、よくあることだと思うんですよね。家族って綺麗ごとじゃない。
 
次の日、晴海はすっかり委縮し、サトに騒ぎをおこしたことをあやまります。
 
そして正とマリア、剛が晴海を迎えにくる。
兄弟は純に、もう余計なことはするなとまた怒る。純のせいではないのに。
 
本当に大丈夫なの?
純の言葉に兄弟は更に怒ります。
またそうやって自分だけ正しいみたいなこと言って。
 
落ち込む純。
 
そんなことだろうと思った
「ねぇ私を笑わせるのはどうなったの?」
シリアスの合間合間にも、久世さんの為にバカなことをして、なんとか笑わせようとしていた純。
 
この日も、テツandトモと小島よしおのマネをしてみるものの(苦笑)、もう限界。
 
すいません。やっぱり無理です。お客さんを笑わせるのは。
そんなことだろうと思った。
 
サトやセクシーにもう今日は帰れと言われる純。昨日も晴海の一件で寝てないのです。士郎にも「ひどいカオ」と書いた紙を見せられる。
 
 
今こそ変わる時
家に帰り、自分の「ひどいカオ」を鏡で見る純。
 
いとしは純を励まします。
「純さん、落ち込まないでください。きっとお兄さんたちもわかってくれてますよ。純さんが誰よりもお母さんを心配してるって」
 
なんでこうなっちゃうんだろう…。
わからないですけど、今までのやり方じゃ駄目なんじゃないでしょうか。純さんは正しいことを言っていても、少し人を責めているような言い方になってしまいますし。
じゃあどうしたらいいの?
おじぃだったらこう言うんじゃないでしょうか。純、お前が今苦しくて辛いのは、今こそ変わる時なんだって。
純さん、今こそ本当の意味で大人になる時なんじゃないでしょうか、僕も純さんも。
 
サトからの電話。善行が菓子折りを持って里やに挨拶に来たというのです。晴海が帰ったと知ると、バツの悪そうに帰っていったお父ちゃん。
 
マリアに電話をするものの、善行はおらず、晴海はマリア任せ。ヘルパーを頼もうろしているどころか、剛は晴海に離婚届のサインまでさせてしまっていました。
 
焦る純。お父ちゃん、どこにいっちゃったの?
 
愛くんに心当たりは?と聞かれ動物園を思い出す純。でも今さら。
そんなことはない、と言ういとし。
お義父さんは今でも世界一純さんのことを愛していると思います。
晴海と同じことをいとしは言う。
 
「お義父さんああいう性格だから、きっと途方に暮れてると思います」
 
純を見送るいとし。
純の手の平に「大」「人」と一文字ずつペンで書く。大人。
「今日はお義父さんにどんなことを言われても、これで」
 
 
純ちゃん、頑張れ。
 
純に「そのままでいてほしい」と言い続けてきた愛くんが「お互い変わろう、大人になろう」っていうのは、大転換ですよね。
 
今まで色々あるなかで、「諦めない」と「変わらない」は違うんだ、っていうのが愛くんの出した結論なんだと思います。何かを諦めたくなければ、自分が変わる覚悟がなくてはいけない。あるべき自分で居続けるには、変わらなきゃいけない。難しいね。
 
純は両親の頼りなさから、自分を信じ過ぎているところがあって、家族を愛してるし愛されたいのに、なかなか信じられない。たぶんそのジレンマが、「責めている」ような感じになっちゃうんだと思うんです。
 
両親のために自分は変われるか、っていう流れになっていく中で、純は晴海だけでなく善行からも愛されているんだというエピソードがでてくる。
もちろん善行は本人の口からではないですが、晴海だけでなく愛くんにもだめ押しで言わせる。これが、純の行動の後押しになります。純が変わるために必要かつ重要な要素になるわけです。
 
子供にとって「親が自分を愛してくれているか」っていうのは、いくつになっても大きいのだと思うのですよ。
人間は愛情が行動の動機になっているのだな、としみじみ考えてしまいました。それが自分に向くか、他者に向くか。「大人になろう」というのは相手を尊重しよう、信じよう、愛情をもっと向けようということなんでしょうね。
両親の愛情を感じられないと、愛し返すことはできないのか、っていう意地悪な見方もできるかもしれないけれど、やっぱりその愛情を感じることでもっともっと大切にしたいと思うのが人情だよ。
先週、「自分の気持ちをちゃんと伝えよう」っていうことを純は学んでいった けれど、今週は気持ちの先に行動があるんだということを描いているんですね。
物語ってエピソードをいかに積み重ねていくかなんだなぁ。

純が絶大な信頼を置いている愛くんが、「大人」へ変わることと善行に愛されていることを合わせて言うことに、大きな意味を感じます。
愛くんの言うことなら、純は信じるだろうから。
誰かを心底信じるって難しいけれど、1人でもそういう人を得ることができたら、人間は素直に変わることができるのかもしれない。

 
更に続く!
 
純と愛 完全版 DVD-BOX3<完>

純と愛 完全版 DVD-BOX3<完>