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お出かけ手帳

誤字脱字病。書いては直す人生。

『麗<レイ>~花萌ゆる8人の皇子たち~』 第5話を見たよ

☆ネタバレしています☆

 

 

 数話先をいってる向こうの放送もおぼろげにチェックしているのですが、現在(11話まで放送済み)、お話は予想以上に悲しく厳しい展開になっており、正直落ち込んでいます…。見終わったあと3時間くらい何も手につかなかったし、心を立て直すのに数日かかりましたw。それでも、いてもたってもいられず、結局11話について書いちゃったし…(前エントリ)。

もうさ、この邦題ほんとにやめた方がいいんじゃないかな(泣)。いくら花萌ゆってる皇子が出てるからって、チャラチャラしてる場合じゃないんだ。やっぱり「歩歩驚心」って入ってないとだめよ。あの状況でお話半ばとか、まじ絶望しかないですが、ヘスなら乗り越えられるって信じているよ…。

  

なおかつ、このタイミングで、日本は第5話放送っていうのがまたつらい…(泣)。

 

<第5話のあらすじ>

第8皇子ウクとヘスの想いを感じ、また自身の死期が迫っていることを悟ったへ夫人は、残される二人が一緒になる後押しを始める。夫人の真意に気づいた第13皇子ペグアは、いたたまれない。しかし夫人はウクの母ファンボ皇后に、「ヘスをウク様と結婚させてほしい」とまで密かに頼み込むのだった。

そんな夫人の気持ちも知らず、ウクとヘスはただ静かに秘めた恋心をあたためていた。夫人を誰よりも想うペグアは、二人の様子を見ていられず遂にはヘスを強い言葉で諫めてしまう。「夫人が二人の恋心を知っている」とも。その場に居合わせるウク。ヘスとウクは自分の気持ちを封じることに決めた。 

いよいよ死が目前となった夫人は、ヘスにはウクを、ウクにはヘスを、それぞれ託す。

以前「あなたは私を恋慕していない」と言われたことが気にかかっているウクに、夫人は息も絶え絶え「何も言わなくていい。私があたなよりもっと恋慕していればいいのだから」と伝え、静かに息を引き取るのだった。

 

夫人ーーー(泣)!!

楽しいシーンや、ワンソの皇宮生活、へス・皇帝&皇后に初対面、ジモン問題などなど、もろもろ描かれますが、とにもかくにも第5回は夫人回。最後は号泣必至です。泣いた泣いた。

もちろん夫人が亡くなるっていうことはとても悲しんですけれども、なにより夫人の愛情深さと、ある種の気高さに心を打たれるんですよね。

でもさ…こんなに旦那を愛していて、しかもその旦那は自分の子供みたいに思ってた子に惹かれてるのに、そんな二人をお膳立てするなんて…。いや、もうこれは二人をそれぞれ愛しているからこそできるんでしょうけども。うう…。

 

 

夫人、ウクの恋を後押しする

第4話の時点で、ウクとヘスはお互いの想いのせいで気まずくなっているのですが、一緒にいると、やはり心がフワフワしてしまいます。

これはこれで仕方ないよ。だって好きなんだもの。特にウクはね、本当に気持ちが溢れてしまう。ヘスがいると、ウクはすごくいい顔になるんですよね。夫人はそれを見てるし、母であるファンボ皇后も息子の変化に気づいています。

 

ヘスが漢方が好きなことを思い出して、たんまりと買ってあげてしまうウク。4話でヘスが夫人に「家の中で出来ることを探しなさい」って言われてたのを、一緒に聞いてましたからね。「これで石鹸をつくる!」と笑顔になるヘス。その姿を遠くから見て、ウクは微笑みます。

それに気づいた夫人は、ウクに話しかけるんですが、ここで最終的にウクとヘスの後押しを決めた感じですね。「ヘスを故郷に返そうかと思った」とか「ヘスにいい人を見つけて、そばに置きたい」とか、あえてカマをかけるようにヘスの話をしてウクの反応をみる。そして、夫人に同意する言葉とは裏腹に、まんまと表情に陰りが出てしまうウク。

この最終確認をしたのち、夫人はヘスとウクを書斎で二人っきりになるように仕向けます。

 

当の本人たちは天然なので、最初は気まずくなりますが、やっぱりいい雰囲気になっちゃう。ウクはヘスと接することで、心が安らぎます。ヘスに詩まで書いて渡してますから。ヘスもウクの博学さ、優しさに惹かれてしまう。

 

気持ちは複雑に決まっていますが、それこそが夫人がいま望んでいること。ウクの幸せを一番に考えると、二人が一緒になることを願わざるを得ないのです。ヘスには身寄りもないし。

それが愛情を表した詩だと知りながら、ウクから詩をもらったヘスに「皇子様の気持ちに必ず応えなさい」って笑顔で言える、婦人の覚悟ね。皇宮までヘスを連れていき、皇后にウクとの婚姻の直談判までするなんて、本気でウクを愛してないとできない。この人の心の強さは半端じゃない。

 

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ウクとヘスが二人きりで、雪を歩くシーンがまた美しい。ウクがつけた足跡の上を歩くヘス。それに気づいたウクは、わざと、どんどん歩幅を広げていく。だんだんついていけなくなるヘス。

なんでもないようなことが、幸せ…。

 

 

苦しい恋を知る男、ペクア

「ヘスの気持ちも、ウクの気持ちも、夫人のお気持ちもわかるけど、それでもやっぱり夫人があんまりじゃないか!」っていう視聴者の気持ちを、代弁してくれるのがペクアです。見てる方としても、夫人がただおとなしく退場していくのは、それはそれで辛いんだ…。

 

ペクアは子供の頃から、ずっと夫人が好きな子です。誰よりも夫人を見つめてきたから、彼女の気持ちが痛いほどわかるし、夫人の見つめる先で何が起こってるかもわかる。芸術全般に長け、感受性の強い彼が、この立ち位置にいるっていうのはすごく納得です。

 

漢字が読めないヘスは、偶然庭で出くわしたペクアに、ウクからもらった詩を読んでもらいます(たぶんペクアは夫人に会いにきてたんだろうね)。当時はまだハングルはないからね。現代人が中の人のヘスには読めないわけです。

で、誰からもらったかわからない状態で読んでいくと、教養のあるペクアはすぐにそれが愛情を表現した詩であることに気が付く。ウクが送った詩は、自然の情景を描きながら、揺れる恋心を告白しているっていう超有名というか、超ベタな詩だったんですよ。

ウクはまさかヘスが字を読めないなんて知らないから…。でも、だいぶストレートにいっちゃったな(笑)。そういう気分だったんだろうなぁ。

 

夫人もそこで登場してきて、途中からその詩を諳んじる。で、ペクアが「字が読めないってことは、貰いもんだな。誰にもらった?」って聞くと、ウク様からですってヘスはさらっと言います。

詩の内容を知ってるはずの夫人は、笑って「皇子様に返事書きなさいね」とか言うし。ヘスは詩の意味が文字通りにしか理解できてないし。

 ペクアは超ショックです。思わず「兄上は何考えてるんですか!?」って夫人に言っちゃうくらい。ここで、ペクアは夫人が全てを承知していることに気づきます。夫人が好きなペクアは、たまらない。

 

そういう経緯で、今度はヘスが詩の返事を書いたもんだから(正確には、漢字が書けないので絵文字)、ペクアは頭に血が上ります。

 

ペクアはヘスをひっぱっていき、「姉上を裏切るとは何事だ!!」と遂に激怒。

ヘスは急にそんなことを言われて呆然とします。

しかしペグアは止まらない。

「偶然指先でも触れたら、繰り返し考えるだろう?あの人は何が好きか。何を見て笑うか。頭から離れないだろう!何を見ても兄上を思い出すだろう!」

まさに、恋心とはこういうものだよなぁ。

 

この人は報われない苦しい恋をしてきたから、恋心というものが身に沁みてわかってるわけです。好きな相手が自分を見ていないことで、どんなに傷つくかということも。

 

「お前と兄上の気持ちに誰も気づかぬと?俺が知り、姉上が知っている。姉上がすべて知っているのだ!!よく聞け。姉上には兄上しかいない。兄上しか見えない人だ。だがお前が!お前が姉上を傷つけるなら、俺が黙っていない!!」

 

いつも優しい子がここまで怒るのも、夫人を想う気持ちがあるからだよなぁ。「兄上しか見えない人」だとわかってるのが切なすぎる。演じるナム・ジュヒョクが、またとてもいいのです。

 

 

心は怖いものだと知っていたのに

ウクに詩をもらい、またも心揺れるヘスは「この詩に深い意味なんてない。あの人のことは家主さんだと思おう。思い通りにしてこそ、私の心は私のもの」なんて自分に言い聞かせてました。だけど、こんなこと言ってる時点で、本当は色々気づいているんだよな。ウクの気持ちも。詩に込められた意味も。そして、自分も含めて、人の心は思い通りにはならないということも。

 

ペクアにウクへの気持ちを指摘されて、何も言い返せないヘス。そしてそれを聞いていたウク。

二人は並んで池を見つめながら話をします。二人とも泣いています。

 

ウクは「嫌な思いをさせて悪かった」と謝る。

「私が悪いのです。重荷にならないと言って、最も重い荷になりました」と謝り返すヘス。二人は想い合ってるんだよなー。

 

「お前は悪くない。詩を送ったのも、もらったのも、笑わせようとしたのも私だ。すべて私の責任だ。自分を責めるな」とウク。ペクアが指摘した恋心は、まさにウクの気持ちだったんですね。ペクアの叱責は、ウクにもかなりこたえたはず。

 

だけどヘスは「心が怖いものだと知りながら、気づかないふりをして放っておきました。皇子様の手をつかみ、部屋を出たことから間違っていた」って言う。

ヘスは出会ったときから、ウクに惹かれていたことを心の底では気づいていた。あぁ本当に心の聡い子。絶体絶命の時に「生きたい」と思わせてくれた人ですからね。そりゃ特別な人になりますよ。

しかも「皇子様の前で、毎回泣いてすみません」とまで言う。ウクの心がぐっと動いたのは、彼女が泣きたいときに泣いて感情を表に出していたから、っていうのもありますものね。「ウクの負担になってすみません」以上の意味がある。ヘスはすごい子だわ。

 

夕方に撮られていて、周りにある草花も池の水面も揺れているのが印象的なシーンでもあります。ふたりの気持ちの揺れが、情景にもそのまま出ていました。

 

ふたりは、自らの気持ちを封じることを、それぞれ決めます。

ヘスはウクからもらった詩をしまい、ウクはヘスからもらった石鹸をしまう。

 

 

後悔のない生

第1話から4話までは、いつ失ってもおかしくない、っていう観点で命が描かれてきます。殺す、殺されるとか、とにかく突然やってくるもの。ヘスも何度も死にかけました。

ただ、今回の夫人の死はそれとは違います。彼女は病を抱えており、自分の死が近いことがわかっていた。ドラマ上、死までの準備期間が与えられた最初の人物でした。

 

 亡くなる直前、夫人は大切にしてきたと思われる私物を燃やします。ウクからもらったものもあるでしょう。全ては残される二人のため。

そこにやってきたヘスに、血を吐きながらも聞きたかったことを確認する「皇子様をどう思ってる?」。夫人がウクに「あなたは私を愛してない」と言った時と同じように、ヘスも動揺してしまいます。またもや返事がないという返事。

「愚かね…二人とも愚かね…」

 

夫人は自分のために本当のことが言えず、かといって根が正直だからぱっと嘘もつけない二人がやっぱり好きなんですね。悲しいけれど、それで愛情が減ることはない。「二人とも愚かね」っていうのは、夫人の優しさそのものだよ…。

 

だけど、夫人は可哀そうな人なんかじゃない。彼女は彼女なりに、後悔ない人生を送ろうと最後まで奮起した人でした。

ヘスの化粧できれいな自分を覚えていてほしい。ウクと一緒に雪景色を見たい。自分の想いを大切なウクとヘスに伝えたい。ウクのとヘスの関係を後押しするだけでなく、(あまりにささやかではありますが)夫人は最期にやりたいことをちゃんとやってのけた。

 

そもそもウクとの政略結婚も、ウクに一目ぼれした夫人が強く希望したことが語られます。(ここで回想インサート。娘時代の溌剌とした夫人の姿を見るだけで泣ける)

「私が重荷だと知りながら、婚姻にこだわりました。皇宮を追い出され、翼が折れた皇子様を、私の手で立ち直らせたかったのです」

夫人は自分の人生を選んで生きた人です。

 

ヘ夫人は、ヘスにウクを託し、ウクにヘスを託して亡くなりますが、物語をエモーショナルにするためや、都合よく話を進ませるためにドラマから退場したとは思いたくないです。事実、彼女は死後もずっと存在感を放っているキャラクター。

限りある生を、与えられた限りある選択肢の中で、どう後悔なく全うするかを、体現した人物でした。夫人は最期まで「私を愛してほしい」とは言いませんが、それは彼女なりのプライドでもあったと思います。最期まで夫を愛し、義妹を愛した誇り高い女性でした。

 

夫人役のパク・シウンさんの目の演技が、本当に本当に素晴らしかったです。カン・ハヌルよりも年上の女優さんが演じることによって、母親的な愛情もうまく出ていたと思います。あ、夫人を聖母にしたいんじゃないよ。ただ、そのくらい深く優しかったってことです。

 

 

最後までウクは夫人を背負った

雪の中、歩く力もなくなり、ウクに背負われた夫人。

直前に夫人はウクの頬に手をあててじっと顔をみつめるけれど、その後はおぶわれて、お互いの顔も見えません。

 

ウク「夫人が以前言ったことを、ずっと覚えています。私が夫人を恋慕していない、と…夫人…私は…」

夫人「何も言わなくていいのです」 

ウク「でも…」 

夫人「私の方がたくさん…恋慕すれば…いいのですから…」

 

こうしてウクに負ぶわれたまま、息を引き取った夫人。

これは夫に背を向けられたままだったということでもあるんですよね…。(夫人にとってはこの方が気が楽だったかな…)

結果的に最期までウクは夫人と向き合うことができませんでした。夫人を背負っていたのは、夫人を重荷に感じていたということの暗喩でもあるんでしょうかね。そうでしょうね。その「重荷」が外れた時、ウクが何を思うかが第6話以降ですごく重要になってきますね。

 

だけど、よく考えたら、ウクはちゃんと夫人を背負ってるんですよね。体から離すことも、おろすこともしなかった。彼なりに妻に責任を持ち、できるかぎりのことはしてきたはずです。だって夫人が惚れた男だよ。ウク様だよ。

 

夫人が息を引き取ったあとも尚、彼女を背負い歩き続けるその姿は、このあとのウクの生き方そのものを表しているようにも見えます。

 

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第5話は夫人の死が圧倒的に心に刻まれますが、実はその裏でかなり色んな伏線が張られたり、次の展開の予感を描いたりしているんですよね。ただ、もう今は夫人とウクヘスのことしか考えられないので、今回はこれにて…。

さぁ6話だー。