お出かけ手帳

誤字脱字病。書いては直す人生。

『麗<レイ>~花萌ゆる8人の皇子たち~』 第14話を見たよ①

☆14話以降の展開を含めたネタバレしています☆

 ☆まずはネタバレなしで見たほうが、圧倒的に面白いです☆

 

第14話は、ワン・ムが新皇帝・恵宗になり2年が経ったところからスタートです。時間が一気に飛ぶので、ヘスとソの関係性についていくのがちょっと大変。っていうか大変でした私は(笑)。何度か見ると、慣れるんですけれどもね。13話までの時間の使い方を抑えてでも、ヘス&ソの関係が築かれる経緯をもう少し描いてもよかったのかな、とも思ったりもするけど、ここからの展開がさらに過酷を極めるので、やっぱりこれがベストなのかな。全キャラに楽しい時期がある程度必要だし、ヘス&ウクの転換期を譲位問題と絡めて描かないと、ソとの恋愛関係に突入できないものね。でも、やっぱり全話の中では、ちょっと浮いてる感じはするかもしれない(笑)。難しいですね。

 

韓国版、インター版とありますが、特にこのへんからインター版の方がほどんどの場合、お話がわかりやすいと思います。KNで更に編集が入ったとしても、後半は話が複雑になっていくので、外国人から見るとインターの方が若干親切なのですよ(だからこその”インターナショナル版”)。ほんのさじ加減の違いなんだけども。韓国版はワンソが主役になるように、インターは群像劇になるように、っていう雰囲気もあります。なんとなくですが。

私は今もなおウクが一番心惹かれるキャラなので(ハヌルファンというだけでなく、人間の生き方、内面の複雑さを一番表現しているキツい役だから)、インター版の方が好きです。インター版のほうがウクにも優しいと思う(笑)。

このドラマを好きな人なら、両方見比べるのが絶対面白いでしょうから、KNで両バージョン放送してくれることになって有り難いね!

 

  <第14話のあらすじ>

ワン・ムが新皇・恵宗として即位して2年。ヘスは茶美院の尚宮となっていた。ソとの関係は友達以上恋人未満が続いているが、明らかに親密。ソはヘスにプロポーズしたいようだ。

ウクは譲位の貢献者として、新皇帝の側近中の側近。政の中心に。

恵宗は専用の浴場に水銀を入れられており、実は中毒状態。これはウクの企みで、ウォンが間に入り、チェリョンが実行犯。皇帝が精神的に弱り切ったところで「譲位しろ」とウクは皇帝を脅す。

ノイローゼ症状で、もはや普通の精神状態でない恵宗。国崩壊の恐怖から、人質として幼い娘を契丹へ養子へ送ろうとする。が、過酷な養子経験のあるソが止める。その条件は、恵宗の娘との結婚。ソはヘスに婚姻を申し込むのをやめる。

ソは次の皇帝の指名も受けることに。

ヘスはソの婚姻話をウンから聞き、ショックを受ける。ソはヘスに何の事情も説明しないため、二人の関係に距離が生まれる。

ソに斬られ崖から落ちたワンヨは生きていた。大喜びの皇后ユ氏。皇位を諦めず謀反を企むヨと、皇帝の娘と婚姻するソに挟まれ、複雑なジョン。

夜間の外出を破ったジョンは、警備をしていたソに追われ茶美院へ逃げ込み、ヘスは毅然とした態度でソを追い返す。ジョンから「兄弟で争うことになれば、誰の側につくか選択を迫られるぞ」と言われ、「誰の味方もしない。誰も傷つかないようにする」と返すヘス。

後日、ソとヘスは婚姻とジョンを匿った件について正面からぶつかり、それぞれの事情を正直に話して和解。「今後はお互い嘘をつかない」と約束する。ソはヘスに「愛してる」と言い、二人はキス。

ウクはヨの訪問を受ける。ウォンはウクからヨにあっさり乗り換えていた。謀反をするワンヨ側につくしかないウク。ウクは家とヘスを同時に守るため、人としての一線を更に超える。

反乱を起こしたヨ。茶美院にいる恵宗を目指し兵が押し寄せる。中毒で吐血したうえ、ヨに浴槽に突き落とされて恵宗は溺死。駆けつけて怒りに震えるワンソだが、ヨは「皇帝が既に水銀中毒で死にかけていた。犯人はヘスだ」。またもヘスに冤罪。「死んだ兄上に忠誠を見せこの娘と死ぬか、俺を認めこの娘を連れて帰るか」とヨに選択を迫られるソ。

 

 

14話は大きく分けて、ソとヘスがはっきりと恋愛関係に発展すること、ジョンとソの確執が徐々に深くなる予感、そしてヨの反乱がメインですかね。あと、ソの婚姻も大きいかな。

このあたりから、序盤の伏線を思い出させるようなエピソードもさり気なく入れていますね。

あらすじではワン・ムを恵宗としましたが、紛らわしいので以下はワンム。

 

この2年みんなどうしてた?

時間が一気に飛ぶので、各キャラがこの2年どうしていたかが序盤で描かれます。

お話は2年後の、ヘスの誕生日からのはじまり。誕生日っていうのは、この物語の大事なモチーフの一つですね。

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ヘスは茶美院の尚宮になっています。皇帝の病に一番詳しいのはヘスなので、まぁ納得ですね。部下にも厳しく、オ尚宮マインドは継承されている模様。この頃には漢字の読み書きも出来ており、ハングルでも書き物をするヘス。

小間使いだったチェリョンは、茶美院の官女として再登場します。

拷問の際に負傷した足のための膝当てを、誕生日プレゼントとしてヘスに渡すチェリョン。プレゼント/贈り物も、このドラマで超大事なモチーフ。

お礼とともに「だけど、最大の贈り物はお前が茶美院に来たことだ」とヘスは言います。チェリョンは「ウクがヘスを想い、私の入官を取り計らった」と説明。ヘスはそれを聞いても反応しません。ウクへの気持ちは離れてしまっているからね。

インター版だとこのあと更にチェリョンは「皇子様のお嬢様への想いはご存じですよね?」と言います。恐らく、チェリョンはこの説明を受けて、茶美院に来たのでしょう。まぁ100パーセント嘘か、っていうとそうでもないし、でも完全にヘスのためだけか、っていうとまた違う。ウクの選択理由は、いつも一つではない。

 

チェリョンはヘスの信頼を得て、ワンムの浴場管理をするヘス以外の唯一の官女なんだけど、ここで彼女は湯船に水銀を入れてるんですよね。この指示を直接しているのがウォンです。

この描写も韓国版とインター版で違う。韓国版だとウォンが「鏡を作るのに水銀が必要そうだから送った」って言って、「はい、受け取りました」ってチェリョンが気まずそうに言うと、ウォンが不敵な笑みで返す、っていう仄めかした描写。

一方、インター版だと、チェリョンが風呂用の薬草袋になんかこそこそ入れてて、そこにやってきたウォンが「陛下に仕える褒美だ」と彼女にお金を渡しています。わかりやすい。チェリョンは「受け取れない」と言ってるので、これはお金のためにやってるわけではないということですね。でも、チェリョンが個人的に皇帝の命を脅かす理由もない。ウォンは逆にお金で人を動かしてることを解決しようとしてるわけですが…。

ワンムは「風呂に入るとだるい。記憶があいまい」ってヘスに水銀中毒と思われる症状を訴えるんだけど、「太医が寝不足だって言ってた」ってヘスは取り合わない。これって茶美院の尚宮としては、かなり大きいミスなのよね。ワンムは見るからに、様子がおかしいもの。チェリョンの挙動不審にも気づかない。

 

ペクアとソもヘスの誕生日を祝います。ブルガリアからのバラ油を送るペクア。さすが、ヘスの好みを考えてイケてるプレゼントができる、皇子らしい皇子。あ、ちなみにペクアは、この前後にウヒと再会しています。

ソは何をあげればいいか決められず、手ぶら。

「官女の誕生日に皇子が来ただけで贈り物だ」 

「そうです。官女が生まれただけで大きな恩です」

この会話で、この二人はお互いの存在自体をかけがえがなく思っており、かつ憎まれ口をたたけるほど親しいってことがわかるね。モノなんかいらないのよ。

 

ヘス、カシオペア座について語る

ソはジョンへの嫉妬を語る

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誕生日プレゼントを渡せなかったソは、ヘスを星を見に連れて行きます

 

ジモンの影響でソは星に詳しいんだけど、ヘスは現代人として星座の知識を披露。星の名前とかも当時と現代では違う。

「はじめから間違って教わったのです。あのカシオペアは、絵チオペアの王妃・カシオペアが、自分の娘が海の妖精より美しいと自慢し海神に罰を受けたのです。ほら、逆さの椅子みたいでしょう?虚栄心を捨てろと、1日半分は空で逆さになる罰を 」

 

これ、初見でぼんやり「なんでヘスはカシオペアの話したのかなー」って思ったんです。だって、時間的にカツカツだし、無駄なセリフもエピソードも入れられないはずだから。このあとジョンの話につながるにしても、ちょっと流れが悪い。

 

14話で虚栄心にわかりやすく問題があるのはヨ、ウク、ウォンあたりですが、改めて見ると、カシオペアのくだりはヘスのこと言ってる気がするのですよね。

ヘスは自分をよく見せようとしてるわけじゃないけど、現代人として若干の自信過剰気味であり、自分には「人や歴史を変えらる」ってまだ思ってるところがある。

ワンムの異変に気付かなかったり、このあとソの婚姻話が出るまで「あの人のことはなんでも知っている」と思い込んでいたり、ウンを待ち受ける悲劇を止められるってどこか信じていたり。ヘスは、その自信で色々やらかすんだよ。

「はじめから間違って教わったのです」っていう発言自体も、実は「私の方が正しいことを知っている」っていう、ヘスの慢心を表しているのだよね。

これはヘスだけの問題というより、誰もが持ちうる普遍的な人間のよくない部分なのだと思います。虚栄心と慢心。

ヘスはもともと心が聡い子だけど、これから結構迷走していく。

 

で、カシオペアの娘の比較の話から、今度はソが子供時代に感じたジョンへの嫉妬を語りだす。

「幼いころ、久ぶりに母上に会いに行った。母上はジョンを膝枕して昔話を聞かせていた。ジョンがいなければと思った。その場所を俺のものにしたかった。そんな俺の顔を見て、母上はジョンを隠した。俺が兄弟を殺すとわかっていたのか…」

 

ソの顔に傷をつけた事件のあとに生まれたジョンは、皇后ユ氏にとって皇帝に再び愛された象徴なのですよね。だから無条件にジョンは母から愛されたわけです。末っ子なので、皇位も期待されてない。ただいるだけでいい。ソはジョンに対しかなり嫉妬心があるのだよなぁ。

でも、この話を言語化できてる時点で、結構ソの心の傷は癒されている、というかヘスに癒されてますね。ヘスは「みんなそうだよ。弟が生まれた時、私もそうだった」って慰めるし、「お前に話すと俺の問題が軽くなる。だから会うしかない」とソも言ってる。

 

ここまで親しいながらも、ヘスはソをお預け状態にしています。2年って結構長いと思うよ(笑)。ただヘスも皇宮で辛い事件が続き、ソもずっと不遇の人生+ヨを殺した(と思っている)っていう傷があるので、そのあたりから気持ちを切り替えるのにはそれ相当の時間がかかるのもわかる。

 

ヘスは以前ソに「人は誰でも、最も辛い時にそばで応援してくれる人を大切にします。唯一の味方だと思います。そういう人を友と呼びます。友情も愛情も全て情ですが、違います」と言ったのだけど(10話)、事件を経て、ヘスもまたソに対して色んなものが混ざった情を抱いていると思います。ヘスとソは一般的な恋愛関係とは違う。でも友では到底片付けられない。名前がつかない愛情。

 

やっと穏やかな時間を過ごす心の余裕ができた二人。ソは、ヘスの次の休みの日に「願いの石積み」に行こう、と誘います。「大事な話がある」。プロポーズ!

願いの石積みは、ヘスはソを慰めた思い出の場所ですね。(これって実際どこにあるんだろう。ウクの家にあると思ってた)

 

 「どうやら、時が来たようです」

一方、ヘスを逃したウクは虎視眈々と皇位を狙っています。

ワンム譲位の功臣であるウクは政の中心に。皇帝を水銀で弱らせて議会にも参加させず、代わりにどんどん話を進める。ここでやろうとしていたのは、「皇軍に私兵を吸収させ、豪族の力を弱めること」。皇位において、豪族がどれだけ影響力があるかわかっているからですね。外戚に後ろ盾がないワンムのためだけではなく、自分が譲位を受けた時のことを考えているのでしょう。

ウクはこの2年、政治にどっぷりつかっている感じ。皇位をとるしか、この人の生きる希望は今ないわけだから。

 

これは韓国版にしか出てこないと思うけど、皇帝不在の議会のあと、ソはウクの強引なやり方を諫めてます。ウクが摂政になるのをソが止めた、とも。ワンソはムの譲位でウクの動きが怪しかったことを、未だ疑っている様子です(そして、その疑いは正しい)。

 

で、ワンムが水銀中毒の症状が本格化したところで、ノイローゼ状態のムの枕もとで迫るウク。この時のウクの顔はめちゃくちゃ怖いです。

「陛下、どうやら時が来たようです。そろそろ私に禅位を」

後ろ盾のないムがジモンに「ムは龍の息子だ」って噂を流させたり、ムの皮膚病のことも、ウクは知っていると脅す。

「禅位してくださるなら、余生を安心して暮らせるようにします。皇位は重荷です。皆の為にもう重荷をおろしてください、兄上」

ウクの裏切りの言葉に、ショックしかないワンム。兄上って言われちゃってるし…。

 

ウクの皇位へのプランAは、ワンムを殺すというよりも、弱らせて皇位を譲らせるっていうものだったんだと思います。水銀を盛ってる時点で超とんでもなく悪いけど(苦)、殺しちゃったら逆賊なので、あくまでも譲位はワンムの意思でもらいたかったはず。「傷のない皇帝」を目指しているのでね。かなり強引だけど…。だからこそこの時点では、ウクの服はまだブルーなのよね。(まぁ長期にわたり毒を入れられてるので、どっちにしろワンムはもはや長くは生きれない…ってやっぱウク悪いね)

 

ワンソ、ムの娘と婚姻決意

追い詰められたワンムは、完全におかしくなっちゃって(幻聴や幻覚もある)、幼い娘を契丹に婚姻相手として送り出そうとします。契丹って時々出てくるんだけど、高麗の国境となりにある国で、よくバトってるんだよね。そんな危険な場所に娘を送るって、異常な不安感の表れ。

ジモンもさすがに「これはどうなの?」って言うし、ソは自身が養子先でひどい目に遭っているのでワンムを止めます(ソの子供時代の回想が入るんだけど、ソの虐待され具合が半端でない。しかもそれを指示してるのは皇后ユ氏。ワンソはよく生き延びたと思う)。

 

娘は泣いて嫌がるし、ジモンにもソにも娘の婚姻を止められたムは「じゃあどうすれば?」とソに迫る。

「お前に何がわかる!毎晩刺客が迫り、安心して眠れぬ。信じていた者は毎日、『禅位、禅位』!皇位を降りろ、と騒ぐ。このままでは死ぬ!皆死んだら、誰が我々を守る!? …お前がするか?お前が皇女と婚姻して、我々を守るか?」

 

ワンムはかつて大将軍から「拳の強さに比べ、性格が温和です。皇室の政争にどれだけ耐えられるか」って評されていたけど(7話)、水銀中毒も重なって、いよいよキャパの限界まできています。ウクにも裏切られ脅されているし、頼りはソしかいない。

 

ソは皇女とワンムを守るため、婚姻を決意します。

ただ、そうなると、ヘスとの婚姻ができなくなる。まさにプロポーズしようとしていたところだったのに。

 

好きなものに背をむける

「大事な話があるから会おう」と言われた日、ヘスがおめかししてソに会いにくるんだけど(ソからもらったかんざしをさしてくる)、ソは「大事な話?なんだっけ?なんのことか忘れた」とはぐらかす。何も言えなくなってしまう。

でも「せっかく来てもらって申し訳ないから、別のことを」と、皇宮にある湖にあるボートにソがヘスを乗せます。

 

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このシーンは本当に美しいね。

 

「気になっていたのですが、これは皇子様の舟ですか?」

「皇宮に初めて来た時に手に入れた。舟で出れば、人の顔色を見ずにすむ。俺が皇宮で一番好きなのはこの舟だ」 

「一番好きなのに、乗っているところを見ません」 

「とても好きすぎて、頻繁に乗っていると皇宮を離れたくなくなりそうでな。わざと乗らなかった。…何をじっと見てる」

「好きなことからわざと背を向ける気持ちを考えました。もうその必要はないのでよかったです」

「…すまない」

「何がです?」

「大事な話。お前にすると言った話を忘れて」 

「すぐに思い出しますよ。ゆっくりで構いません」

 

これはソの孤独な幼少時代の話でもあるけれど、もちろん、ソとヘスが婚姻できない話とダブってる。ヘスは「プロポーズされるな」って心づもりできたけど、ソの様子で「あ、なんか事情があって、プロポーズできなくなったんだな」ってわかる。この辺は、まだ聡い。だから「大丈夫。待ちます」と伝えているわけです。

 

あとは、「好きなもの(人)に背を向けざるを得ない」というのが、話されているのも重要ですね。ソは今まで愛着を避けて生きてきたけど、ヘスっていう一言ではくくれない情を捧げる人を得てしまった。しかもヘスも同じように思っている。だけどそこまで愛情があっても、背をむけざるを得ない事情がこれから生じてくる。そこにはいつも皇位と人命が関係しています。今もまさに、ソはヘスに背を向けざるをえない。

これを先に経験したのがウクですね。

 

ジモンに「よく婚姻を決断した」って言われるソ。

「俺が皇女と婚姻すれば、忠州と信州の外戚が俺が皇位に就くと錯覚する。自然にほかの豪族も抑えるゆえ、陛下に対する攻撃が減る」

皇女との婚姻は、ワンムのプレッシャーを引き受ける意味もある。自分の自由が奪われます。

「まだ解決せぬことがある。こうして首輪につながれ、再び兄上を守る犬になるのか。これが俺の運命か?好きなことに背けて生きるのはうんざりなのに、いつもうまくいかない。言ってみろ。どうすれば首輪をはずせるか」 

「多くの人は主人にかみつき、主人の家を奪います」 

「謀反を起こせと?」

「まさか!陛下をお守りくださり、感謝しています。…そう長くはありませぬ」

星を見上げるジモン。

 

ジモンは未来を読める人で、このあと起こる悲劇も知っている。だからこそ、ワンソに感謝します。ムの味方になる皇子が一人でもいてくれるのは、ありがたい、と。15話でハッキリわかるんだけど、ジモンとムは子供の頃からの幼馴染でもあるんですよね。だから、ムに対しては思い入れが実は強いのです。ソとムをいつも繋げているのもジモンですし。

ジモンはソが皇帝になることもわかっているので、「首輪」をはずす方法を仄めかします。

 

 

 ワンソ、次の皇帝に指名される

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娘がワンソと婚姻することになり、心の安定を取り戻したワンム。

もうウクに何を言われても、怖くない。ムの変化に気づくウク。

 

「ワン・ギュからの上奏です。『すでに2度も陛下に先皇の第4皇子ソの処断と追放をすすめました。これはその兄ヨが陛下に不忠であり…』」

「もうよい。どうせ上奏の意味はウクへの禅位だろう?聞く必要はない」

 

初見では逃してたんだけど、ウクはワン・ギュとも結託してたってことなんですよね。ワン・ギュっていうのは第10皇子ワン・ウン外祖父で有力豪族。このあとワン・ギュ一族を潰さざるえない理由が、ここではっきりわかったわ。いきなりヨに寝返るからには、こっちを裏切るしかないっていう。ただ豪族として有力だったからってわけではない。なるほどな…。

ウクは自分の譲位だけでなく、ライバル視しているソを何度も排斥しようと動いていた。ワン・ギュも孫・ウンはどう考えても皇帝向きじゃないから、ウクと手を結んでたのでしょう。それで恩恵を受けた方がいい。

あぁ民に施しをしていた皇子様が、豪族のしがらみにまみれるとは…。

 

「陛下にひどく誤解されたようです。私は陛下の重荷を下ろそうと、忠心で申し上げました。ご立腹ですか?」 

「いや、お前の言う通り、重荷を弟と分かち合う」

そこに現れるソ。 

 

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「ソが朕の娘と婚姻することになった」 

 

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「はい?」驚くウク。

 

「皇女とはいえ、まだ幼く家庭を築けぬゆえ、側室でもよいと」 

と言うワンムに、笑顔をつくるウク。

「ウクの忠告通り、もうすぐソに禅位する。皇帝の弟で娘婿ゆえ、これ以上完璧なものはおらぬ。違うか?」

禅位については、ソ、ウク共に驚くものの、笑顔をとどめるウク。

 

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「もちろんです、陛下」 

ウクは「婚姻おめでとう」とソにも言う。

 

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「こんな男を逃し、泣く女がいないか心配です。違いますか陛下」

 

黙るソ。

 

皇位を狙うウクが動揺しつつも笑ってるのは、ソが「皇位の為にヘスを捨てる」っていう、自分と同じような過ちを犯したと思ってるからなんだよね…たぶん。

ただ、ソとウクではやっぱり根本的なものが違う。それは、この選択にソは後悔がないということです。ヘスの命も脅かされていない。

ウクはヘスの命が危ないなか、家を選びずっと後悔しています。それで完全に自家中毒です。その後、ヘスに「一緒に遠くで暮らそう」と言われても、もはやその話に乗ることができなかった。

 

さぁさぁ、そろそろアイツ(ヨ)が帰ってるくわけですが、もしワンヨが戻らず、ソの譲位が実現していたら、ウクはどうする気だったのかね。笑顔があるってことは、計画が何かあったのかな。ソも豪族の後ろ盾はないからね。

 

 

実際に起こしたウクのプランBは、恐ろしいものなのですが…。

 

つづきます。