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お出かけ手帳

誤字脱字病。書いては直す人生。

『麗<レイ>~花萌ゆる8人の皇子たち~』 第15話を見たよ②

テレビドラマ 月の恋人

☆15話以降の展開を含めたネタバレしています☆

☆まずはネタバレなしで見たほうが、圧倒的に面白いです☆

 

続きです!一回書いたのが全部消えちゃって泣いたよw。

KNで韓国版が始まりましたが、何がいいって、字幕の精度が明らかに上がっている!これでまた解釈が変わるかも。字幕のためだけでも、また見直したくなった!

(追記:精度上がってる!と思いきや、そうでもないのかも…。意訳が多いので、よくも悪くも解釈がかわりそう。字幕は難しい)

 

 

15話もまた韓国版とインター版でシーンの順番が違うんんだけど、後半は韓国版でいきます。こっちのほうが流れがいい気がする。2パターンあるって、ホント罪作りよね(笑)。

 

正直になれなかったヘス 

 

 

「皇帝に呼ばれたと聞いて何か起きたかと」とソはヘスに会いに来ます。 

「殺したり追い出す気はないようでした」 

「俺を動かす餌か。まあいい。それでもお前が安全ならいい」 

「あの…探していた方はどうなりました?」

「実はウンを探してる。皇帝は殺すつもりだが、何とかして逃がす」 

「はい…」

「心配するな。必ず見つける」

しかしこの時、ヘスの脳裏には、ソがウンを斬るビジョンが。ソから目をそらしてしまうヘス。

 

第14話で、ソとヘスは「互いに嘘をつかない」と約束しますが、それが早速破られます。ソは正直にウンを探し殺す話まで出ていることをヘスに教えるけれど、ヘスはウン達を匿っていることを言い出せない。

「自分がいいように使われてもへスが安全ならいい」と発言しているので、ソのことが心配なのはわかるけど(ヘスのためなら何でもする覚悟がある、と受け取れる。確かにこのタイミングでこの発言は怖い)、でもヘスはこの時、ワンソの様子をちゃんと見てない。目の前にいるソではなく、自分の頭の中の恐ろしいソに心が引っ張られています。

もし、ワンソがおかしな様子だったら、正直に言えなかったことも理解できるかな…って見ることもできたでしょうが、このソの描き方は明らかに違いますから。

 

ヘスが正直になれなかったことが、結果的にヘスの見た悪夢を現実へと導きます。未来を変えることはできず、むしろヘスの行動は運命に組み込まれてしまっていた。なんという皮肉。

 

 ヘスの葛藤は誰とも共有できません。ジモンは未来を読める人物ですが、「何もしてはいけない」っていう人ですしね。対するヘスは「誰も怪我させたくないし、自分の行動で人を守ることができる。未来は変えられる」って心底思ってる。

ヘスは、ソが好き。そこは間違いない。14話できちっと恋愛関係にまで発展させてますし。ただ、ソが血の君主と呼ばれる皇帝になるっていう葛藤を一度やってる最中に、ヘスは冤罪かけられたりオ尚宮を亡くしたりでそれどころじゃなくなった挙句、それでも大変な時にそばにいてくれた大事な人だから…っていう流れできていて、この問題を先延ばしにしきてた感もあるのよね。

ヘスは「自分のせいで誰かが傷つく」ことを最も恐れています。だからこそ、この人命のかかった選択に迷う。このあたりの心情は16話で語られます。

 

 歴史は変った…ようだ

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ジモンを訪れるソ。

「第10皇子様の星が皇宮で輝きました。もう一度捜索を」 

「すでに探した。茶美院にも行った」

「そんなはずは…」

「どこまで信じればいい?ム兄上の死や第三皇子の皇位継承を、察していたのか?」 

「わかっていても口を出せない者の気持ちがわかりますか?天罰を受けるのですよ。…でも、第三皇子のことは私も驚きました!本来、逆賊の星だけ持っているので 何か異変が起きたのでしょう。第三皇子を皇帝にした異変は一体何か…気になります」

 

ジモンは、第9話で浦に送られることになったワンヨに「皇子様は正胤の座を狙われてきました。もうご自分の座にお戻りください」って言ってたんですよ。これって「あなたは皇帝の器じゃない」っていう意味なわけで。でも、それがひっくり返った。(そもそも、ジモンの星読みってどういうシステムなのかな…。)

いずれにせよ、歴史は何かしらの理由で変わった、ということが示される。そしてその異変分子とは明らかにヘスです。

ヘスが皇子達に関わったことで、歴史は変った。じゃぁウン夫妻は?ソは?っていうのがドラマ的には一応どっちに転ぶか分からないようにみせている。初見のときのヒヤヒヤ感って、本当に半端なかったなー。ドラマなのに「頼む!助かってくれ!」って思って見てました(本気)。

 

ここで、ソがジモンの言葉をもっと信じていれば…なんですが、この時ヘスがウンを匿ってる可能性なんて全く考えてないですからね。ヘスを信じ切っている。

ヘスもオ尚宮の言葉よりウクを信じて悲劇が起こったけど、この物語は若者たちがメンターの教えを選ばないっていうことが多いのよね。そこが興味深いところなんだけど(物語のひとつの定型)。で、あとから気づくっていうね。どんなに人から言われても、自分で痛い目みて悟るしかないっていう。それが人生ですね。

 

「第4皇子に気をつけよ」

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私邸で一人、思いつめたようにささやくウク。

「第4皇子に気をつけよ…。第4皇子…ワンソに気を付けろ…」 

そこにヨンファがやってくる。

 「兄上?」 

「ヘスが言ったのだ。『第4皇子に気を付けろ。行く手を阻んではならぬ』と。その通りだ…すべて手にしていく。どんなに私が努力しても、全てソのものに…なぜだ?どうすればよいのだ…?」

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かつてないほど絶望的な感情を見せる兄に、ヨンファはとまどいつつも何やら考えている様子。

妹は兄を、ちゃんと見ている。

 

「ヘスが言ってた」って言うのは、第9話でソがウン夫妻を殺すビジョンを見たヘスが震えあがってウクに言ったアレなんですけれども。

 

これは「皇子様はワンム殺しに関係ないですよね?」「私には何も落ち度はない」っていうヘスとの会話を受けての反応と思われ、いよいよウクはノイローゼっぽくなっちゃています。

だけど、素直に考えたら変なんですよね。だって「全てソのもの」かというと、この時点でそうは全く言えない。ソはウン夫妻殺しを命ぜられるっていう窮地に立っているわけですから。

ウクは今よりもっともっと先のことを見ているのです。そしてこのままいくと「全て持っていかれる」という実感が切実にあり、ここまで追い詰められている。全て、というのはヘスの心と皇位ですね。

 

「ウクはヨの反乱の際、ヘスの命を助ける為、わざとソにヘスを守るように仕向けた」っていうのが私の解釈なんですけど、逆賊になってまで家族とヘスを守ったのに、ヘスは取り戻せそうにない。ウクの頭なら、その選択をすることで、たぶんヘスを取り戻せなくなることは心の底ではわかってたはずだけど…。もしかしたら、心の聡いヘスなら自分の意図を汲んでくれるかもしれないっていう一縷の望みがあったのかな。だけど、ヘスと話してみて「完全に断たれた」って感じた。

じゃあウクの欲しいもうひとつのもの、皇位は?っていう話なんだけど、ここでヘスの「警告」がでてくる。

 

警告の言葉通りの内容は「ワンソは危険である」。しかし、ウクはなぜヘスがそれを言ったか、その真意を察してしまっています。ヘスの心にあるソの未来に、気づいている。

気になっていた「ヘスの警告」を久振りにウクが思い出すシーンなので、「あ、やっと出てきた」「このヒントで何か建設的な転換を!」って初見では願ってたんだけど、そう甘くないのよね、このドラマは。

 

よくよくこの時の状況を考えてみると、ワンヨの今の後ろ盾はシンニョムおじさんと母方のユ氏。嫁は後百済系で、こちらも力がある。最強です。でも、逆賊だし、新規参入の後ろ盾ばかりで、まだグラついた政権。

ソは自分の一族や他の豪族の後ろ盾はないけれど、大将軍とジモンという、多くの人を動かす力をもつ人物が味方になっている。これは大きい。しかもなんだかんだで、皇帝の同腹の弟。

じゃあウクは?ってなると、後ろ盾は自分の外戚しかいないし(近しかったワンギュやパクスルヒも追放してしまった)、その外戚さえ今失望させている。逆賊ですから。

 

たとえ、ヨが落ちても、自分よりソの方が既に皇帝に近い場所にいるのです。

ウクがどんなに犠牲を払い努力しても、ヘスの心だけでなく皇位までも、ソが手にする可能性の方が高いことが、この時点で見えてしまう。しかもヘスはウクに「全てを望むな」と言ったのに。

ヘスの「警告」は、本当なんだ…とウクは絶望するしかないのです。

 

このシーンってとても短いんですけれども、ウクからしたら本当に最悪としか言えない流れですし、「どうすればいいんだ…」って途方に暮れるのもわかる。希望を見出すのが難しい状況です。一体俺の人生なんだったの?だよ。元々は誰よりも優しく良識を持った皇子だったのにね。しかも、その良識を完全に捨てきれないから、余計苦しいんだよな。このシーンのあと、家族会議で泣いてるウク見直すと、更に気の毒さ増すよ。

まぁ、何をどう言っても、ウクが人の道に背いたことは間違いないんだけど。。

 

「 好きな方を信じねば」

茶美院を訪れた(というか、ヘスに会いに来た)ジョン。官女に変装していたスンドクでしたが、その異常なまでの俊敏さでジョンに正体がバレてしまします。そして、ウン達を逃す手助けをすることになるジョン。

作戦会議。警備が増える一方の皇宮。

皇位を奪った故、怖いのでしょう。あんな人と同腹とは…恥ずかしいです」と、ジョン

 

「ジモンの飛行翼が欲しい。せめて穴でもあればなぁ」というウンの言葉に、かつてウクと逢引していた浴穴を思いだすヘス。 

「外に通じる道があります!」

このヘスの提案がまた…。天の意思なのか。

 

ヘスが隠れ部屋から出ると、スンドクが追いかけてきます。

「スよ!父上に挨拶したいのだが、ジモンから連絡できぬか?」

「危険です。第四皇子と近しいので」 

「以前も感じたが…なぜ第四皇子を信じないのだ?親しいのに」

「それには理由があるのです」

「我々のためたなら有り難いが、何か違う気がする。第4皇子様は荒々しいと噂されているが、理由もなく捕らえぬ。何がされたわけでないなら、好きな方を信じねば」 

「そうですね…夫人の仰せの通りです。何もされていないのにバカみたいです。ジモンのところへ行きます」

 

ここの会話であっけなくヘスが、「ジモンのとろに」って言うのが、一瞬引っかかっただんだけど、このスンドクが言ったのはヘスが一番聞きたかった言葉ですよね。もう心はほとんど決まっているのに、不安が邪魔して前に進めない。こういう時に「誰かが背中を押す」っていうのは何よりも有効で、それがヘスにとっては一途でまっすぐなスンドクでした。純真な正論。しかも、命が狙われている張本人が、「ソは信用できる」って言ってくれてる。

それに、いつもはヘスもこういうまっすぐ正論タイプだし、スンドクが言うことがストンと心に落ちるわけです。

 

偏見、いらぬ心配、不安、邪推、疑念…そういうったものが、いかに人の心を曇らせるか。ヘスは本当ならさっさとソに正直になるべきだったんだけど、口で言うのは簡単だけども…って話なのだよな。ヘスも「バカみたい」って言ってるし。でも、難しいよ。

「恋慕と信頼は違う?」ってへスが悩んだあとに、「いや、それ一緒でしょう」ってスンドクが言ってくれるのがこのシーンです。

 

「誰かを好きな気持ちは間違えません!」

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塞がれた浴穴の通り道を復活させるため、積まれた岩をどけるジョンとスンドク。

スンドクが長い髪を邪魔そうにしていると、ジョンがスンドクにかんざしを差し出します。ヘスに匿ってもらった時に(14話)、図らずも手に入れたヘスのかんざし。

「必ず返してくださいよ」

「新しいものではなさそうね。恋慕している女性のもの?」

照れまくるジョン。

「武芸しか知らぬ方が魅せられるとは!どんな方か気になります!」

「私の為に命を懸けた方です。身を投げ出して私を救った」

画面はヘスがジョンを救った4話の回想のあと、今度は7話のウンの誕生日にヘスが歌うシーンが入ります。

「最初は歌う姿を見て…それで気づきました。この人にいつも私の為に歌って欲しいと思ったのです。その気持ちが、好きということですか?」 

「間違いありません!私も経験したのでわかります!」 

 

これ、ホントうまいなーと思ったのは、伏線を思い出させながら、伏線を作っていること(ウクがヘスの警告を思い出すシーンなんかも「伏線を思い出させながら、伏線を作ってるんだけど)。

 

まずヘスのかんざしから始まって、かつてヘスがジョンを助けたことをリマインドさせるだけでなく、あの誕生会の映像を自然に出している。ウンはこの15話の前半で「ソ兄上が誕生会で…」みたいなことは言ってるんだけど、ここでハッキリ画として見せます。あの誕生会は本当に色んな意味があるんですよね。なにより、16話のウンの決断の伏線になってるし、あの時ヘスは「これから兄弟の間でどんなことがあっても、仲良く過ごしてるこの瞬間を忘れないでね」って思ってるんだよなぁ。だから視聴者も、思い出さなきゃいけないわけです。この兄弟殺し危機のタイミングで。

 

そしてジョンが「(ヘスが)歌う姿を見て自分の気持ちに気づいた」って言ってることね。これってソが自分の気持ちに気づいた瞬間と同じです。あぁ兄弟(そしてあの時、もう一人の同腹、ヨは歌の場にいなかったのも納得)。見直すと、確かにジョンは完全にトローっと見入ってて「私の誕生日の時に歌ってください」ってヘスに頼んでます。

あとは、誕生会での歌の場面にスンドクもいなかったということ。みんながヘスの歌を聞いてるのを、スンドクは遠くから見てるっていうカットがあるけど、ジョンは誕生会にもヘスにもこの恋バナでは言及してないから、ジョンが誰が好きかっていう話にはならない。

 

ジョンの恋心って何気に誰にも気づかれてないのよね。まぁウクはさすがにわかってるでしょうけど。「姉上!」って最初ヘスにまとわりついてたから、後でわかるけどペクアすら気づいてない。誰もが、思いもしない気持ちを、胸に秘めていたりするのだよなぁ。

 

で、今度はスンドクが自分の恋心を語る。

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「姉上が陛下の妃になった日 豪族の功臣の娘たちと遊びました。当時から私は鎧が楽な娘だったので、ほかの子には妙に映ったでしょう」 

戦場のほうがましよ、と一人でぽつんといるスンドク。そこにやってくる男の子。

「花指輪は嫌いか?」

スンドクは自分の汚れた手を見て、うつむきます。

「おかしいな。かわいい子たちは好きなのに。だからお前も好きなはずだ」 

笑顔になる、子スンドク。

この男の子こそ、ウン皇子様。

 

「誰かを好きな気持ちは間違えません!だから頑張ってください。応援します」 

気合の入るジョン。

「私の初恋は叶いました。そんな私が応援するゆえ、必ず叶います」

「(よし!)ファイティン!」

 

スンドクがなんでウンをそんなに好きなのかって謎だったんだけど(いや、ウン皇子様もいいんだけどw)、それにしたって、あーなんてかわいい話なの!しかも結婚を連想させる「指輪」をあげているっていう。

スンドクこの時いくつよ?もう物心つくかつかないか、っていう歳からずーっとウンが好きっていう。気持ちに揺らぎがない。婚姻した時なんて、拒否られて、ひとり床で寝るハメになって、それでもウンの眠る姿見て微笑んでたのよね。

スンドクは「私の初恋は叶った!」って宣言しています。ウンは決してストレートに愛情表現をしてこなかったのに。最近はなんだかんだで、スンドクが好きなのはバレバレだけどw。この時代だし、好きな人と婚姻したっていうだけでも、初恋は叶ってるのよね。それに、彼女はウンからの見返りを全然求めていない。

 

スンドクから応援を受けたジョンは、やはり見返を求めない愛情を与えていく人になっていきます。あぁこの時「必ず叶います」って言われてるんだな…。

 

ゴロツキに助けてもらった時もそうだけど、誕生会の頃のジョンは子供なんですよね。このドラマは年齢がほぼ出てきませんが、ワンソの即位あたりで25歳っていう数字が出てくるから、あの時のジョンはもう考えるのも恐ろしいほど子供だったはず(笑)。

 

スンドクとジョンは、子供時代からの想いを変わらずに持ち続ける。自分の好きな気持ちを間違えない。多くの人は「自分の好きな気持ちを間違え」るので、すごく希少な人たちです。

 

泣くヨンファ

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ヨンファはすんごい着飾ってヨに会いに行きます。ヨからもらったデカい指輪もつけて。頑張って媚を売る。

しかし、そこでヨに命ぜられるのが、契丹へ嫁ぐこと。「ワンムが約束を破って娘をソに嫁がせたから、それに見合う皇族を」って言われちゃう。契丹は敵国であり、最も危険な嫁ぎ先です(だからこそ、ソは皇女と婚姻し、契丹行きを阻止)。

 

「皇帝になられた方は婚姻で私を脅すのですか?私を生んだ方も、共に育った方も、結局同じです。婚姻と言えば女は黙るとお考えなのか…残念です」

「まさか皇后の座を狙てはおるまい。お前の兄は俺を裏切り、お前も共謀した。そんな家を、外戚にはできないだろう?」

 

ヨンファとワン・ゴンが婚姻の話をしてたシーンって初期にあったけど、一見脅し的な雰囲気はありませんでした。ただ「他の皇女のように遠くに嫁に」って和やか雰囲気で話してた。だけど、察知能力の高いヨンファは「これ、脅しだな」って感じてたわけです。さすがウクの妹だよ。ワン・ゴンが亡くなった時も「私は野心がありすぎるっておっしゃいましたけど、わたし皇位を獲りますから!」みたいなナレが入ってて、ワン・ゴンそんなこと言ったっけね?って見てて思ったんだけど、これもヨンファが察しての理解だったのかもしれない(実際に話したのかもしれないけど)。

 

ワンヨっていうヤバい皇子が皇帝になって、まだ婚姻してないヨンファ的にはピンチだから、媚を売りに会いにきたけれど、ワンヨだって甘くない。ワンヨは基本、誰も信じない。

 

ヨにとってウクは弱みを握りつつ利用できる相手です。けれども、ヨだって本来のウクの性格を知ってるし、一度裏切られたせいで死にかけたし、味方として受け入れているわけではない。ヨンファはウクの最大の弱点のひとりですから、そのヨンファを抑えれば、ウクは余計に言うことを聞く。「俺が皇帝になった時には、皇后にしてやる」とか呑気に言ってた頃とは状況が違います。

 

ヨンファは自分の絶望的な状況に、一人泣く。ヨからもらった指輪を投げ捨てて泣く(スンドクは花の指輪でウンに惚れて結婚までしているのを考えると、このデカい指輪も皮肉でしかないなぁ)。

兄のウクは「ヘスのために」逆賊にまでなって(家族のためでもあるんだけど)、なんなら最近ちょっと様子がおかしいし、ソにはとっくにフラれてる。しかも「ヘスが好きだ」という理由で。

「超嫌だけど、あとはコイツしかいない」と、ヨにすりよってみれたら、契丹行き。

 

ヨンファは孤独です。ウクもソもヘスを求めている。ヨンファを求める男はいない。自分は利用されるしかない存在なのだと痛感する。

10、11話でヘスを陥れるようなことをしなければ、ヨンファの状況だって今とは違っていたかもしれないけれど、あの時はあの時で、ヨンファは切羽詰まってたんだよな…。

ヨンファがという人は、そういう時に泣き寝入りなんて絶対しない。むしろ徹底的に攻撃する。だから怖い。

 

「早くこうして暮らせばよかった…」

夜。何日も閉じこもって隠れるしかないウンは、息が詰まりそう。

「入浴されますか?ヘスが、夜の官女の出入りを禁止に」と、スンドク。

 

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 ここで、二人は思いっきり遊ぶんですが、いいシーンですね。ウンは布でぬいぐるみとか作ったり、舟作ったり、本来の自分が好きなことを目いっぱいやって、生き生きするし、スンドクもそういうウンと一緒に入れて心底楽しそうで。

遊ぶものがなくなると、スンドクはウンのお気に入りのおもちゃであるパチンコを渡す。命を狙われてる!っていうギリギリのところでも、ウンの大事なものだから持ってきていた。喜ぶウン。

 

 「皇子が何だっていうのだ。俺は松岳で、一番大きい玩具店を開くのが夢だったのに」

「なさってください!タンナ国に行って、皇子様は玩具店を開いてください。私は武芸を教えます!」 

「そうするか?」

将来の夢を語りだす二人(泣)。

 

ウンはずっとおもちゃが好きで、ヘスにもおもちゃをあれこれプレゼントしようとしたら「あたしいくつだと思ってんのよ!」って怒られたこともあったけど、皇子様はおもちゃ屋さんになりたかったんだね。大事なものだから、あげようとしたんだ。

しかも、そのシーンって、オンニがウクに「第二夫人を」って頼むのを聞いちゃったヘスがしゅんとなってた時で、その流れでウンが自らの結婚観を語ってた。「たったひとりの人と100年添い遂げる」みたいな。

ウンが婚姻を言い渡された時も、彼はヘスにビー玉をあげようとしていたし(そして渡せなかった)。

ウンを描く際に、「おもちゃ」「婚姻」「贈り物」っていうのは本当に大事なモチーフなのでありました。スンドクとの子供時代のエピソードから一貫してる。

あーなんなのこの脚本(もちろん褒めてる)!

 

「俺も持ってきた」 

どうせヘスにあげるんだろう、と不貞腐れるスンドク。

「お前のだ!ヨンファ姉上がお前は香袋もないと言っていた。夫に恥をかかせるでない!……気に入らぬか?…おかしいな、かわいい子たちは好きなのに」 

スンドクが好きになった子供の頃と全く変わらないウン。スンドクは喜びます。

「お、お前が可愛いのではなく!なんというか最近…そう!最近、見た目も悪くないのは、俺の目が悪いから…」

 

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スンドクは嬉しさのあまりウンにキス。

「全部わかりました。かぼちゃの花も花に変わりはありません!」 

驚くウン。

「子供は息子2人。娘2人にする。譲らないぞ!」

「唇を重ねると…子供ができるのですか…?」

戸惑うスンドクを眺めながら、穏やかにウンはこういいます。

「早くこうして暮らせばよかった…」

 

二人は仲睦まじく手をつなぎ、部屋へ戻っていきます。

ウンが作ったおもちゃを、その場に残したまま…。

 

キスで子供ができるとかさ、まだ子供じゃないか(泣)!たぶん10代半ばから後半くらいよね。この時が明らかに初キッスで、結婚して3年?は少なくとも経ってるけど、ずっとプラトニック。

ここで、ウンはスンドクにおもちゃじゃなくて大人の女性の持ち物を贈っています。ウン自身もいよいよ大人になろうとしているのです。このあと、ウンはスンドクのことを守ろうとするわけだけども、この贈り物だけ見ても納得できる心の成長。しかも、スンドクと同様、生死の危機に直面した時にも忘れずに持ってきた贈り物っていう。

あと「ヨンファに言われて」っていうのが、本当辛いよ。ウンはヨンファのことも信じてる。

 

この二人のシークエンスは、ウンがスンドクに対して、不器用に、意地を張りながら、でも最後は素直に愛情を伝え、スンドクはその愛情を一身に受けるご褒美みたいに幸せな雰囲気が漂います。スンドクが本当に綺麗です。

だけど、幸せのあとには待っているものがある。

この浴場の湯気の感じとかのせいで、黄泉の国感が既にあります。。。

 

「何故お前が嫌いなのかわかった」

次の朝、ウンが作ったおもちゃをヘスが眺めていると、ヨンファがやって来ます。「話がある」と。「すぐに準備を」とヘスは案内しようとしますが、その際ヨンファはウンが布で作った人形に気づく。あー、ウンとスンドクはなぜ片付けなかった?でもウンが片付けるわけないし、スンドクはある意味、幸せの絶頂だったものね…。

 

ヨンファの話は、かなり率直な提案でした。

「ソ兄上から離れろ。私はウク兄上との仲を全て知っている。それを隠してソ兄上を惑わした。もうみだらなことを見過ごせぬ。お前から先に兄上から離れろ。そうすれば問題にはせぬ。婚姻の目的は出官だろう?私が叶えてやる。皇子同等の家に嫁がせてもよい」

契丹に行きたくないヨンファ。ヨとの婚姻を再び狙おうとしているのでしょう。

しかし、ヘスははっきり断ります。 

「婚姻に目的はありません。皇子様が幸せで、私は価値があると思えるから婚姻したいのです。皇子様が変わらないなら、私は変りません。先に離れません」 

「なぜお前が嫌いなのかよくわかった。お前には感情も婚姻も、幼稚なお遊びだ。生死の問題ではない。変わると言い切るな。皇宮ではそんなことはだれも言わぬ。後悔するだろう。必ずお前を後悔させてやる」

 

ヘスとヨンファの対立は、個人的にバトってるだけじゃなく、現代と千年前の高麗皇宮の結婚観の対立でもあります。現代人の感覚でいけばヘスに共感するけれど、ヨンファの立場を考えると「婚姻が生死の問題」と言うのも理解できる。二人の溝は絶対に埋まりません。ヘスは基本相手に共感していくキャラだけど、ヨンファだけにはそれがないのよね。出会った時から一貫してずっとない。この二人の仲さえ良ければ、数々の悲劇はほとんど全て防げると言っていいのに。

ヘスはヨンファが身分でしか中身を見ようとしないのが嫌いなんだけど、結局ヘスもヨンファが何故そうなのか、って考えようとはしないんだよなぁ。

なんでかな、ヘスがヨンファの話をもうちょっと聞いてやれば…とか考えたりもするんだけど、それをしないのは、やはりそれほどまでに、現代と千年前は違うということを表現したいのかな。その違いを象徴させているのが、ヘスとヨンファの不仲なのかなぁ…。

 

「皇子様が変わらないなら、私は変りません。先に離れません」っていうのは、ヘスにとってハジン時代からの自分ルールなのだよね。ウクともこのルールにのっとって別れた。

 

でも、個人的にここですごく理解するのが大変なのは、ヘスが「ワンソと婚姻したい」って言ってるところなんだよなぁ(これ私の語学力および字幕の理解力のせい?でもヘス「婚姻したい」って言ってるのよね…??)。なんか唐突な気がして。スンドクに言われて腹が決まったとはいえ、ワンソがウン達を殺すかもって迷いに迷った後だし。ソにプロポーズされかかったこともある、ってヘスが気づいてたとしても。ヨンファと仲が悪いといえども。

やっぱりこのヘスの態度はなぁ…。なんか、ひっかかる。

 

(追記2017/3/7:見返すと、ヘスの態度はこれしかなかったと思い直しました。今更ですが(照)。

ヘスは「未来は変えられし、自分の人生は自分で選ぶ」という意思の人。迷った末、この時点で彼女はソを信じぬくことを決めており、ソの未来を変えてみせると心に誓っています。だから結婚の話を持ち出されたヘスは、ああいう返事になった。

ただ、ヨンファもまたヘスと同じように「未来は変えられる」「自分の人生は自分で選ぶ」人なんですよね。この二人は違う価値観を背負いながらも、生き方自体は近い。ヨンファとヘスはある意味同類。溝は絶対に埋まらない。)

 

「私が兄上二人の荷を下ろします」

一方ウクはヨに進言。 

「大将軍パクスギョン、司天供奉チェジモン。第4皇子のそばには兵権と神権を握るものがおります。一日も早くワンソの始末を」

ソの存在に絶望していたウクですが、それでもなんとか手を打とうとする。しかしヨは渋ります。  

「ワンギュの乱を企てて間もない。それに同腹だ。討つにも時機を見ねば」

「では大将軍とジモンと引き離しを」

 

この二人、まだ見つからないウン夫妻について話していてもいいのに、話してない。ヨはワンソ殺しを渋る。心のどこかで兄弟を殺したくはない気持ちがあるようにも見えます。名分として殺さねばならないが、積極的でない。

 

そこにヨンファがやってくる。

「私が兄上二人の荷を下ろします。そのかわり、私の策が成功したら、契丹息を取り消してください」 

勝手に現れたヨンファに憤慨するヨと、心配気な顔を見せるウク。特にウクは、ヨンファが思い切るときはだいたい、ただ事ではないことを考えてるって知ってるから不安なのでしょう。

 

事実、この行動が、ウン夫妻の悲劇が現実となる大きな一押しとなるのです。

 

「あの娘には私しかいない」

ウンとスンドクを見送るヘス。

穏やかな別れでしたが、それが急変。兵の声があちこちから聞こえ、ジョンが浴穴から血相を変えて駆けつける。

「逃げてください!外に皇軍が!」

 逃げる3人。

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 しかし、スンドクが立ち止まります。

「皇子様をほかの道に」 

「何?」

「父を恐れて私を殺しません。皇子様が目的です」

「だめだ。一緒に行くのだ」

大好きだからこそ、ウンの手を振りはらう。

「後から参ります。約束です」 

 

ヘスにも「信じてる」とウンを託し、表へ出ていくスンドク。

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ヘスは「夫人が言うように、皇子様だけでもお逃げください」とウンの腕を引きます。

しかしウンは動かない。 

「だめだ…夫人の後ろに隠れるなんて…」 

「皇子様!」

ヘスは必死に引き止めますが、ウンの心は決まっている。

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「仕方ないだろう。私はあの子の『最高』なのだ。あの娘には私しかいない」

笑みをたたえヘスを振り払い、スンドクを追いかけるウン。

ウンの手を離し、呆然となるヘス。

 

『最高(チャン/짱)』ってヘスがウンに教えた、現代の若者言葉ですね。オンニが亡くなって沈んだヘスを、人形劇で慰めたウンに「皇子様、チャン!」って言って。

ウンはそういうのをしっかり覚えてる子なんだよ。ヘスを手放すためにその言葉を、さりげなく使うのがにくい。そして極めつけに「あの子には私しかいない」って…。もう泣くよ。

 

 

ヘスの最大の誤算は、ウンもまた自分の意思に基づいて行動するひとりの人間である、ということをすっかり忘れていたこと、である気がします。ウンをわかっていた気になっていたけれど、ウンは思っていたよりずっと「皇子様」だった。

 

見ている方も、ウンの子供っぷりを見てきたから、余計スンドクを守ろうとする決断に泣くんだけど、ウンは子供の純粋さをもったままの人だからこそ、すっと誰もができないような勇気ある行動をとるのだよね。8人の皇子のキャラ設定ってそれぞれ素晴らしいんだけど、このウンがここまで大きな存在になるとは思わなかったなぁ(それを狙ってるんでしょうけど)。

 

 

すんごく長いエントリになってしまった…。佳境だから…。見れば見るほど気づきがあるので、キリがないのだよ。

 

あとは、やっぱりヘスの気持ちがよくわからないところがあって、書くのにも時間がかかっちゃった。でも全部わかるのもおかしいので、このまま進みます。

ウンとスンドクをハメたのはウクとヨで、まず責められるべきはこの人達だけど、悲劇を実現させることになる動きをしたのは、ヘスとヨンファなのですよね。

ヨンファはもともと、自分の立場が本当に危うくなると、他人の命をいとわない性格っていう前科があるので、応援はもちろんしないけど、その行動は理解できる。

 

でもヘスはな…。主人公は物語で過ちを犯すものだし、ウン達への対応に悪意はないし、まぁそうなるのも仕方ないかな、っていうとこまでは歩みよれても、ヨンファへの対応とソへの気持ちが、やっぱりついて行けなかった。ごめんよ。この先見て行けば、わかるかもしれないけど。ヘスはヨンファが冤罪事件の真犯人って知らないっていうことを知らないっていうのも大きいのかな。

考えても仕方がないや(笑)。私の理解力の問題ね。

 

16話以降は初見時の感想が毎回残ってるので、それを利用して、あらすじは少なく、気になったところだけフォローしていこうかな。

じゃなきゃ、本当に年が越せない…。

長々すみません。

 

 

 相変わらず当たってたり、見当違いだったりの、初見時の感想。

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