お出かけ手帳

誤字脱字病。書いては直す人生。

『純と愛』第20週 まほうのことば

☆ネタバレしています☆
☆第21週の内容もネタバレしています☆
 
あぁ『デート〜恋とはどんなものかしら〜』と『問題のあるレストラン』、本当に素晴らしかったな!!いいドラマでした。終わってしまって寂しすぎる。
 
『マッサン』もね。これは物語もそうだけど、シャーロットさんの底知れない才能と努力、また共に働く俳優さんやスタッフの皆さんのことを思うだけで、泣けてしまうんですよね。『マッサン』にはそういうドキュメンタリー的側面でも胸が熱くなってしまいます。本当に本当にお疲れさまでした。涙。
 
 
そしてえーと、『◯◯妻』も終わりましたが…なにあれ納得いかねぇよ!怒ってるよ!
純と愛』は好きだけど、これは本当に嫌だった。全話見て言ってますよ。未成年の犯罪や虐待の問題をああいう風に使っちゃいけないよ。有名子役が御線香の劇中CMに出てるの気になってたけど、いい伏線とは言えないと思う。だいたい、夫婦の話なのに、主人公と妻がいい関係だと最後まで思えなかった。10話もあったのに話に広がりがなかった。ほぼ全ての女性キャラに罪と犠牲を背負わせすぎていた。しかも負わせっぱなし。特に妻の罪はセンセーショナルなのに、扱いがかなりザツであったように感じた。
 
よく考えたら私、遊川さんのファンって訳じゃないんですよね(笑)。あっはっは。ごめんね。
 
基本あんまり批判的なことは書きたくないんだけどね。『純と愛』つづきの話に見えたからね。
 

さぁ、第20週だよ!

 
善行さんが亡くなるというどーんと重い週を乗り越えた第20週は、気持ちの切り替え週。といっても、里や存亡の危機っていうなかなかの展開なんですけれどね。まぁ、サトはずっと商売っ気が異常になかったし、先週は機嫌が悪いっていう描写もありましたし、満を持してという感もあり、かつ、この次の週に何故あの大惨事が起こるのか、という示唆もある。結構トリッキー。
 
<今週のあらすじ>
色々あった狩野家も新たな気持ちで前を向き始めた矢先、サトが里やを廃業すると言い出す。純は愛くんとスタッフと力を合わせ何とか阻止しようと奮闘する。
 
今週は、サトが里やを辞めたいと宣言し、里やの面々はそれぞれ気持ちは揺れながらもサトを説得し、そして最後は多恵子まで協力して里やを存続させることに成功する。そして里や再建のために皆を引っ張った純は、里やを実質的にサトから引き継ぐことになる。これで、本当に純は「まほうのくに」を作れるかもしれない!色々あったけど、ついにここまできたぜ!、っていう一週間なんですけれども。
 
でもねぇ、これは表面上のストーリーラインで、水面下では色んなことがうごめいているんですよね。
 
 
遺志を引き継ぐってどういうことだろう
前週、善行さんが亡くなったあと、サトは純にこう言います。
生き残ったものは、死んだ者の遺志を伝える義務があるんだよ。
今週は「遺志を伝えるとはどういうことか」ということがテーマとしてあります。そこでサトが台風の目となるんですね。この人はまさに亡き夫の遺志を継ぎ、里やを守ってきた人ですから。
 
では、里やはどういう場所か。
純が「里やで働きたい」とお願いした時、サトはこう言っています。
でも、ここに来る客たちは何もかも失った人ばっかりだよ。
 
また、常連客である師匠は、廃業宣言したサトにこう訴えます。
ここは孤独な人間のオアシスなのよ。ここにきたら、あぁ自分はひとりじゃないんだって思えんのよ。
純もまた、おじぃのホテルをなくし、愛くんとも家族とも上手くいかず、打ちひしがひしがれていた時に、サトと里やに救われています。だからこそ、里やが大好きなのです。なくなってほしくない。
 
多恵子まで、里やが落ち着くと言い、最終的に借金の肩代わりを申し出ます。
 
里やは何もかも失った人たちのための場所。
 
もともと大阪に出てきた沖縄の人ために作られたようですが、それがきっと広がって、寄る辺ない人達が安心できる居場所になった、それが里やなのです。
 
夫はよりによって、そんな場所に自分の名前をつけた。そして死んでしまった。
 
これって重い。旦那の気持ちはわかってる。サトも夫を想う気持ちはある(サトは愛くんに新婚旅行で食べた料理を食べたいとリクエストしています。) 純たちスタッフや、師匠のようなお客さんの気持ちもわかる。
簡単にはやめられない。縛られているとも言えます。
 
でも経営的にも精神的にも遂に行き詰まり、いよいよ続けることが難しくなった。
 
今までサトは全てを受け入れる「女神」のような存在でした。そのサトがNoと言う。誰がなんと言おうと、ここは辞めるんだ、と。 相当な覚悟の上での決断なのです。
 
おかみさん、これで本当にいいんですか?里やっていう名前はおかみさんの名前をとってつけられたんですよね。旦那さんの愛がいっぱい詰まってるんじゃないですかここには!
純はいつものごとく、サトを正攻法で責めます。純は正しいのかもしれない。でも、サトの気持ちを推し量ろうとはしていません。
サトは純に言い返す。
傷ついた。あんたの言い方は人を傷つけるのよね。もうしゃべんないでくれる?私に。
もちろん純にそんなこと言われなくても、サトには十分わかってる。純は正しい。サトがやろうとしているのは、ある意味みんなを裏切ること。それもわかってる。でも、遺志を引き継ぎ続けるのには限界があるのです。
 
サトは里やを再建するだけのモチベーションがもうないと言っていい。夫が亡くなってから長い時間が過ぎて、ただただ場所を提供することに飽きてしまっている。テレビドラマを見るだけが楽しみ。それどころか、自ら脚本家になりたいとさえ思い始める。もはやお金の問題だけじゃないのです。
もう私は夫の遺志を引き継ぎ続けることはできない。色んなことはわかっているけれど。でも、どうしてもダメなのです。
わかっているからこそ、サトは純の言葉に傷つく。そして純がそんな自分の心情を察そうともしないことにも。
 
 
自分にしかできないこと
里やを再興させていくなかで、里や、そして狩野家の面々はそれぞれの才能を開花させていきます。
セクシーは美容師として、チュルチュルは歌、正のマッサージ(お兄ちゃんはホストからホテルに転職するも速攻クビになりました。お客様の肩を揉むという、妹と同じ誤ちを犯す兄…。嗚呼、兄妹。)
 
愛くんなんて、遂に里やで普通に働き始めましたからね(笑)。料理人として。セニョールは、愛くんの腕にみせられて弟子になっちゃうし。
 
マリアはインテリアのセンスを発揮し、剛は里やのチラシづくり。晴海も、その優しさでチュルチュルの心をほぐします。多恵子は里やでの休息で、弁護士として大復活。
 
純は何より人を引っ張る力がある。
 
ではサトの才能は?
 
サトは素晴らしい人物ですが、経営者としての才能はなさそう。というか、そもそも儲ける気がない。里やはそういう場所ではない。
 
だけど好きなテレビドラマに関しては、鋭い批評の目を持っています。
 「脚本家になるって決めた」と言うのは一見突拍子もないのですが、やりたいことをやる、しかも自分にしかできないことに挑戦するっていうのは、物語の主要キャラが皆持っているテーマです。「自分は何のために生きるか、何ができるか」というのは、青臭いかもしれないけれど誰もが一度は考えることだと思うよ。
 
最後はみんなにほだされて、サトは里やのためにもう一踏ん張りすることになりますが、それでも彼女の芯の部分は変わらない。
ドラマチックだね。てか馬鹿だねあんたたち。こんなところにいてもロクなことないのに。他のところに行った方がもっと幸せになれるのに。何言ってんのよ、みんなぁ。わかったよ!
サトは里やがどういう場所なのか、よくわかっているのです。里やに長くいてもきっと幸せにはなれない。何故なら里やは、寂しかったり、疲れてしまった人たちが、束の間の休息を取るための場所だから。
里やに居続けることは幸せではない、とサトははっきりと言っています。
 
「そのかわり、これからはおかみさんじゃなくボスって呼んで。そうじゃなきゃ、もうヤル気が起きない」とサトは言います。サトが里やをいかに本気で辞めようとしていたか。そしてどんなに説得されても尚、サトはまだ、変わりたがっているのです。変化を求めているのです。
 
 

純は里やを引き継いだのか

純がリーダーシップをとり変革を遂げた新生・里やには、今までになかった数々のサービスができました。食堂も客室も、今までの里やとは別の場所のようです。明るくなった。キレイになった。全てはお客様に来てもらうため。

新しい里やの様子がネット用のCMで次から次へと紹介されます。しかし、そのCMの中にサトはいません。もうそこは、サトが守ってきた「里や」ではないからでしょう。

生まれ変わった里やは、一ヶ月でお客さんでいっぱいになります。これはいいことです。きっと、いいこと。これでお金を貸してくれた多恵子との約束を果たしたことになる。里やは潰れずにすむ。

 

その成功が見え始めた夜、サトは純をにある場所に招き入れます。そこはサトしか入ることができなかった謎の小部屋。その禁断の部屋に、純は立ち入ることを一人許されます。

そこには、天井まである本棚が並び、宿に必要なありとあらゆる資料がぎっしりと詰め込まれていました。
 
「旦那が生きてる間に集めたの。ここがあったからどんな困った時も乗り越えられた」
 
ここはいわば「里や」の中枢部。亡き夫の頭脳そのもの。誰かが困った時、サトはいつもこの部屋に入り、その時々に必要な情報をいつも即座に提供してきました。晴海の病院を紹介したのもサトでしたね。
 
純は亡くなった旦那さんのサトへの愛を感じます。そんな中、サトはこう切り出す。
ここをあんたに譲りたいんだけど。なんだかここをあんたに渡すために、旦那もここを残した気がしてきたからさ。
つまり、サトは自分より純のほうが遺志を引き継ぐべきだと考えている。サトには亡き夫の遺志を引き継ぐことが、もはや自分のやるべきことではないと確信しています。
夫の遺志を純に伝えることで、サトのミッションは終了したのです。
これだけ里やを思ってくれているのだから、この子ならきっと。
 
サトは長年の重い荷がやっと降りたことだと思います。だから、このあと里やが悲劇的な運命を辿っても、あっけらかんとするのです。サトはこの時点でもう、里やという場所を手放したんですね。
 
「え……ありがとうございます!!」
とまどいながらも、はしゃぐ純。
おじぃ。お父ちゃん。もうすぐ本当に「まほうのくに」できるような気がしてきたよ、あたし!
 
 
純は里やを引き継ぐことになりました。
 
しかし、ここはあくまで里やなのです。
  
廃業したいサトを説得する最中、純はこんな発言をしています。
私、お父ちゃんなくしたから思うんです。ここに来た人みんなが家族になれるような。そんな場所にしたいって。
ホテルじゃなくてふらっと遊びに来れる場所にしたい、ここにいる人は皆家族なのだ。純には、そんな思いが高まります。
 
純は失った家族の補完を里やに求めているということです。そして、おじぃの遺志を勝手に里やで実現させようとしている。
しかし、それは里やの存在意義とは少しズレています。
 
 
ポジティブなようで、場所と目的があわない、実はあべこべな夢。
これこそが、里や焼失に繋がるのではないかと思うのです。
名前を継ぐということは、想いを継ぐということ。しかし、純は自分の夢を優先させます。
 
里やは人間関係もとより家族からすら自由である場所だったのに、新生した里やは人のつながりを求めてしまった。師匠が言う「ひとりじゃないんだな」っていう、ほの暖かさではなく、もっと実態のあるつながり。
 
人とのつながりはいいことだけではありません。安易に人をつなげることがどれだけ危険なことか。
 
里やは社会から隔絶されていたからこそ、癒しを与えていたのです。
これでは里や自体が社会化されてしまいます。
 
里やの本来の存在意義は、純たちの努力により失われていきます。
里やにもまた、里やにしかできないことがあったのに、純やスタッフたちの団結が思いもよらない形で、次週その結果として表れるのです。
 
亡くなった人の遺志を伝えるのは、本当に難しい。そもそも、亡くなった人の遺志を守り続けることなんてできるのでしょうか。
 
ただ、里やの場合は、これが必ずしも悲しいだけじゃない。里やは皆が前に進むための必然を持って焼滅するするのだと、私は思います。
 
 
チュルチュル、ついに喋る
さて、前述の通り、今週遂にチュルチュルちゃんが喋ります。
 
登場からずっと漢字二文字分しか発してこなかったチュルチュル。この子はサトの親戚なんですね。サトはチュルチュルに「もう沖縄に帰れ」と言う。でもチュルチュルは「拒否!!」
 
彼女は何故沖縄に帰りたくないのか。そもそも何故喋らなくなったのか。
 
行き場もなく純のアパートに逃げ込んだチュルチュルは、純、いとし、晴海を前に、思いを語り出します。晴海に手を握ってもらい、「あなた名前は何?いくつね?あなた宮古の海みたいよ。透き通って本当にきれいさぁ」って泣きたくなるような優しさに背中を押されて。
 
チュルチュルは一気に喋り出します。
あたしは、昔から私が話すといいことなんてひとつもありませんでした。小学校で友達ができるたんびにうれしくて、好きな本とか音楽とかいっぱい教えようとしたら、結局いつもうるさいよって言われるし。中学や高校の部活でみんなで仲良くしようとか頑張ろうって言うと、きれいごと言うな偽善者って仲間はずれにされて。
高校でも上手くいかなかったが、大学でやっと彼氏ができ駆け落ちまですることになったが、直前に「君は重い」と振られたチュルチュル。もう家には帰れない。
「そしたらなんでか里やのおばさんのこと思い出して」
 
そうなんだよなぁ。里やはやっぱりそういう場所なんだよ。擬似家族のためじゃない。
とにかくそれでチュルチュルはこう決心します。
その時決めたんです。また私が喋って私から人が離れていくのがいやだから死ぬまで必要最低限のことしか言わんどこうって。
 
チュルチュルは純と同じような人生を辿り、大挫折の果てに極端な寡黙を選んでいたのでした。
本名の「羽純」には、純という漢字が入ってますしね。純と実はすごく近い存在だった。
 
純たちは静かにそれを聞きます。特に純は大人度がどんどん上がってきていて、ここでは同士のお姉さんとして優しく諭します。
なんだ、あたしたち似てるよ。あたしもね、自分が正しいって思ってること素直に言っちゃうタイプなんだけどさ、でもそうすることで結局周りの人を怒らせたり迷惑かけたりしてるもん。何にもしゃべんない方がいいじゃないかって思ったことも一度や二度じゃないし。

 その辺は純もちゃんとわかってるのね…。

でもね、どんなに辛くても、自分の思ってることを正直伝えることを怖がっちゃいけないと思うの。おじいが言ってたの。「言葉は魔法の源で人を元気にしたり、救ったりする力があるんだよー」って。
 
思いを吐き出したチュルチュルは、優しさいっぱいの晴海に抱かれて嗚咽します。
 
人が離れていくのが嫌だから言葉を発することをやめていたチュルチュル。純の言葉に傷つき「もう私に話しかけないで」と言い放ったサト。それでも言葉で想いを伝えるのをやめてはいけないという純。
 
言葉は魔法。でも魔法はいい魔法だけじゃない。言葉は凶器でもあり、呪いでもある。
 
チュルチュルは言葉のせいでがんじがらめになっていました。自分の言葉のせいで人は離れていく。「君は重い」という言葉がいつまでも自分をえぐる。言葉はこわい。
 
そして遺志も言葉であるわけで、ここでも去る者、残される者、両方にとっての言葉の持つ重みが示されます。
(思えば、愛くんも言葉にかなりヤられている人ですよね)
 
チュルチュルと近い境遇であったにも関わらず、純はそれでも言葉の力を信じているっていうのは、このドラマのメッセージそのものです。
 
チュルチュル役、朝倉あきちゃんの演技が素晴らしいです。復帰してくれてうれしい。
 
  
多恵子の秘密
今週最大のサプライズは、多恵子が実はいとしと誠と謙治が抱えている心的症状を全て抱えていた、と明かされたことでした。
演じられていた若村さんも最初は知らされていなかったようで、「そうなら早く教えてよ!」って感じだったみたいです(笑)。
まぁ登場時から、異常に薬飲んでましたからね。それでも歯を食いしばり頑張ってきたんだな。今週は多恵子の位置づけが変わる週でもあるんですよね。
 
存続問題で揺れるサトやに、誠を連れられて突然やってくる多恵子。
いいタイミングで弁護士さんが来てくれた!って里やのみんなはすっごい期待するんだけど、多恵子は書類を読む気力すらないほど心身ともにヘロヘロ。
 
多恵子は、右往左往する面々を傍観を装いながら、里やでどんよりとただ過ごします。
でも、お腹すいたとか、髪切ってとか、肩が凝ってるとか、さりげなく里やのウリになるようなサービスを引き出している。憎いね。
 
やっぱり、何年も音信不通だったうえ、うつむき続けてきた息子が、仲間の一員としてわいわいやってるのを見るのは、母として感慨も深いし、うれしいはずだよ。
 
息子の料理を「食べられるんじゃない」と精一杯強がって食べる。その幸せ。
 
しかも、多恵子は亡くなった息子・純くんがよく歌っていた「おぼろ月夜」を、チュルチュルにリクエストし、それを聞き涙します。(チュルチュルは友達がおらず一人カラオケをしすぎたせいで、実は何でも歌える人間ジュークボックスなのであった。よくこの設定考えたな笑)。
 
たくさんのものを失っている多恵子が里やを気に入るのは、里やがどんな場所か考えれば納得なのですが、それだけでなく多恵子にとって里やは息子二人に会える場所でもある。
そりゃ、お金出してでも失くしたくないですよ。
「ここがなくなった困るんですよ、私」
 
そう。多恵子もまた、里やに家族の補完をもとめているんだよなぁ。そして、お金を出すという直接的な手段で里やに手を加えている。
 
一方、サトも子供がいるようだけれど(確か正の離婚問題でドタバタやってた時にそういう発言があった)、今どうしているのかもわからない。でも子供の不在を里やで補完しようとはしません。
 
何度も書きますが、このへんの違いというか、掛け違いが、里やがなくなってしまう大きな理由のひとつなんじゃないかねぇ。
 
 
 言葉をめぐる1週間
今週のタイトルは「まほうのことば」。
純がチュルチュルを諭す時に、おじぃの言葉の引用として、「言葉は人を幸せにすることができる魔法なんだ」というメッセージが出てきました。
 
そして週最後、純のナレーションがこれ。
ねえ、もしかしてお父ちゃん、あたしたちはもともと魔法つかいだったのかもしれないね。だって、赤ん坊のとき自分を見てるだけでみんな笑ってくれてたんだし。だから、あたしは信じたい。自分のなかにはまだたくさんの人を幸せにする魔法の力があることを。
もともと、言葉を持たない赤ん坊はその存在だけで人を幸せにできる「魔法つかい」で、でもその私たちはもう赤ん坊ではないから、違う方法でそれをしよう。そしてその一つが、言葉で想いを伝えることである。
 
今週のタイトルから見るとこの結論は若干強引さもあるけれど(いいモノローグだが、ここでは言葉と人を幸せにすることを絡ませた直接的な言及はない)、チュルチュルが元気になるのも、サトに廃業撤回させるのも、いとしと多恵子の関係がよくなるのも、言葉のおかげ。
また、言葉が人を傷つけるものだということもしっかり描かれました。
 
第20週は「説得」が大きなミッションになっていますし、説得に絶対不可欠な言葉について改めて徹底的に考えているんでしょうね。チュルチュルのおしゃべり解禁のタイミングとしても絶妙だし。
(まぁ「自分の想いを伝えよう」っていうのは毎週のようにやってるんですけどね。でも前週、最期の最期、言葉を発することができなかった善行さんを思えば、やっぱりここにきて「言葉」というテーマが来るのはかなりよく考えてのことなのかな)
 
そして「魔法」という言葉が出てくることで、いよいよ純の「まほうのくに」実現への期待がどんどん高まります。
里やを譲り受けた純は、遂に「まほうのくに」を作ることができるのか?
 
そうですね。そう上手くいかないのが『純と愛』ですね。
 
 
 
この週は、ドタバタと話は進みつつも、大阪編の締めに向かって実は動きだしてるんですよね。お父ちゃんが亡くなって、もはや大阪にいる必要性も一気に薄らいで、あとは純が行くべき場所に行き、やるべきことに向かって進んでいく。そのためのスタートが静かに始まったのだと思います。
 
わーん。来週が辛いよー。
 
そういうわけで、今週分はいとしと多恵子の歴史的和解&衝撃カミングアウトながらもハートフルな会話で締めたいと思います。愛くんのこの発言は、さりげに今後重要だし。
次週は、本当にまた大変だよ(笑)!
 
「純さんと出会って、色んな人と出会って、それで里やに来たら、人の幸せそうな顔を見るのが楽しくなってきました」
 
「じゃあ、私もよくなるかしらね。いつか。
私もすこーし楽になった気がするわ。ここに来て」

 

 

純と愛 完全版 DVD-BOX3<完>

純と愛 完全版 DVD-BOX3<完>