お出かけ手帳

誤字脱字病。書いては直す人生。

『花より青春2』 アイスランド編 を見たよ

☆ネタバレ(バラエティの場合ネタバレって言うの?)しています☆

 

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とにかくいい番組だった…

6回+振り返り1回の全7回。

カン・ハヌル氏(そして彼と『春のめざめ』で共演したチョ・ジョンソクさん)が出ているということで、何気なく見始めましたが、これ本当に面白かった。出演者にも制作陣にも好感しかないです。いい番組だったよ…。旅行バラエティとしても、苦労して頑張ってきた役者さんたちのドキュメンタリーとしても、アイスランドのプロモーションとしても、肩肘の張らない極上のエンターテイメントに仕上がっておりました。

 

内容としては俳優4人(チョン・サンフン/チョ・ジョンソク/チョンウ/カン・ハヌル)が 広大で極寒なアイスランドの地をあっちこっち訪ねて感動したり、困ったり、ご飯食べたりするだけなんですが(まぁ旅ってそういうものですね笑)、もうね、ずっとこの4人を見ていたくなる。 元々昔からの知り合いだったり共演経験があったりで、みなさん仲良しだし、本当にお人柄がよくてね。韓国も冬は寒いって聞きますけど、あんな雪と氷ばっかりの環境できゃっきゃできるって、カメラがあるとはいえ相当人間力が高くなきゃ無理よ。スタッフへの気遣いも満点だし。何するにも話し合って決めるし(「会議」自体が楽しいらしいw)。超過酷な状況でも、誰も機嫌悪くなったりしないから、視聴者もリラックスして 4人の旅に便乗できる。日程的にも、番組の尺的にも、せかせかしてないのも好きです。

 

それに4人とも苦労を重ねて俳優としての地位を確立している方々なので、芸達者なのはもちろん、普通の感覚がちゃんと残ってるところがすごくいい。

っていうか貧乏生活が長かったせいか、節約に関しては度が過ぎる(笑)。この人たち芸能人のくせに全然贅沢しないの。

まぁ旅の資金は番組からの支給で、各自の財布は没収。現地通貨の感覚も、これから何にどれだけお金がかかるかもわからないっていうのはあると思うんですが、それにしたってお金使わなすぎだよ笑!(自分たちでも「どんだけ貧乏性なんだ!!」って大笑いしてた)

彼らを見ていると、昔海外の語学学校で出会った韓国の男の子たちを思い出すような、懐かしい友達を見ているような気にすらなりました。なんだかやさしくて、ちょっと意固地で、でもまじめな男の子たち。ラーメンとお肉が大好きな男の子たち(笑)。

 

とはいえ、芸能の世界にいらっしゃるので、やはり一般人とは違います。

とにかくミニコントが面白い(笑)。

特にサンフンさんが面白すぎて笑いが止まらなかったのですが、それもそのはず、この方は韓国版SNLに出てらっしゃるんですね。そりゃ、笑いの瞬発力が半端ないわけだよ。そして、ほかの3人も負けじと?一緒にずーっと暇さえあればミニコントしてます。で、自分たちでウケてるっていう。最終的にはもう「箸が転んでもおかしい」ゾーンに入ってたと思う。まさに青春。

 

でも彼らの実際の青春時代は、苦労の連続。特にお兄さんたち3人は、俳優として芽が出るまでに時間がかかりました。出発時に「あまり旅行はしない」と言っていたお3人でしたが、旅行どころじゃなかった、というのが正直なところなのかもしれません。ハヌル君はまだ20代ですが、彼の場合はスタートが早かったというだけで、苦しい思いをしてきたことは明らか。

旅は10日近く続き、間あいだに個別インタビューもあるので、そういう話がぽろぽろっと出てくるのが沁みます。みんな、いいこと言うのよ本当。

忙しい毎日から離れて、昔からの仲間と一緒にいるわけですから、自然と人生を振り返ってしまうんでしょうね。また場所が冬のアイルランドっていう超非日常っていうことで(「違う星に来たみたい」って言ってたのが印象的)、余計に客観的に色々と思うところや、改めて感じることも多かったようです。

 

一方で、彼らの青春時代が苦しいことばかりだったわけではありません。

番組の終盤で、このアイルランドの旅のコンセプトは、ハヌル君の事前インタビューでの発言がヒントになったということが出演者に伝えられます。それは…。

 

市場の路地で先輩たちと一緒に酒を飲んでた頃が幸せだった。

 

大変な道を選んで、苦しいことや悔しいことがたくさんあったことでしょう。でも、彼らの青春時代には夢があったんですよね。成功を夢見て、努力して、挫折して。貧乏だけれど、お酒を飲みながらいろんなことを語り明かした。その楽しさは、何物にも代えがたい。年を重ね、成功を収めた彼らには、もう戻ってこないであろう種類の幸せです。人生はいつだって楽しむことはできる。だけど、時間は戻らない。

 

サンフンさんはこのコンセプトの話を聞いて泣いてましたね(サンフンさんはすぐウルウルしちゃうのが素敵)。私も泣いてしまいました。

ついでに書くと、サンフンさんはおふざけの一方で、含蓄のあるお言葉も多く、そりゃ後輩に慕われるだろうなって感じでした。「音楽がなければ世界は戦場になる」「旅行ってときめきを与える一方で、人間を謙虚にする。地球の主は人間ではなく、我々は大自然に属しているだけだ」「いい役者になりたい。勉強には終わりがない」「幸せに生きるのが、一番難しい」等々語録がすごい。メモりました(笑)。

 

あと、みなさんすごく家族を大切にされててね。きれいな景色をみても、家族に見せたいって言ってます。オーロラに家族の幸せを願ったり。韓国の家族のつながりは、やはり日本以上に深いんだなぁ、と。4人のお人柄も大いにあるでしょうけれども。

家族については、また色んなお話がでてくるんですけど、個人的にはジョンソクさんのお父さんのお話が特に心に残りました。すごく内気で、息子の目すらまっすぐ見られないお父さんの話。子供の頃、そんなお父さんは酔っぱらった時だけジョンソクさんのことをじっと見つめてたんですって。で、「なんで見つめるの?」って聞くと、お父さんは「お前が好きだから」と言ったのだそうです。じんとくるよ。また、それを聞いた唯一子持ちのソンフンさんは「子供が生まれると、お父様のその気持ちが痛いほどよくわかる」っておっしゃってて。またじんとくるっていう。

ジョンソクさんは4人の中でも特に、すごく真面目でナイーブな方だとお見受けしたのですが、「なるほど、そういうお父さんだったからこそ、繊細な感性を持っているんだな」って思いました。

 

 

『春のめざめ』秘話も出てくるよ!

『春のめざめ』&ハヌルファンとしての最大の驚きは、彼があの舞台に実はアルバイトをしながら出演していたことです。雑談の流れで出てくる話なんですけど。これ本当びっくりした。まだ20歳そこそこで、アルバイトをこなしてから、あんなハードなミュージカルに毎日出てたっていうのは、どう考えても過酷すぎる。そして大学はどうしてたんだろう。もし授業にまで出てたとしたら、過酷を超えますが…(可能性は十分ある)。

いや、ハヌル君がやってたエルンスト役はそりゃ主役ではないですけどもね、激しく動く曲多いし、がっつりしたラブシーンを超間近で目撃しながら歌わなきゃだし、作中で悲しすぎる死もあるし、おじさんみたいな(ごめんw!)ハンシェン役の方と毎度ハードなディープキスだし、演者は基本ずっと舞台上にいなきゃいけないし(出番がない時も袖にはけずに、舞台わきに座ってたりする)、考えれば考えるほど大変でしかない…。バイトの後にする役じゃないよ。しかも彼は全公演出たんですよね。立派すぎる。

あぁブロードウェイ作品に役付きで出ても、バイトしないと食えないなんて…(きっと学費とかもろもろのお金が必要だったんだろうけど…)。もう泣くよ。

 

バイトのせいで遅刻してジョンソクさんに叱られたこともあったそうですが、それでも当時はバイトしてるとは言いだせなかったそうで…(その話を聞いたサンフンさんが「そういうことはちゃんと言わなきゃだめだ。言わなきゃわからないだろう?」と優しく諭し、他の二人も「そうだそうだ」と言ってくれたのが今更ながら救い)。遅刻した以上、何言っても言い訳になっちゃうって思ったんだろうな。

 

ジョンソクさんの演じてたモリッツは主役の一人といっても いいくらいだし(この役で演劇の賞までとってますもんね)、彼は『ヘドウィック』をやった後なんですよ、既にこの時。他の出演者も特に男性陣はキャリアを 積んだ方が多いですし。

ハヌルさんは、当時はまだあまりに若くて、孤独で、葛藤があった…ということを間接的におっしゃってますね。自分は先輩たちとは同じ列には並べない、やらなければならないことがありすぎた、と。

ジョンソクさんは飲みに誘ってもたまにしか来ない(実際は行きたくても行けなかったわけですが)ハヌル君に対して、少し寂しく感じていたようですが、一緒にお酒を飲んだ時に感じたハヌル君の幸せは事前インタビューの発言の通りでしょうね。

 

カン・ハヌルは本当いい子だよ。チョンウさんが心配するくらい(「いい子過ぎて寂しい」ってw。でもちょっとわかる気もするね)。

私も見ててあまりにニコニコいい子なので「これはある種の処世術なのだろうか…」とうがって見てしまいそうになったが、どう考えてもやっぱりこの人はできた人なんだと思う。ファンだから余計そう思う(笑)。

 

 

スタッフの手腕にも魅せられる

バラエティ番組って、国ごとの独特さがあり、見る前は「ついていけるかな?」って不安だったんですが、この番組に限って言えば全くの杞憂でした。知名度のある俳優さん達が出演しているっていうのもあるかもしれませんが、やりすぎがない。すごく自然です。

 

『花より青春』は、旅に出ることは何も知らせずに出演者を集めてその日のうちに着の身着のまま海外まで連れて行っちゃうっていう、品のある電波少年というか、品のある拉致という出発方式をとっているんですが(いや、やっぱりやりすぎてるか。ジョンソクさんだけ実は知ってたんだけど、彼の性格を考えるとそれでよかった気がするw)、拉致の仕方にも品がある。基本的には宿の予約も何もかも自分たちでやらせるけれども、観光地でちょっとしたガイドをしたり、レンタカーの事故や寒波など、本当に危険な場合はフォローが徹底してました。出演者とスタッフの距離感がちょうどいいんです。

編集も過剰に付け足しはせず。ナレーションもなし。テロップは時に詩的でセンスを感じます。とにかく主役はこの4人とアイスランドの自然なんですね。そこにブレがなく番組作りをされていて、すごくよかった。長い旅での4人のトークは多岐に渡ったと思いますが、プライベートは最小限に、人柄は最大限にみせているのがまた、編集の妙。

 

あと、アイスランド大自然が素晴らしくきれいに撮影されてて、それだけでも凄かったです。 雪景色もオーロラも撮影するのはすごく大変だと思うんですが、専門の撮影の方がいたんでしょうかね、滝とか海もあるし。資料映像を買ったのかしら?って一瞬よぎったけど、天気がS4が移りこんでる時と同じに見えるんですよね。恐らくドローンも動員して、ほとんど自分たちで撮っている部分も多いはず…(素人の予想)。見事な映像美です。番組の尺がしっかりあるので、絶景を十分に楽しむことができます。アイスランドに行きたくなるよ!

 

あ、今更ですが、S4とはこの番組における出演者たちの総称でフォー・ストーンズの略です。出発時にお兄さん達3人が「俺たちは石頭だけど、海外大丈夫か?」ってう流れで、石頭からチーム名決定(笑)。(追記:今更だけど、このS4って『花より男子』のF4のもじりなんだねw)

でも実際、石頭なんかじゃなくて、むしろ柔軟なんですけどね。だいたい本当の石頭は、自分たちのことを「石頭だ!」とか言って笑ってられない(笑)。英語も心配してたけどジョンソクさんは旅行するくらいならば十分な英語を話してるし、チョンウさんもソンフンさんも、知ってる英単語だけでどんどん現地の人とコミュニケーションをとってました。役者さんっていうこともあるでしょうが、モジモジしてるより、ずっとかっこよかったよ。

ハヌル君はスケジュールの関係で数日遅れの合流だったのですが、映画祭の直後にスーツと革靴のまま拉致られてますからねw。あんな頭からつま先までキメッキメの恰好なのにコンビニのビニール袋だけ下げて海外に行った人を初めて見ました(笑)。しかも本人、びっくりしてる割に、爆笑しながらも状況をすぐに受け入れているし。適応能力かなり高いよ。一番旅慣れていて、英語の発音もきれいでした(『セシボン』で歌ってる時も、めちゃめちゃ発音よかったもんね)。この人は「Excuse me」がぜんぶ「Sorry」になっちゃうんですが、彼の性格の良さがにじみ出てるので、このままでいいと思う(笑)。

 

BGMというか音楽の選曲もすごくいい。韓国の曲でも いわゆるK-popというより、昔の曲からオルタナ系のおしゃれなものまで幅広くて(今はアプリですぐに調べられるのがありがたい)、S4がサントラとかで歌ってる曲もかかってたし、洋楽もふんだんに使われていました。洋楽の利権はどうなってるんだろう?っていうくらいw(世界規模の配信コンテンツだろうから、きっと元 は取れるのでしょう…っていうことにしておこう)。これまたシーンごとにそれぞれ曲が合ってるんだ。

旅の最終日は個人行動で、ハヌルさんが凍った湖に行くんですけど、そこでかかる曲が映画『エターナル・サンシャイン』のサントラなんですね。で、もともと好きな映画だったので、「わーい」って素朴に喜んで見てたんですが、 よくよく考えたらあの映画って凍った湖が出てくるんですよね。…深読みしすぎかもしれないけど、そのくらいはやりそうなほど、音楽がよかったです。 考え抜かれてる感があった。

ハヌル君の無礼講タイム(こういうシステムで後輩にガス抜きさせてるのね…上下関係厳しいもんね)、めっちゃ穏やかな音楽が罵声を消すピー音の裏でかかってるのとかもね、面白いし、うまいなぁって思いました。

 

そしてなにより、この4人のキャスティングね。文句なしでしょう。素晴らしい。

たぶんジョンソクさんとチョンウさんっていう同期の二人が不器用なので(いい意味でよ!)、そこに気ごころの知れた面倒見のいい先輩と、若年寄のようでもありwでもまだ青春最中の後輩がいるっていうのが、すごくバランスがよかった。

今まで地道に積み重ねてきた4人の人生、そして飾らない素顔がこれでもかというほど伝わってきたのは、このメンバー だったからこそ。番組内でもみなさん「旅は誰と行くかがすごく大事」っておっしゃってますね。この4人の俳優さんがみんな大好きになったよ。

ハヌル君が後追い、サンフンさんが1日先に抜けるっていうのは、スケジュール的な都合なのでしょうが、結果として番組の流れから見てもすごくよかったですね。大人の旅が徐々に始まり徐々に終わる感じでね。

 

笑えて、時々じんときて、大自然に魅せられて、また爆笑させられて、ちょっとだけ(でも押しつけなく)人生について考えさせられる、素晴らしい番組でした。

自然の美しさとともに、俳優さんたちの過去と現在と未来が、そこにはありました。

 

調べたら、この番組を担当されてるナプロデューサーって敏腕で超有名なのですね。納得しかない。Mnetにも入ったことだし、あぁこの方の手がけた番組をもっと見たい。…でもこの4人が大好きすぎるから、見たくないようなw。

 

そして、来年?公開でチョンウさんとハヌル君が映画再共演という、S4ファンwには垂涎すぎるニュース…。楽しみです。

 

(チョンウさんのこと全然書けなかったけど、この人もいいお兄さんなんだよ。車の走行中に窓ガラスが割れたとき、さっと自分のダウンを脱いで運転を急に止められない後輩の顔を覆ってやる男前さね。俳優さんの顔に傷が入ることがどれだけ怖いことなのか、皆のあの表情でよくわかりました。そして奥さんが『レッド・ファミリー』で共演したあの北の怖いスパイ班長役のキム・ユミさんと知って超驚いてる。っていうか、雰囲気が違い過ぎて、あの役をやってた方がチョンウさんとすら気が付かなかったよ!超号泣してみた映画だったのに!役者さんってやっぱすごい!)

 

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