お出かけ手帳

誤字脱字病。書いては直す人生。

『月の恋人』 20話(最終回) 人生

☆ネタバレしています☆

 

 

ついに最終回見終わりました。こんな深いドラマになるとは…。素晴らしかった。でもつらい。でもやっぱり素晴らしい。

この物語には様々なテーマが出てきましたが、描こうとしていることがここまで大きいとは、初回には想像もできませんでした。『月の恋人』の一番大枠のテーマは「人生」。そして「理不尽で不条理なこの世界を生きていくこと」。

 第1話の楽しい雰囲気が嘘のように、最終回はとても重く厳しい。

これ、感想とか気軽に書けないやつだよ。うまくまとまってない、あべこべなままですが、とりあえず。

追記:まだ混乱してるので、乱文誤字等もろもろご容赦ください。

 

第20話はヘスがソの娘を産み(!)病死するまでと、その数年後、ソが皇帝として君臨しながらも皇宮で完全に孤立するまでが描かれました。

基本的にはいいことはほとんど起きません。最後にきて今までの行いの業がキャラクター達に降りかかる。気づかぬうちに意図せず人を傷つけるパターンもあるというところまでやったので(19話)、つまりは誰もが罪を背負ってる。それだけの時間を生きてきた。大人になった、ということですね。

 

なにもかも、すれ違い、思い通りにならず、終わっていった物語。たくさんの恋は生まれたけれど、成就したとしても儚く終わりました。

いきなり不幸はやってきて、幸せな時間はあっという間に過ぎ去る。人生は選択の連続だけど、その選択を間違える。誰もが間違えながら生きている。

生きることは、怖い。

 

出官前にソの子を妊娠していると実は知っていたヘス(石の塔を作ったのはそういうことだったのよね…?ここでジョンと2回も出官の話してるの、うますぎる。チェリョンもここで「母」って言葉を出して、ヘスと一緒に祈ってる)。ヘスは出産後、体が弱ってソに会えないまま亡くなります。ソに会いたくてしかたないまま。ソは嫉妬と誤解でヘスからの「会いたい」という手紙を読まず、ヘスの死に目に会えない。ジョンはヘスに最期まで寄り添うけど、想いを伝えられませんでした。ヘスはわかっていたでしょうけど。

数年後。ウォンは逆賊に問われ、死の間際にチェリョンの遺書を読んで泣く。ペクアはウヒを亡くしたことで心を痛めたままです。幽閉が続くウクはソが高麗で最強の皇帝になるだろうと思う一方で、肺病に侵されながら、自分の愛情のありかたを後悔します。へ夫人を想う。ヨンファはソに愛されないし、ヨンファの息子も愛されない。ジモンは兄弟であり、友であり、自分にとって唯一の皇帝・ワンムを想い、皇宮を去ります。

ソは着実に絶対的皇帝に。誰も信じない。ウクが死に、ペクアは旅立ち、ソは松岳に残った兄弟の最後の一人となる。

現代に意識が戻っていたハジンは、高麗のことを夢に見ながらも、普段は忘れて生きています。でも、再び現代に来たジモンと遭遇し、高麗の絵画展でヘスとして見た風景が描かれていていることに気づく。「あれは夢じゃなかった」。ワンソは歴史通りの皇帝になっていた。よい政策をし、偉大な皇帝でありながら、血の君主になった。ハジンはワンソを皇宮にひとりにしたことを後悔し涙します。

ジモンから「ヘスは同じ世界の人間じゃない」と言われていたワンソは、孤独のなかで「違う世界に生きているのなら、私が探しに行こう、スよ」と願う。

 

私、ドラマだし、もうちょっと優しい終わり方をするんじゃないかと、どこかで思ってました。でも違ってた(泣)。楽しい日々はあっという間に過ぎ去って、皆がつらいまま。それが運命であろうと、人間の意思であろうと、起こることは起こるのです。

 

月の恋人』はハジンとソが松岳に来るところから始まります。

ソは『絶対にもう戻らない』と固く心に決めてやって来て、最後に本当にそうなりました。

 

「おじさん。百年か千年、眠りにつきたいって思ったことはある?全てがこじれて、よくなる兆しは見えなくて。そのうちよくなると思ったのに、また別の問題が起こる。どうせなら、永遠に目が覚めなければいい。全て忘れたいけど、できないの。彼氏にも友達にも裏切られた。人を信じるべきじゃなかった。私が変わらなければ、信じてる人たちは変わらないと思ってたけど、それは違ってた。どうしてこんな生き方しかできなかったのかな」

ハジンの第1話一発目のせりふは、何も変わりそうにない。一度死のうと、生まれ変わろうと、「生きるってそうことなんだ」と納得するせざるを得ないほど、物語の後半は壮絶でした。

 

ただ、希望がないわけではないんです。

まず、ジョン。この人の最後はちょっと違う。救いがあります。ジョンのことは、もう思い出しただけで泣けるんだよ。

 

ジョンはヘスを家に迎え入れてすぐ、「婚姻したのは出宮するためだから、今まで通り友達だ。安心しろ」と言います。ヘスの気持ちを知ってるから。本当は死ぬほど好きなくせに。そしてヘスに尽くします。

一緒に楽しく昔話をして、看病して、ヘスが出産すると死産だったということにして秘密裏に育てる手配をする。いい乳母を見つける。ヘスがソに「会いたい」と書いた手紙を代わりに出す。病状が悪化するなか「なんで返事がこないのかな。そんなに嫌われちゃったのかな。使者を送るのは?」って沈むへスを励ますために「使者は忘れてた。すぐ送る」と嘘をつく。もう使者はとっくに送ってるのに。

ヘスに元気を出させるため、花を飾る。松岳から歌手を呼んで聞かせる(しかも「皇帝は官女が歌ったこの曲を聞いて、彼女に恋をしたそうです」って紹介される。その曲はヘスがウンの誕生日に皇子たちの為に歌ったものでした)。

 

亡くなる直前、ヘスはジョンに娘を託します。消え入るような声で。

「ずっと前に『お前の命を私の命だと思おう』って約束してくれましたよね。覚えてますか?あの娘を守ってください。皇宮には行かせてはなりません」

「なぜそんなことを?」

「あの方はもう来ないのです」

「…スよ、来世で私のことを覚えてくれないか?」

「忘れます…。全部忘れます…。夢の中でさえも…」

そう言い残し、亡くなるヘス。それでもジョンはヘスの肩を抱いたまま、ただその言葉を受け止め静かに涙します。「忘れる」なんて悲しいけど、ヘスがつらい思いをしてきたことがわかっているから。

もっと一緒にいたかっただろうな。好きだと言いたかっただろうな。せめて来世でって思ったんだろうな。

(追記:「来世で覚えていて」ってこの時言える最大級の愛の告白だよね泣)

 

ジョンは、ヘスとソの娘を自分の子供として育てます。

 

数年後、松岳追放継続中のジョンはヘスの命日に幼い娘を連れて皇宮に来てしまう(こういうところがジョンらしい)。へスのお墓があるからです(ソはヘスの遺灰をジョンから取り上げていた)。そこで、ばったりワンソと会う。娘は少女の頃のヘスみたいに天真爛漫、というかヘスそのものみたいな子。ソを前にしたジョンは、娘を体で隠す。娘もすごくなついてる。ジョンは父親として娘を守り、大事に育ててきたんだなっていうのが、それだけでもすぐわかる。

 

皇宮を追放されていることをワンソに指摘されると、

「申し訳ありません。どうかしていました。二度とこのようなことがないようにします」

兄に対して昔のような威勢はなく、オドオドと娘を連れて帰ろうとするジョン。娘を守るためです。ジョンが子供を連れていることを不審に思うソ。

「お前の子か?お前の再婚は許したが…。年はいくつだ。だいぶ大きいようだが」

「皇帝はお忙しいでしょうから」とジョンはごまかすんだけど、娘がしてるかんざしが昔ソがヘスに渡したものだったから、ソはいよいよ怪しいと思って「子供を置いていけ」とジョンに命令します。

ジョンはひざまずく。

「私を殺してからでないとだめです!この子は皇宮で暮らさないように、と頼まれたのです。恐ろしくて孤独だから、と。ヘスが死ぬ瞬間まで心配したのは、それだけなのです」

 

ソはその子がヘスの子だって確信するだけじゃなく、たぶん自分の子だっていうのも気づいてる(と思う)。だけど、そこには触れず、ソはジョンの追放だけ解くんですね。「皇宮に来たい時に来ればいい」って。ジョンはヘスのことをいまだに想い続けて、娘まで立派に育ててるんだから、そりゃそうするよ。ソも娘に会いたいだろうし。それにジョンが育てた方が、子供にとってもいい。

「皇帝」と「父親」は両立できないから、兄弟で役割を分けた感じがします。憎み合った同腹の兄弟関係は、ヘスと娘のおかげで少し修復されるでしょう。

 

ジョンが最後に見せたのは無償の愛です。ヘスには最後まで何も求めず尽くし続けた。妊娠していると知っても嫉妬もせず、ヘスをひたすら心配してた。そして残された娘を自分の子どもとして、命を懸けて守り続けてる。

(追記:ヘスとソが最期に会えなかったのはジョンのせいでもあるんだけど、わざとじゃないし、ここまでくると「誰が悪い」っていうレベルでは見られないのだよ。好きな人がいることで生まれる、小さな闘争、プライド、虚栄心を誰が責められる?ソの誤解や嫉妬もまた、ヘスに対して責があるから、すごくみっともなく描かれているんだよね(ほめてる)。ウクだって嫉妬のせいでおかしくなったけど、その詳細を見せなかったのはワンソの嫉妬の醜態をしっかり見せるためなんだと思う。)

 

ジョンは皇后ユ氏から唯一、無条件で愛された子で、だからこそ一途に愛情を注げるんだと思うんですよね。

兄のヨは条件付きの愛、ソは愛情でなく憎しみしかもらっていないから、すごく残酷でもあるんだけど。

 

強くて(何しろ将軍だった)、優しくて、ちょっと抜けていて、ジョンがいいお父さんなのは間違いないよ。ジス君のお父さん感もすごいよくて。

ジョンはどんどん好きになったキャラだけど、一番子供だった子がお父さんになるなんて、それだけでも物語が少し明るくなった気がするよ。

ジョンがまっすぐにいられたのは運もあるけど、ともかく人はまっすぐに生き続けることもできる。彼は自分の意思で、いまだまっすぐ生きている。

 

 

あとは子供が出てきたこと自体が、希望というか。ジョンが育てるヘスの娘と、あとウクにも子供ができて女の子が出てくる。二人とも5、6歳くらいかな。

人生はつらいけど、楽しい瞬間、素晴らしい瞬間も必ずある。彼女たちはきっといまそうだし、これからも、そういう経験をするでしょう。だから、生きていける。皇子たちにもそういう時があった。ジョンとヘスも楽しかった頃の話を、物語の展開が厳しくなってきてもちょいちょいしてきたし、最終回でもしてる。

ウクには息子もいて(インター版だと話だけ出てくる)、ソとヨンファにも息子がいるけど、男の子たちは出てこない。彼らにも幸せな瞬間は待ってるけれど、そのあとの皇位争いは避けられそうにないからです。悲しい歴史は繰り返す。だから、物語には登場しないんだと思う。想像するだけでも、それは辛いことだから。もう十分それは見てきたことです。

ただ、性別に関係なく人は、生まれて、それぞれの役割を果たして、亡くなって、を繰り返す。だからヘスが子供を産むっていう展開はびっくりしたけど、なるほどなって思いました。子供たちが出てくることで、また未来を感じられる。(ウクの娘は「転生」を思わせてもいますね)

 

繰り返しといえば、「人生は儚く過ぎ去り、生きるのは薄氷の上を歩くように怖い」っていう最終回のあと第1回を見ると、高麗に来たハジンが、「ここで生きるのが怖い」って言ってる。 ループみたいにつながるんです。

そこでヘスが生きる決意をするのは、ウクの言葉があったから。

「スよ。怖がるでない。私がお前をここに連れてきたから、最後まで面倒をみるつもりだ。人を避けても変わらない。元気を出さねば。私を信じて出てみないか?」

 

「最後まで面倒をみる」は叶わなかったけど(追記:ウクなりの「最後まで」は達成してるとも言える)、それ以外の部分は、これもまた真実なんですよね。怖がっていては何も始まらない。人を信じて前に進まないと。

最終話の最後のカットが、ソがヘスを背負って楽しそうに走っているのはそういう意味なんだと思いました。

 

 本当に「人生」そのものを描いた最終回だったので、ちょっと私には手に負えないっていうか、人生には答えがないから、感想なんて難しすぎるし、あらすじすらうまく書けない。

KNの放送の時にはもう少し心の整理をして、しっかり描いてみたいな。伏線回収も最後まですごいのよね。第1話のジョン登場の際のおふざけの雄たけびまで伏線になるとは思わないじゃない…。このドラマを消化しないと、年が越せないよw。ヘスの手紙とか超泣けるから。ヘスとワンソが主役なのに、まだジョンのことしか書いてない(苦)。たぶん、本題に入れるほど、理解できてないんだと思う。でもジョンの役割はかなり大きかったです。

 

ハヌルファンとしては、プロモーションで言ってた「僕の役は高麗最高の皇子だと台本に書いてあります(笑)」の「台本に書いてあります(笑)」の意味が、ドラマの後半よくわかりました(笑)。ネタバレになるからしょうがないけど、そりゃ苦笑いしながらそう言うしかないよねw。最終回なんて、罪人&病人で、最初のキラキラが嘘のように消えて、生気ゼロだもん。見た目も声も心も、疲れ老いてました。でも一つの役でこれだけ幅広くいいお芝居が見れて満足です。大きく変わっていったウク役は本当に力がないとできない。かなり重圧があったと思います。カンハヌルは本当にいい役者だよ。ウクの人生は思うところありすぎて、ちょっとまた長くなりそうなので別の機会でもあれば。

他の役者さんたちも、皆言うまでもなく、素晴らしかったです!!どの役も、これ大変すぎでしょ(苦)。

 

とにかく、終わりました。

楽しかったし、夢中になったし、悲しかった。まさに人生。