お出かけ手帳

誤字脱字病。書いては直す人生。

『麗<レイ>~花萌ゆる8人の皇子たち~』 第12話を見たよ②

☆ネタバレしています☆

 

つづきです。

 

ヨンファ、ソにプロポーズする

ヨンファは「ヨと結婚させられるかも」と焦ります。ウクに大きな貸しがあるヨンファですが、ヨとの人質結婚は避けたい。以前「私は皇位のためなら誰とでも婚姻してやる」と宣言していた彼女ですが(韓国版7話)、いざそうなるとやっぱり嫌だ。ヨンファはひどいことしてきてるし、自分勝手な子だけど、彼女も揺れる部分をもっているのだよな。ヨと婚姻は誰だって嫌だよな…。

で、ヨンファはソのところに行って「婚姻して」と頼みに行く。行動的なのが彼女らしい。ソは「え?聞き間違えたようだ」っていうくらい驚くんですけど(笑)。

 

自分は皇子に囲まれ、どこか物足りないと思って育ってきて、でも皇宮を追い出されてからは権力がないといけないんだって思った(大意)みたいなことをヨンファは言います(←インター版はここカット)。ヨンファがソを好きなのは、他の皇子と一味違うからなんだよな。

「俺はそんな男ではない。俺はお前の理想と最も離れている男だ」 

「ですから距離をおいておりました。ですが。知らなかったことが…私も一人の女でした。兄上を長年想ってきました。兄上は運命の相手です」

 

これKNだと(インターもかな。でも、おいおい出てくる…と思う)かなりカットされていて、韓国版は結構長くしゃべってます。俺には心に決めた人がいる、とか、それはヘスなのですね、とか。あとは、ヘスがいなければ今の俺はいないとか。

ここでヨンファはフラれるけど、ヨンファがソに対して「兄上は運命の相手」って言ってるのはすごいですね。歴史上わかってるからもう書きますけど、この二人は婚姻しますから。

 

 

 皇帝は知っていた

皇帝はだんだん体が弱り、食欲すらなくてっていく。ジモンは皇帝を心配し、ヘスを訪ねます。オ尚宮仕込みのお茶をヘスに作らせるためです。その茶を飲んで、すぐにヘスが作ったお茶だと気づく皇帝。「あの娘をつれてまいれ」。

 

ヘスは具合が悪そうな皇帝を見て、「私のおじいさんが亡くなった時みたい。崩御が何年か分からないけど、残りわずかだわ」と感じます。

 

「余命が短いとみておるのか?」

いきなり核心の話を切り出す皇帝。

「やはりお前は違う…お前はどこからきた?」

 

オ尚宮の一件の後、ヘスを調べあげた皇帝。幼いころの友、故郷の親族、ウクの家族にまで聞いて回ったけど、途中で人が入れ替わったとしか思えない。まるで別人であった、と。「お前は誰だ?」

 

何も答えられないヘス。

 

「ソが皇帝の星をもって生まれたことを知っているな?朕がみたところ、お前はジモンと同じだ。未来を知っておるだろう。だからと口をはさむな」

皇帝はヘスがタイムリープしてきたことを、知っていた。 

「私を遠くへ送ってくれませんか?ここで暮らす自信がありません」

「お前の力が及ばぬことに目をつぶり、ここのことに慣れなければ。どこへ行っても変わらぬ。正胤はもちろん、ソまで皇帝になる運命だ。今後、皇宮で何が起きるか誰も知らぬ。すべてをお前は見守るだろう。未来にとらわれて今を見失うでない。スヨンの娘なら、朕にとっても娘ゆえ、忠告するのだ」

 

タイムリープ者ヘスへの警告は、ジモンからの「何もしてはいけない」だけだったんだけど、ここで「未来にとらわれて、今を見失うな」という新たなアドバイスが出てきました。先に悪いことが起こるとわかっているからって、今を大切に生きなければ意味がない。

よく考えたら、誰にでもあてはまる。だって少なくとも私たちは、死という終わりがあるとわかっていながら、今を生きている。暗い未来にとらわれるより、今を大切にしたほうがいい。死が迫った皇帝が言うので、更に説得力がある(いきなり呼びつけて、この話したのはビックリだけど…ヘスに言っとかなきゃと思ったんでしょう)

現皇帝はソがどういう皇帝になるかまでは聞いてるのだろうかね。ジモンとはどこまで話しているのだろう。

ヘスはワンソが「血の君主」になるという未来、というか歴史の偏見と直面していくので、この言葉はすごく大事だし、個人的にも好きなセリフです。

 

ヘスは本当に、すべてを目撃するのだよな、これから。

 

ペクアとウヒ

第7話でペクアとウヒは偶然出会い、何度か交流する場面が描かれていたんだけど、ヘスが皇宮を去って一年後にはかなり親密になっていました。

 

ウヒっていうのは後百済の生き残った姫で、高麗の皇帝を恨み、暗殺するために妓生になった人物。ペクアは気楽な貴族としてウヒに会っており、お互いの正体を知りません。

皇帝も出席する妓生の合評会が近づき、ウヒの剣を使った舞の練習に付き合うペクア。ウヒはツンデレな子なんですが、二人の関係はいい感じに出来上がってます。

「練習はいいが怪我するな。オーケー?」とヘスが教えた言葉をさりげなく使うペクア。ヘスのことも忘れてないのね。

 

二人での合評会の練習は続くんだけど、ウヒはいつも同じところで間違えて、ついに剣で手を切ってしまう。「大丈夫か?」ってペクアがウヒの手首を見たら、たくさんのリストカットのあとが…。

 

「なにがあったのか…聞いてはだめか?抱きしめるのは?つらいときにそばにいなくてすまない」 

「あなたに会う前のことよ」

「だから余計にすまない。私が一番すまないのはそれだ。出会えなかったこと。今後は幸せにしてやりたい。私を信じてみよ」

 

これから暗殺することになってるウヒは飛び出して行っちゃうんだけど、なにこのペクアの優しさと男らしさは!このあとの行動もそうだけど、この人が一番皇子様っぽいよ。

ペクアとウヒの恋愛のいいなと思うのは、お互いがどういう素生かなんて関係なく、ただペクアだから、ウヒだから好きっていうところ。正体を知らずに、お互いの根っこの部分を好きになってるので、むしろ絆が深まっている。

 

ペクアは訳アリの女性に惹かれてばかりだけど、それは彼が皇子の家柄も含めて実は苦労してきてるからなんだろうな。大変な思いをしてきてるからこそ、大変な思いをしている人を好きになってしまう。

 

 

私を美しくしてね 

ヘスは妓生のいる教坊で働いているので、ウヒと友達のようです。

ウヒはヘスと恋バナするんだけど、ウヒはもう暗殺目前だし、ペクアのことはますます好きだし、つらいんですね。ヘスは「ペクアはいい人だから突き放さないでね」って言うけど。ウヒにはもう別れがわかってますから。

「今後近づくことはない。もうすぐ、ここを去るから。初めて出会った日、似た傷があって親しくなった。なぜそんな傷ができたのか聞かなかった。これからもやめましょう。知らない方が何かあっても迷惑がかからない。明日は合評会ね。私を美しくしてね」「もちろんよ。教坊で一番美しく」 

「一度私を見たら忘れられないように、美しくして。そんな姿を残したい…」

 

あぁオンニに続き、また「好きな人にきれいな姿を覚えていてほしい」パターン…。

そして、このドラマって本当に「覚えてる」「忘れる」っていうことにこだわりをもっているのだよな。毎回のように出てくる。起きてしまった出来事以上に、「記憶」っていうものをどう扱うかを考えている。愛しているから忘れないで、とも思うし、愛しているから忘れさせたい、とも思う。むずかしい。

 

 

 ソはヘスにプロポーズし、ウクと激突

合評会の夜。ワンソはヘスの元を再び尋ねます。かつて贈ったかんざしを渡し、「婚姻しよう」。ヘスは速攻断るけど、ヘスを皇宮から出させたいソは、その後離婚してもいいから一緒にここを出よう、と言います。

 

「皇子様は忙しい方です。出る必要はありません、それに陛下が、皇子様のことを考え心配しています」

「息子を試す方だ。父というより皇帝だ。そばにいたくない」

「…皇子様が、皇帝になるなら?それでも出ますか?」

「俺が皇帝なら、一緒に行くか?使臣は大変だったが自由なことも多かった。そのたびにお前を想った。自由であってほしいと。何にもとらわれずにお前といたい。それができぬなら、皇帝は何も俺にはなんの意味もない。一緒に行こう。俺の者だろう?」 

「いいえ、出官のために婚姻はできません」

 

ここはヘスが「ソが皇帝になる」とさり気なく示唆していることと、ソは「皇位なんてどうでもいい。ヘスと自由にただ一緒にいたい」って言っているのがポイントですかね。

ソの希望ってかつてのウクが持った希望と同じで、それは成就してないどころか悲劇を引き起こしている。ヘスはそれを学んでるから、なんとしても断る。出官のための婚姻なんて、恐ろしい。

 

この会話を、ウクが聞いてるんですよね。ヘスが婚姻を断った部分だけじゃなく「皇帝になったら」の部分もたぶん聞いてる。(この辺のウクが入り込むカットが韓国版とインターとで違った気がするけど…忘れてしまった汗)

 

ウクに気づき去っていくヘス。

 

 

残された男二人は、かつてないぶつかり合い。

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「皇子と雑仕女が婚姻を?スをからかうな」 

「俺が婚姻すると言えばする」

「スが不幸になったのは、お前のせいだ。忠州院皇后との争いに巻き込まれ、ここにきた。お前が始まりだった。それで今さら婚姻を?お前が許せぬ」 

「俺のセリフだ。ヘスの無罪を明かす全てを知らせたが、お前は何もできなかった。お前の無能さに歯ぎしりする」 

「貴様!!」

「思いやるふりをせず、無視しろ。もう姻戚でもなく、お前とは何の関係もない」

胸ぐらをつかみ合った際に、ウクが甲冑を服の下に来ていることに気づくソ。

 

ヘスの冤罪事件のことは、お互いに言い分があるのだよな…。黒幕は彼らの母であり、妹でもあるから、それぞれ後ろめたいものもあるし。まぁソは命をかけてヘスを守り、ウクは自分を殺して、家族の命を守っていて、その両方を十分理解できる人がいないのは不幸なんだけど。そして、やっぱりヘスのために命を懸けたソに分があるのも確かなのだけど…。

 

ウクからしたら、ヘスにプロポーズしたソが憎らしいし、妬ましいはずです。愚かだとも思うでしょう。一方、ソはウクとヘスの過去を知らないので、「お前に関係ないだろう」と。

ホントにね、ソは何故かウク&ヘスのことを、このあともずっと気づかないんですよ。なんでよ。頼むよ。ソは何よりもまず自分の気持ちを通すっていう人だから、そういうのが目に入らないのかな。ヘスは「好きな人がいる」って言ったのにな。ヘスがどう考えてるかも、思い込み激しいからあんま気にしてない。自分なら幸せにできると思ってる。こういうある種傲慢なとことが、時として彼のいいところでもありますが…。

 

あとは「この不幸はお前が始まり」問題ね。これ、このあとも、ことあるごとにやっているのよね。 すでにジョンは「家族がおかしくなったのは、ソが皇宮に来たせい」って言ってるんだけど(10話)、不幸の始まりを押し付け合っていく。

でも、物事は絡まって起きてるし、時間は流れ続けてるわけだから、本当は始まりなんてないと思いますけどね。数珠つなぎだから。よくない出来事を誰かのせいにしたいだけなのよね。誰かのせいにしなければ、整理がつかないほど、不条理で理不尽なことばかりだからなんだけど。

 

って、ソとウクがケンカしてる間に、ペクアとウヒは、こんなことになってるよ!

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合評会で舞を披露しながら、ウヒはペクアは皇子だと気づき、ペクアはウヒが皇帝を殺そうとしてることに気づく。皇帝を守るためというより、ウヒに罪を犯させないために、ペクアはウヒに自分を刺させます。やっぱり、この人が一番皇子っぽい。

 

これは見ていて超びっくりしましたね。「え!」って声出たw。ワンソ達のケンカとウヒが暗殺するのか、っていうシーンを交互に見せて超緊張させ、グサっとなったところで「つづく」。本当にうまいなぁって思いました(苦笑)。

ちなみにこの暗殺はワンヨと左丞が手を引いていて、具合の悪い皇帝に合評会に出るよう進言したのがウク。ウヒは皇帝を恨む心を、皇位を狙う者たちに利用されています。

 

12話は物語を仕切り直しながら、13話の下敷きも作ってるので、見直すとなかなか色んなことをやっている回ですね。

13話はまた面白いからなー。今日楽しみだな。

 

もうすぐ本国では最終回で、そっちにむけて色々まとめたいし、『麗』エントリもビハインドしたくないので、迷う。