お出かけ手帳

誤字脱字病。書いては直す人生。

『麗<レイ>~花萌ゆる8人の皇子たち~』 第6話を見たよ②

☆ネタバレしています☆

 

続きです。

本当は1話1エントリがいいんだけど、先々考えたら6話は色々大事だから、省けないのよねぇ。っていうか前半でウクのことを語りすぎた。

 

ヘスの婚姻騒動と皇帝の絶対権力

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ヘスの婚姻騒動を通してわかるのは、皇帝の権力が絶対であることと、皇子たちの選択権のなさです。皇帝に歯向かうことは、死を意味する。

あの無邪気な第10皇子ウンですら、本気で恐れてましたからね。「陛下を差し置くなんて」とか言ってサムズアップもしない(親指は1番を意味し、それは皇帝しかありえない)。後述するペクアとヘスの会話でもそうです。とにかく皇帝をちょっとでも悪く言うことは許されない。あとではっきり描かれますが、皇帝のための情報網ってすんごくて、些細な言動も見張られている可能性がある。皇帝から逃れることはできません。

皇子たちは恵まれた生活を送っているように見えますが、実はとても窮屈で恐ろしい世界に生きている。だから、自由な言動の持ち主であるヘスが、皇子様たちは皆(全員じゃないけど、ほどんど全員)好きなわけです。

 

ヘスが不本意な婚姻をさせられそうになり、皇子たちは結束してヘスを助けようとします。みんなで馬を走らせてね。逃がそうとする。ここでウクがおとり役、ソがヘスを逃がす役になってるのがニクい…。

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ヘスはソまで助けてくれることに驚きますが、「お前のためではない。他人に振り回される姿を見たくない。悲惨だから」とソは言います。「お前のためではない」っていうのは嘘でしょうけど、後半は本心でしょうね。この自身も振り回されてきたし、周りも差はあれど振り回される人ばかりですから。

 

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だけど、皇帝が婚姻相手だってわかった時点で誰も止められなくなる。皇子たちを守るために皇宮に行く決心をしたヘスに、ソは「後悔しないか?」と聞くものの、命令自体を覆すことはできない。ウクも何も言えず、見送らざるをえない。他の皇子たちも同様です。とにかくこの時代、皇帝が絶対なのです。(ここで、ソや、特にウクに笑顔を向けて去ったのがヘスらしい。)

 

ヘスと皇帝が床を共にしなきゃいけないっていうキワキワのところで、ウクとソは諦めずに覚悟をもって皇帝に直訴する。ウクは「これ以上、姻戚を増やす必要はない」、ソは「婚姻でなくても国内統治の方法はある」と。

ただ皇帝には、この婚姻を進めるものすごい明快な名分があって、それは「隣国(契丹)との戦争を避けるため」。ヘ氏は国境を守ってるから、裏切らせたくないんです。それで姻戚にしたい。へ氏も皇帝の子が一族にできれば、皇位爭いにまで入り込めるし、とにかく両者にとってwin-winでしかない婚姻(ヘスの気持ちは完全無視ですが)。皇子たちの言い分は一理あるけれど、それだとへ氏の裏切りや別の豪族との内紛が生じる、と皇帝は一喝します。皇帝は皇帝だけあって、何手先までも考えて、一番リスクが少なく効果が大きい解決法が婚姻だということが分かっている。しかも危機的状況なので、へ氏の中でぱっと近場で見つかる婚姻相手はヘスしかいない。皇子たちに反論の余地はありません。

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高麗 初代皇帝 ワン・ゴン

「皇宮での名分は、事をおこなう正当な理由ではない。事を塞ぐ口実を探しておるのだ。わかるか?お前たちの名分は、くだんらん!」

って皇帝が言うのですが、とにかく皇宮で正義や良心なんて通用しない、ということが印象付けられました。結局、皇宮での政治的判断の基準はいつもこれなんだよなぁ。

 

4話までは高麗皇族の暮らしをウクの家を中心に描いてましたが、5話からヘスは少しずつ皇宮に近づいて(第10皇子ウンに青タン作らせたことをヘスは皇帝に謝罪。あの喧嘩がただの面白だけのためじゃなく、皇帝対面まで引っ張るとは思わなかった)、6話で皇帝の非情さまで辿り着く。国を支配するには、そうでなければならない。しかも、これは非情さの入り口にしか過ぎないですからね。皇帝の絶対的権力をたぶん初めて直接描いたのか第6話でした。

皇后ユ氏や第三皇子ヨが卑劣で狡猾なのも、皇宮で生き残るのに必要だからっていうのも、ちょっとわかる。いや、暗殺とか仕掛けるのは超悪いけど。とにかく権力のトップにいなければ、皇帝でなければ、何も思い通りにはならないのです。さらに皇帝でさえ、時には国を守るために、私情を捨てなければならない(皇帝も婚姻相手がスだと知り「よりによってあの娘か…」と言っている)。

権力がらみのあれこれは、これからじわじわと描かれていきます。

 

自由に生きる

5話でヘスはペクアに夫人のことですごく怒られるんだけれど、6話ではいつの間に二人は仲直りしてます。

今回カットされてたシーンはペクアがらみが多くて、その一つが、夫人の葬儀の後、ヘスとペグアが「お姉さんに会いたくなったら、お互いを訪ねよう」って、静かに涙しながら友達になるっていう場面。

まぁカットされても、夫人が亡くなって二人とも同じように悲しみに暮れるし、ペクアもいつまでも人を恨むタイプじゃないので、脳内処理できなくもないんですけどね。夫人は「ペクアとヘスは自由なところが似てる。私はもうあなたのお姉さんではないけれど、あなたにはヘスがいる」ってペクアに言ってたし。

まぁとにかくそういうシーンが実はありました。好きなシーンだったんだけどな。

 

で、松岳逃亡失敗を経た後に、ヘスが茶美院に連れていかれちゃって、ペクアはワン・ソに助けを求めるんだけど、ソは「自分で皇宮に入ることを選んだし、もう遅い」って断る。(残念なことに、ペクアとソが仲良くなるシーンもカットされてたのよね…。母方が新羅王族であることをヨに馬鹿にされたペクアを、ソが言い負かして助けるっていう。)

それでもペクアは引き下がりません。「あの時、スがごねたら、我々は皆死んでいたし、とにかくあの娘は特別なのだ」と。

 

夫人が亡くなり友達となったヘスとペクアが、2人でお酒を飲んだくれるんですね。それで、「オンニが好きならなぜ告白しなかったの?」ってヘスはペクアに聞くわけです。ペクアは夫人がウクと結婚する前から、ずっと好きだったんだものね。

ペクアは、「母方が滅んだ新羅の皇族だから、他の皇子とは自分は格が違う。あの時(夫人&ウク婚姻の時)は夫人の家に力があったから、姉上をくださいとは言えなかった」と酔っぱらいながら漏らします。

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それを聞いたヘスは、酔っぱらってるので大きめの声で反論。

「あーまた始まった!くれるだの、あげるだの、人をもの扱いしないでよ。千年過ぎたら、人の上にも、人の下にも、人はいなくなる。何が皇帝よ!」

突然の過激発言にビビるぺクアですが、それでもヘスは止まらない。

 

人生は短いのよ。いつも身分がどうの、皇子が何とかって、あきれるわ!

ワン・ペクアさん、いい?元気でいても、ある日突然死ぬのが人生で、天から落ちてきてこうして暮らすこともある。

だから、気の向くままに生きなさい。勝手気ままに、自由に生きるの!オーケー?

千年前に絶対にないオーケーサインを手でつくるヘス。

「オ、オーケー…」真似するペクア。

 

皇帝批判が始まった時は、ペクアは「やーめーろー!」ってヘスの口に食べ物突っ込んだりするんですが、話を聞いていくうちにどんどん顔色が変わる。ヘスの「好きなように生きろ」っていう言葉にペクアは救われるんです。ずっと肩身が狭い中で生きてきたからね。

またも、皇子が聞きたかった言葉を完璧に言ったヘス。(何度目だろう)

 

話を聞いたワン・ソは「そんな話を聞いていたのか!」って怒るけどペクアは続けます。

 

「間違っていません、高麗は蔭叙(ウムソ)がはびこっています。家柄が良く、顔が良ければ待遇を受け、婚姻も良家とだけ。兄上も苦手でしょう?皇子でこれなら民はどうなります?…私は自由でいたいのです。兄上も、ヘスも。同じはず。身寄りもなくどう耐えるのです?今日がすぎれば陛下にも会えぬのに、息がつまって死んでしまいます」

 

この説得により、ソはヘス救出へ更に動きます。

蔭叙っていうのは「親が偉ければ、子は自動的に偉くなれるシステム」のことみたいですね(ざっくり調べただけです、すみません…)。

 

ペクアは家柄に、ソは身体的にハンデがあり、皇子としてはマイノリティー。ヘスは身寄りもないし、中の人は千年後からきてるし…。ペクアは日ごろ、町に降りて民の様子をみているから、余計に色々思うところあるのですよね。みんな、全然自由じゃない。

 

ヘスの言葉はヘス自身の実感であり、ドラマ的にもすごく真っ当なメッセージです。夫人が亡くなったあとだし、余計に響く。限りある命なんだからやりたいことは、やらないと。好きな人には、好きだと言わないと。

 

対して続いたペグアのセリフは、現代を生きる私たちへの批判にもなっています。「家柄が良く、顔が良ければ、待遇を受け、婚姻も良家とだけ」。これって今もそうなんですよね…。現実は千年前とさほど変わらないっていう。

「社会的な不自由さと心の不自由さはリンクしてる」っていうのがペグアの言ってることで、「ヘスは息がつまって死んでしまう」っていうのも、そこからきてる。

 

ソはペグアに「それで皇室を覆して国を変えるというのか?」と言うですが、後に皇帝になった彼は科挙制度を始めるんだよなーと思ったり。

 あと、「ヘスを助けて」って頼み込むペグアに、ソは「もしや、あの娘に気があるのか?」って聞いてて、あぁソもヘスに気があるよなぁとか(笑)、対してペクアも「それは私ではなく…」とだけは言ってるんだなぁとか、色々思うシーンでした。

 

なにより、これからまた色々なことが起きるわけですが、その度にヘスが言ったことを思い出させるのですよ。大事なので太字にしてみました(笑)。酔っぱらってへらへらしながら話す、軽いトーンのシーンなんですけどね(そこがうまい)。ほんとすごく大事なところ。

 

 

「守りたいものを守ったので、後悔はない」

ヘスの婚姻話で皇子たちはザワつきまくるのですが、当の本人ヘスだって、自分の力で解決しようともがきます。最初は一人で逃げようとしてたくらいですから。茶美院に着いても、最後まで諦めなかった。諦めることがどうしてもできなかった。

 

婚姻したくない理由は「見たこともない男と暮らせない」から。ストレートで正直な理由です。相手が皇帝だとわかっても、嫌なものは嫌。彼女は自分の気持ちを大事にしてる。

ウクとソの直訴が失敗しても、ヘスは命をかけて婚姻を拒絶します。

 

生死を彷徨い、ヘスが目を覚ますと、どこかの一室。茶美院を取り仕切っているオ尚宮がそばで看病してくれています。オ尚宮はキリっとした女性で感情は表に出さず、婚姻準備をじゃんじゃか進めた人です。

 

「あぁ生きているのか…。ここは皇宮ですね」と聞くヘスに「そうです。あなたたが生きてるって言うことは、ここは皇宮です」と返し、皇宮は一度入ると死ぬまで出られないことを暗に伝えます。

 

尚宮「傷が深くて痕が残るそうです」 

ヘス「覚悟してました」 

尚宮「陛下の妻を嫌がるなんて。富と栄華が手に入るのに」

ヘス「どう生きようと、私には選ぶ権利があります」

尚宮「若いからそう思うのでしょう。大きな罰が下るので覚悟なさらなければ」

ヘス「後悔してません。守るものを守ったから。代償を払わねば」

 

この会話でオ尚宮はかすかにハッとするような顔をするんですね。ヘスっていう子がどういう子なのか、ここではっきりわかるし、尚宮自身の過去にもかかってくる会話。

 

ヘスは当時の皇子ですらできない「自分の人生を選び、守る」ことを、命をかけてやってのけた。まぁヘスは背負うものがないので、シンプルに選択できたということもあるのですが。でも手首を深く切るっていう一か八かの賭けに出てまで、不本意な結婚はしたくなかった。結婚したら、自分が自分でなくなってしまうから。

この会話も後々超大事なのでまたも太字です。伏線とか抜きにしても、ヘスはシンプルで、でも誰もが簡単にはできない、大切なことをいつも言うんだよなぁ。

 

このあとウクがやってきて、オ尚宮は何も言わずに二人っきりにしてあげる。この時点で尚宮はウクとヘスの関係に気づいてるのよね。

 

ウクは本当に心配そうで、悲しそうで。包帯が巻かれた腕の傷にも申し訳なく思ってる様子。それこそ、首に切り傷ができた時も「痕が残るといけない」って言ってた人だしな。自分が助けられなかったせいで(しょうがないんだけど)、ヘスに傷が残ってしまった。

「もう大丈夫だ、腕の傷で婚姻はなくなったし、へ氏へも便宜は図られたので心配ない」とヘスに伝えます。ウクはさらに続ける。

「昨夜ほど私が情けなく、情けなく、情けなく思えたことはない。本当に悪い奴だと思いながらも、亡き夫人に祈った。お前を返してくれたら、夫人に注げなかった情をスに償うゆえ、私を許してスを返してくれと祈った」

 

冷静に考えると、本当に情けないことをウクは言ってるんですよね(笑)。しかも、婚姻話が出た直後は戸惑ってたけど、すぐ止めなければ!って感じじゃ実はなかった。弟たちが「いやいや、ヘスにそんな婚姻とか、ありえないでしょ!」って騒いで、一気に危機を実感するのよね…。ウクよ、そういうところだぞ(ウクは最初へスの相手情報を全く知らなかったし、夫人が亡くなったあとだし、いろいろ葛藤があったのは間違いないけど)。

でも、なんか真面目だし、涙目だし、素敵なので、許せます。なぜだか説得力があるのよ、カン・ハヌルだから。「また会えてよかった」とヘスも泣いて安心する。ウクはヘスを抱きしめます。

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これを期に二人はラブラブ期へと突入しますが、不本意な結婚をしたウクと命懸けでしなかったヘスは、根本的に違う。

どっちがいいとも悪いとも言えないけれど(ウクはそれで家族を救ったし、ヘスが手を切ったせいで死んでしまったら、元も子もない)。背景も、その時の状況も全く違うので、安易に比べられませんが「後悔なく守りたいものを守ったか」「自分の人生を自分で選んだか」っていう観点では、ヘスがやっぱり一歩先をいっています。ウクはヘスのそういう「自分でなんとかしようとするところ」が好きなんですけどね。

 

あとは、夫人に対する後悔と、今回の結婚騒動で、ウクの想いに拍車がかかりました。ヘスへの想いと夫人への懺悔がセットになっちゃうのよねぇ。もともと夫人に対する感情とヘスに対する感情は別の種類だったのに。

「お前が陛下の妻になったら、私は生涯自分を許せなかった」とか「一度は離したが、二度と話さない」とかね。失う怖さと、行動できなかった後悔が、婚姻騒動で強化された感じ。完全なトラウマです。

ウクにとっても、第6話は転換期ですね。

 

 

6話までで築かれた、ヘスと皇子+αとの関係

ヘス、というかハジンは、秋ごろに高麗に到着し、第6話の終わりには春になっています。だいぶ時間が過ぎました。新生ヘスと皇子たちの人間関係も、かなりできあがってきました。国婚を拒絶したにも関わらず、茶美院の女官に処されるだけで済んだのは、方々からの恩情のおかげ。(最初は官婢にされそうだった)。

第7話からまた新たなステージに入るので、ここまででのヘスと皇子の関係+αを整理しましょう。

 

第一皇子 ワン・ム(キム・サノ)

ヘスとはほぼ絡みなし。挨拶程度。これから絡む。

 

第3皇子 ワン・ヨ(ホン・ジョンヒョン)

王位継承を狙っているため、ヘスに関心なし。ウクの妹ヨンファを嫁にしたがっているが、暗に拒否られている。

 

第4皇子 ワン・ソ (イ・ジュンギ

生まれて初めて自分のことを偏見なく接したのがヘス。人を殺しまくったと言っても怖がらず、むしろ慰めてくれたため、ヘスが大変気になっている。ヘスのことを「俺の人」と呼ぶ。ヘスには素顔も見られている。

 

第8皇子 ワン・ウク(カン・ハヌル)

明るく自由で、自立心があり、なおかつウクの幼少期のトラウマをさっと指摘するほどの聡明さを持つヘスに惹かれる。ヘスのおかげで、生まれて初めて心に安らぎが訪れた。亡き夫人に対して色々と後悔があるため、ヘスは絶対に幸せにしたいと思っている。ヘスもウクに惹かれている。

 

 第9皇子 ワン・ウォン(ユン・ソヌ)

ほぼ絡みはないが、ヘスの婚姻騒動ではちょっとだけ逃亡の手助けをしてくれた。

 

第10皇子 ワン・ウン(ベクヒョン/EXO)

生まれて初めて取っ組み合いのケンカをヘスとし、「こんな扱いをした女は初めてだ」とヘスを好きになる。ヘスにおもちゃをあげて気を引くのには失敗したが、夫人が亡くなった時は人形劇でヘスを楽しませ「皇子様最高」とほめられ嬉しがる。

 

第13皇子 ワン・ウク/通称ペクア (ナム・ジュヒョク)

夫人が健在の時は、ウクといい感じになってるヘスにマジ切れしたが、今は和解。ヘスの良き友となっている。ヘスに「自由に生きろ」と今まで誰かに言ってもらいたかったことを初めて言われ、心救われる。

 

第14皇子 ワン・ジョン(ジス)

かつてストリートファイトしたチンピラに逆恨みされ、腕を斬られそうになった際にヘスが助けた。「この恩は忘れない。俺の命はお前の命だ」と言ったら、ヘスが思わず弟のように褒め抱擁したことから(たぶん、生まれて初めて?の、家族以外の女性からの抱擁)、ヘスを「姉上」と呼び、なつく。

 

えーと「生まれて初めて」系の皇子は、だいたいヘスに落ちてます(笑)。もう5人落ちてますね。全員落ちる日は来るのでしょうかw。現代の考えを持っている以上に、ヘス自身がとてもいい子で、しかも可愛いので、当然の流れなのだよ!

恋のライバルとなるソもウクの二人とも、誰にも見せられない自分の弱さをヘスに見せてるのがまた、興味深い。

 

皇子以外で言うと…以下。

 

ヨンファ皇女(カン・ハンナ)

新生ヘスとは最初から反り合わず。ヘスのせいで、恋慕しているワン・ソも兄のウクも様子がおかしくなったので、ヘスを排除したい。ヘスの政略結婚を(相手が皇帝と知るまでは)とても喜んでいた。自身の婚姻のことが心配。皇宮から離れたくない。

 

ヘス、ジモン、オ尚宮

チェ・ジモン(キム・ソンギュン)

ハジンが現代でタイムスリップ前に出会った、ホームレス似の司天供奉。第5話でやっとヘスは話をする。ヘスのことは知らないというが、千年後の世界で会ったと言うと急に顔色が変わり、「お気をつけください…皇宮では言葉を慎まなければなりません。思いつくまま話すと大変です。特に皇位や皇室については。郷に入れば郷に従わねば」とただでさえ意味ありげなうえ上「人生は簡単には変わりませんが」と、あのホームレスと同じ言葉を口にしウインクまでしてくる。

婚姻騒動の際はヘスに「運命に従え」と言うが、婚姻破棄後はヘスが女官になれるよう皇帝を半ば説得。ジモンの「オ尚宮も茶美院で女官に」という言葉で、皇帝の心は動く。

 

皇后ユ氏&皇后ファンボ氏

ヘスとはまだ挨拶程度。5話、6話では茶を飲みながらマウンティングし合うシーンあり。ウクが賢いことを暗に自慢された皇后ユ氏は、同い年のソに八つ当たり。

 

こんなところですかね。

ヘスはヒロインなんだけど、皇室をかき回すトリックスター的な存在でもあるんですよね。だから、ヘスが高麗で生きのびる様子だけでなく、皇子たちの様子をしっかり描いているのはあり、というか当然の流れだと思います。皇子たちの物語にヘスが飛び込んでいる感じ。

中盤以降「8人皇子いてくれてよかった」ってなるから、必ず(笑)。今のうちに各々の発言を覚えておくと、見ていてさらに面白いと思います。。

 

光宗は誰だ?

 さて、あとひとつ書いておきたいシーンがあります。それは、ヘスが手首を切って生死を彷徨ったときに、一瞬最初の湖に溺れているハジンに戻るんですね。

そこで高麗皇族のおぼろげな未来のビジョンを見る。

皇帝ワン・ゴンの死。皇族のうちの誰かが水死体となり、また別の誰かが倒れてる。顔はわかりません。そして誰も座っていない皇帝の席。新たな皇帝らしき人物が振り返る姿。

そしてふいにヘスは思い出します。

「光宗?なぜ光宗が気になるの?高麗4第皇帝・光宗。そう、光宗は4代目の皇帝だ。兄弟と臣下を片っ端から殺した皇帝。誰のこと?どの皇子なの?」

そこで目が覚めたら、オ尚宮がいる。

 

高麗に着いたときに、皇帝ワン・ゴンの次に有名なのは光宗だっていうのは思い出すんだけど、湖で溺れてる瞬間にここで一旦戻って、高麗の未来のビジョンを見て、光宗がヤバい奴だと思い出す。だけど誰が光宗になるか、ヘスにはわからない。(ほとんどの視聴者はソだと知っている)

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茶美院に向かう時、皇子たちが見送ってくれるんだけど、ヘスは内心「この中の2、3人は次の皇帝がいる。誰だろう…誰が光宗になって兄弟を殺すのかな。そんなことは起こしちゃだめ。…まさかウクじゃないよね…」と思ったりします。

ウクは皇子の中でも一番出来が良いので、光宗がヤバいやつって忘れてた時に「あの人が光宗かな?」ってヘスはなんとなく思ってるシーンがあったのよね。

 

ドラマが進むにつれ王位継承が話の中心になっていくので、そのための準備、特に未来人としてヘスがどう歴史と関わるのか、っていうことへの準備も始まりました。

 

ドラマの前半は、後半の物語に必要になる伏線と動機付けに、かなり時間がかけられているので、それをカバーするとなると大変な分量になりますね(ここまで書いても全部は拾いきれない)。セリフの反復で別の意味や印象を与え直していくことも多いので、どうしてもそこを押さえようとすると文字数が増えちゃう。(例えばウクの家に着いた時、新生ヘスはウクに「私はなんでもできる、頭がいいんです。物覚えも早いので、すぐに必要な人材になる」って言ったのを、第6話でウクの家を出る時にも言わせている。1回目と2回目では、会話をした二人の関係性は大きく変わっているし、出会いとある種の別離で同じ会話をしてるっていう設計)

 

7話以降どうしようか。でもせっかくここまでやったしな。7話から皇宮の中に住むし、ソも住んでるからワンソ絡みも増えるのよね…。ちょっと分量は考えよ!

 

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 旅立ちの日に、ヘスが書いた絵文字を真似て書いたものを渡すウク様。

「真面目な人が真似して書いてみました」感が良く出ている(笑)。

この直前にヘスとウクが花畑を歩くんだけど、このドラマで恋愛がらみになる男女はだいたい花に囲まれたシーンがあります。