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お出かけ手帳

誤字脱字病。書いては直す人生。

『麗<レイ>~花萌ゆる8人の皇子たち~』 第9話を見たよ②

☆ネタバレしています☆

 

つづきです。

野球の影響で16回の放送がズレましたね。

ドラマのスケジュールが変わって悲しいのって、小学生以来です(笑)。最初は「週2回放送って大変」って思ってたのに、気づけば週一じゃ物足りない体に…。しかもなんでか17話の予告だけ見ちゃったよ。あれ、16話見てからじゃないと絶対見ちゃいけないやつじゃないか…。ちょっとこの気持ちをどう処理すればいいのw?

とか、なんだかんだ言ってあと2週間ちょっとで、本放送は終わってしまうし、こんだけハマってる私は一体どうなってしまうんだろう…。日本放送は続くけど…。

 

第10皇子ウンの結婚

雨乞いの祝いは、皇子の婚姻でした。しかも婚姻するのは、子供のように無邪気なワン・ウン。

秘密裏に育てたワン・ソが成果を出したので、大将軍に皇子との婚姻という褒美をあげたんでしょうね。大将軍の娘スンドクはずっとウンを好きだったので、その想いを父が汲んだ形で相手が決まりました。

 

ウンはヘスが好きだから「嫌です、婚姻するくらいなら死にます」って皇帝に言うんだけど、皇帝の命令に背く=文字通りの死。正胤が助け舟を出して、結局「聖恩に感謝します」って頭下げるしかなく…。そのときに袖からビー玉がばーっと落ちる。ヘスにあげようとしていたビー玉です。

このビー玉が落ちた瞬間ってものすごく悲しくて、「あぁこの子の子供時代は終わっちゃったんだな…」ってかなり切なかったです。まだ子供なんだけど、もう子供でいさせてもらえなくなったんだなーって。8、9話は運命と自由意志の力関係が描かれているけど、それに対抗する第三の力を挙げるとしたら「権力」ですね。ここでは皇帝の意思が権力だから、自由意志の最高峰ってことでもありますが。子供の心をもつ弱きウンは、父という強い力に従わざるをえない。

 

結婚式の当日にウンは部屋に閉じこもっちゃうんですが、婚姻しないと殺されるかもしれないって心配して、スンドクはヘスにウンの説得を頼みます。「あなたが側室になってもいいから、助けて」って。スンドクもいい子なのですよね。

 

一人飲んだくれてるウンは、ヘスに「私を好きなのに、別の女と婚姻するから、いじけてるんでしょう」みたいにズバリ言われて「え?知ってたの」とかビックリするのも可愛いんだけど、ウンは「じゃあ僕の側室になってくれるか」って聞くんですね。もちろん、断られるんですけど。かつてオンニがウクに「第二夫人を」って頼んでた頃に、ウンは「俺は父上のようにたくさん婚姻はせぬ。気に入った夫人を得て、100年連れ添う」って言ってたのにね(4話)。あぁ悲しい。

 

それでウンが語りだすのは、彼が自ら抱える劣等感についてです。

「第一夫人でも、お前は断ったはずだ。僕がバカなのはよくわかってる。皆が本10冊読む間、僕はやっと1冊。父上の話も大師の話も、一度で理解したことはない。僕はいつもひたすらバカだった。だから嫌いなのだろう?」

あぁこんなこと、思ってたんだね。他の皇子は何かしら特技があるもんなぁ。

でも、ヘスは心が聡いですから、やっぱり皇子の聞きたい言葉を言う。

「皇子様と過ごすのは、一番楽しかったです。皇子様は気持ちに嘘をつきません。だから皇子様の前では、私も思い切り泣いて笑い、腹を立てられました」 

「慰めなどいらぬ。お前はやはり悪い女だ。わかっていた、お前は僕のものにならぬと」 

「謝ったら本当に悪い女ですね。ですから、謝りません」

「私を好きだったか?」

「いまでも好きです。お幸せに」

 

ウンとは、高麗到着直後に取っ組み合いの喧嘩したり、オンニが亡くなった時は慰めてくれたり、ヘスも思い入れがあるんですよね。ウンの正直さ、純粋さがなければ、このドラマ自体違ったものになってるだろうし。賢さや、強さがなくても、人は魅力的だし、必要な存在なんだっていうのを表しているのがウンですね(こういう役をEXOのベッキョンっていう世界のスーパーアイドルが演じてるのが、意味深いです。いや、この方は歌も踊りもとんでもなく素晴らしいですけど、アイドルってやっぱり存在感そのものが大事だから)

ウンは、ヘスに肯定されることで、少しだけ大人になることを決める。望まない婚姻という現実を受け入れます。

 

 

ワン・ソ皇子に気をつけて

ウンの結婚式は、和やかに進みます。皇子たちはそれぞれ婚姻の贈り物をウン夫妻に渡し、笑い声が響く。

 官女として、離れたところからその様子を見ていたヘスは、ここでまた未来の恐ろしいビジョンを見てしまいます。

 

矢が刺さったウン。ウンを斬りつけるソ。そばにはスンドクが倒れている。そして、ソは不気味に高笑い…。

 

ヘスは恐怖のあまり、後ずさり、その場を走って逃げだします。腰が抜け、座りこむヘス。ヘスの異変に気付いたウクが追いかける。

「大丈夫か?」と心配するウクに、ヘスは震えながら必死の形相で訴える。

「ワン・ソ皇子に気を付けて…絶対に避けて…あの人がやることを阻んだら…皆死にます!」

ウクは「死ぬってどういうことだ!?」と意味がわからないんだけど、ヘスの訴えはあまりにも鬼気迫るものでした。冗談で言うようなことでもない。

「ここを出たいです。皇宮から離れたいです」 

「そうしよう。私が連れ出すゆえ、落ち着くのだ。大丈夫だ」

震えと涙が止まらないヘスを、抱きしめるウク。

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未来人が過去にタイムスリップしてやっちゃいけないことのひとつが、「過去を生きる人に未来の出来事を教えること」かと思いますが…やってしまいました…。

このビジョンが何なのかも、まだわからないのに。

 

でも、へスが見たものがなんであるにせよ、ソが血の君主かもっていうところまでは、なんとか受け止めたとしても、ついさっき一緒に喋ってた人が迎える凄惨な未来が見えてしまったら、確かにあぁなってしまうかも。ヘスは詳しい歴史は知らないからこそ、とっさにウクの命まで奪われるんじゃないかと、恐怖するんですよね。ヘスはパニックに陥ってますからね…。ただでさえ、ウクとの将来は暗礁に乗り上げ気味ですし。

 

これをウクに言ってよかったのか、悪かったのか。ウクは先々まで、この言葉を覚えてるんですよ。あんなにぶるぶる震えて言われたら、忘れようにも忘れられないでしょうけど…。枕を渡したときは、強がりでも「私は大丈夫」って言ってた子が、皇宮を出たいと言うほど怖がっていますからね。

ウクは一人になったあとも、ヘスの発言について思いを巡らせています。

 

オ尚宮がヘスに「ソに気を気を付けろ」って言ったシーンの後で、今度はヘスがウクに同じことを言ってるのがまた、すごく興味深い。それぞれの思惑は違うけど、根底にあるのは命の危険への危惧・恐怖ですね。

 

 

地獄の晩餐

ソの雨乞い成功で、案の定、皇子たちのパワーバランスは変わります。後ろ盾の弱い正胤のために、皇帝はソに力を与えようとする。第3皇子ヨに、命の危険がある浦を巡る新しい任務を与え、今までヨが担っていた軍需品の管理はソが引き継ぐことを命じます。ヨは事実上の皇位レース脱落の危機です。皇帝は皇后ユ氏とヨが、正胤を引きずり降ろそうとしていることを知っていますからね。

 

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この一件を受けて、ソは皇后ユ氏ファミリーの夕食に呼ばれます。息子3人が初めて揃った食事会。ジョンはとても嬉しそう。緊張しかない集まりなので、ジョンがいてくれてよかったと、この時心底思った(笑)。

 

もうね、皇后ユ氏が手のひら変えてソに優しいんですよ、序盤は。「素顔が見られたゆえ、陛下の信頼も高まり、うれしいぞ。この日をどれだけまったことか」とか「あなた子供の頃、お肉好きだったわよね」とか言って、ソがむせるくらい。ヨも「過去は忘れて、兄弟で頻繁に会おう」とか言ってるし。怖い。

ソは戸惑いながらも、結構素直な感じで様子をみます。ジョンなんてニコニコですよ。

 

だけど…この母とヨが急にいい人になるわけない。

母「ヨの務めを引き継いだそうだな」 

ヨ「俺は松岳を発つゆえ、正胤に教われ。そうすれば正胤と会う機会も増え二人になることもある」

ソ「はい?……やはり…私にお望みが?」

母「正胤を殺して、以前も私のために人を殺した。どうだ?」

 

恐ろしい母子コンビだよ。ジョンもドン引きしてるんだけど、二人はもちろん本気。っていうか今まで何度も正胤を殺そうとしてるし。

ヨは「昔から皇位につくと、一族と兄弟を殺した。俺が皇帝にならねば殺される。先手を打たねば」と、畳みかけるんですが、たしかにこれはそういうこともあったみたいですね。韓国だけでなく、権力がらみでは結構ある。日本史をみてもありますね。

 

とんでもない家族の頼みにソはどう返すか。

「では、叶えましょう。殺して…私が皇位に就きます。息子が皇位に就けば、私でも構わぬはず、皇位に就いても、兄上とジョンは殺しません」

 

ワン・ソは本気で皇位に就こうと思ってるわけじゃなく、ただ言い返したいだけなんだけど、皇后ユ氏はヨを皇帝にしたいもんだから、カンカンですよ。それで、ソをすごく傷つけることを言うんですね。 

「顔に塗って傷が消えたからって、何様になったつもり?お前に祭主をさせたのは、雨が降らなかったときのため。お前は皇太子の身代わりよ。父親が利用したとも知らずに」

 

一番触れられたくない顔のことから始まり、「皇帝に利用されたんだ」と言う母もまた、自分を利用しようとしている。人に認められたソの喜びを吹っ飛ばすように、相変わらず息子の心を破壊する母。 

「利用されたのではなく、自ら立ったのです。もう食事に呼ばないで」ってなんとか言い返してソはその場を去ります。

 

「人って簡単に変わらない」ってことを思い知らされるシーンです…。この母の変わらなさ。せっかくソは「自分は変われた」と思ったのにね。 自尊心を踏みにじられ、ソはかなり傷つきます。

 

母と兄の非情な面を初めて目の当たりにした末っ子のジョンは「ひどすぎます、家族で殺人を唆すとは。兄弟を仇にするならなぜ産んだのです」ってすごく真っ当なことを言い、怒って立ち去るんだけど、ジョンはソが「正胤を殺して、皇位に就く」って言ったのも聞いてしまっているんですよね。ソは本気で言ったわけじゃないんだけど…。ジョンは純粋だし、正胤にも忠誠心をもっている子だからなぁ。

この一件もあり、ジョンは家族から距離を置くようになっていきます。

 

 

お前は俺のものだから

 

 

最悪な親子の晩餐のあと、ソは「愚かだな…期待などして…」って一人ごちる。やっぱりソが一番認めて欲しい人は、母だったのです。そして、もうそれは叶わないっていうことを、ソは痛感した。顔の傷があっても、なくても、仕事で成果を出しても、もはや関係ない。自分は、ただ疎まれている。 

 

失意のソはヘスを求めますが、ヘスはソがウン夫妻を殺す生々しいビジョンを見てしまっているから、震えがとまらない。

偶然、ヘスを見かけたソは思わず抱きしめて「少しだけ一緒にいてくれ。少し休みたい」って癒しを求めるけれど、ヘスは拒絶します。

「嫌です。私は皇子様が怖い。私が変えられると思ったけど、違いました。皇子様は結局、皆を滅ぼします!遠くへ行ってください!」

 

かなりキツめの拒絶です。ヘスがこんなに誰かを否定するようなことは、今まで言ったことがないはず。

ソに化粧をする時に「信じて下されば、私は変わりません。約束します」と言ったのに、ヘスは「兄弟を殺す血の君主」という偏見のせいで、あっという間に変わってしまいました。あれだけ心の聡い子が、ソが言われて嫌だとわかってるはずの言葉を投げつける。ソはヘスに何も悪いことをしていないのに。

ソが母を変えることができなかったように、人は人を変えることはできませんが、相手に何をされようがされまいが全く関係なく、自分の都合だけで人は急に変わることがあるのです。オ尚宮がヘスに言っていたのは、こういうことでもあった。皇位に絡まずとも、誰にでも起こりうる。

 

「怖くないはずだ。お前までやめろ。俺を避けるでない!遠くへ行けと言うな!不幸をもたらすとも!俺を獣扱いするでない。お前だけはだめだ。お前は俺の者だから!」

「私は皇子様のものじゃありません」

「お前は俺のものだ。俺の女だ。俺の許しなく、離れても、死んでもならぬ。俺の者だ」

そしてソは無理やりヘスにキスをしてしまいます。

 

ソの求愛は強烈です。ヘスのおかげでやっと自分を認められるようになったのに、母親にそれを否定され、更にヘスにまで母親同じように自分を否定されたら、ソは壊れてしまう。

またもオ尚宮の発言を出しますが、「情に飢えていた人が情を知った」というのは、ソが母に求めていたことをヘスが与えたということでもあり、ソにとってヘスは自分の心を形づくる大事な一部になってしまったということなのです。だから、俺のものだし、勝手に離れることも死ぬことも許せない。根が深いワン・ソのマザーコンプレックスにヘスは関わってしまっています。

 

 

第9話は「運命」がテーマ。ジモンは「天の意を人が悟る瞬間が運命」といい、つまりそれが運命かどうかは、実は物事が起こるまで、少なくとも普通の人にはわからない。

ヘスはワン・ソの黒い未来を運命だと感じ、心が大きく揺れますが、まだ起きてもおらず、確かめることのできないそれは、ただの偏見に満ちた予想でしかないのかもしれません。この辺ものすごく難しいことやってるよ。書いてても、正直よくわからないところある(笑)。

この運命についての回を、ウンの婚姻と絡めて描いているのはツラいけど、うまい…。ウンの結婚は自分の意思とはかけ離れ、更にソの正体にも関わっていますから。

 

ヘスが見たビジョンは何だったのか、っていうのは15話を見て少し予想を立てみたけれど(予想や感想を後出しじゃんけんにしたくないので、最近は本放送と日本放送と感想をパラレルで書いている)、やっぱりまだこの時点では分からないですね。

ただ、このドラマは「人を信じれるか」「人は変われるか、変わらないでいられるか」っていうテーマを1話の冒頭に置いているので、ワン・ソへの偏見をどう扱うかっていうのが相当重要であることは確かです。

噂や偏見に惑わされず、人を心から信じることはできるのか。