お出かけ手帳

誤字脱字病。書いては直す人生。麗の最終回記事が完結しました!(2020.10.27)

2021年5月 印象に残った作品

 

☆やんわりとネタバレしています☆

 

こんにちは!

5月も光の速さで終わり…。

やっと温かくなったかと思いきや、梅雨に入った場所もあるとのことで…このまま猛スピードで夏になりそう。

 

そんな5月は、あまりドラマを見られませんでした。4月にドラマを見すぎて疲れたこともありますが笑、見たドラマが良すぎて余韻が大きすぎたということもあります。

まぁこれだけ見てれば充分か^^;

 

あと最近は、日本のオーディション番組を見てるので、それに時間と労力をとられているということもあります。サバイバルオーディション、出る人達は本当に大変だと思うけど、見る側も体力奪われて大変なのよ。あぁ心が痛いよ…。でも見ちゃうんだよねぇ…。

 

 

『ムーブ・トゥ・ヘブン:私は遺品整理士です』(2021年/韓国)

ムーブ・トゥ・ヘブン: 私は遺品整理士です | Netflix (ネットフリックス) 公式サイト

 とてもよかったです!!

遺品整理士の父と息子、そして生き別れになっていた父の弟の物語。遺品整理から見つけ出される市井の人々の想いと、遺品整理を営む家族の歴史を、誠実に、本当に誠実に描いた作品で、悲しいんだけれども見れば見るほど観る者の心を澄ましていくようです。

 

遺品を通して故人の心情を感じ取り、それを遺品と共に伝えるべき人に伝える、というとても繊細な作業を何度も描いていくんですが、故人一人ひとりの人生に敬意を表しているのがとてもいい。遺品整理士が必要な故人は、身寄りがなかったり、事情を抱えているんですよね。

 

主人公である遺品整理士家族もまた、父親が亡くなることで息子や弟は遺族となり、弔いの中にいます。このファミリーが本当に切ない。

 

まず、チ・ジニさん演じるお父さん。この人が本当に優しくて愛情が溢れていて、画面に出てくるだけでジワっと涙が出てくるんですよ。ただの「いい人」っていう感じじゃなくて、なぜ息子を、弟を大事に思っているのか、っていう理由付けもしっかり描くから、すんごい泣ける。とにかく泣く。泣きゃいいってもんじゃないけど泣いてしまいます。妻を亡くし、大事に大事に育ててきた息子を残して亡くなってしまうことがどんなに心残りだったろうと思うと胸が潰されそう。遺品整理とは何たるかを視聴者に紹介する人物でもあり、「こんな素敵な人に遺品整理してくれたらどんなにいいだろう」と思いました。遺品整理で死者と向きあい、そして自らも故人となり遺品を残す重要人物です。

 

そして、そんな愛情深い父親に育てられた息子・グル。この人がまたまっすぐでいいんですよね。偏見なく人を見ることができるし、父を尊敬し、その教えを大切にしているからこそ、遺品整理の仕事も誠実に取り組みます。遺品に残された言葉なきメッセージを読み取ることができる人でね。グルにも遺品整理してほしいな。彼はアスペルガー症候群という設定なんですが、「難しい役を演じています」と言う感じがなく、でも切実さが伝わるタン・ジュンサンさんの演技がとてもよかった。両親が大好きな子でね…でも両親ともに亡くなってしまい…あぁ切なくてまた涙止まらないよ…。あと、グルを通して「自分ができる仕事をする」「自分の仕事の意義を理解して、大切にする」っていうことも描かれていて、仕事論としてもグルの姿勢はとてもいいなと思いました。

 

あとは、お父さんの弟であり、グルのおじさんであるサング。兄と幼少期に生き別れて、裏社会でファイトマネーで生きのびる一方、刑務所に入ってた人なんですが、出所したらいきなり甥の後見人であることを知らされるんですね。お兄さんはきちんと再会を果たせぬままの弟に、息子を託して亡くなってしまいます。サングは兄に見捨てられたと思い込み、悲しみと怒りと共に生きてきたアウトローなんだけれども、演じるイ・ジェフンさんが醸し出す絶妙な空気感で「この人、根は絶対いいやつ」っていうのが分かるのよ。お兄さんと何故生き別れたのか、っていう事情を知った時のシーンは本当に切なくて切なくて…。ここでも遺品が兄弟の大事な橋渡しになっていましたね。

 

今年のヒューマンドラマは『ナビレラ』が一番かな、と早くも思っていたけど、こちらも素晴らしい作品でした。甲乙つけがたいです。あれこれ言葉で説明されるより、見て感じるのが正解なドラマなので、未見でしたら是非見てみてください!!

作中さりげなく、住宅街やビル街、団地、安ホテル…多くの「ありふれた」人々が住む場所の風景が挟み込まれてるんですが、「ここにたくさんの命があり、それぞれに想いがあるのだよな…」と感じ入ることも多かったです。

 

『今ここにある危機とぼくの好感度について』(2021年/日本)

注目ドラマ紹介:「今ここにある危機とぼくの好感度について」 松坂桃李が大学の広報マンに 不祥事対応に奔走 - MANTANWEB(まんたんウェブ)

こちらも面白かったです!

圧倒的な社会風刺と政治批判をしていて、NHKはまだこういう作品を作れているということが最大の救い。大学を舞台にしていながらも、今の政治を含めた日本の空気感を鋭く描いていました。好感度を気にして意味のあることを極力言わないようにしている男が主人公で、初回では告発者に土下座してでも訴えをやめてもらおうとしていたほどだったのに、最終回では自ら告発者になれるのか…っていうのがクライマックスでしたね。感染症や五輪問題を想起させるような問題も、思い切って描かれていて驚きました。

 

松坂桃李さん演じる主人公が本当に薄っぺらいダメな人で笑っちゃうんだけど、そう笑ってもいられないというか。たとえ論理的にも倫理的にも正しいとしても、それを主張することがとても難しい時代になってしまってるんですよね今は。正しくないことも、もちろんあからさまには言えない。となると、「意味のあることは言わない」のが一番。これは現実でまさに今起きていることで、国会討論や政権の記者会見を見るとめちゃくちゃこれをやってるんですよね。重要な質問にまとも答えないっていう戦法は本当に悪質ですが、これが権力を握る側のリスクマネジメントの主流になってしまっている。で、それは大きな組織だけでなく、もはや個人レベルにもそういうことが起きてしまっているのですよね。それが松坂さんの役であり、多くの私たちの姿であり…。

 

「今目のまえに危機があるとしても、自分の好感度を犠牲にしてまでは訴えたくない」っていう人間の心とどう向き合うのかってなった時に、この作品では「愛」っていう答えを出していて、厳しいことを描いていながらも最後は優しいな、と思いました。分断していたままでは明るい未来も見えないですしね…。

 

『ジョゼや虎と魚たち』や『カーネーション』など、心の繊細な移り変わりを描いていた渡辺あやさんが、『ワンダーウォール』を経て、こういった社会全体の空気を子細に描いているのが凄まじかったです。人の心と社会はつながっている、ということなのでしょう。社会が抑圧的になれば、多くの創作活動にも影響を与え、物語も一様なものになってしまうでしょうから、ドラマ・映画好きとしても、そんな未来はなんとか避けたいところですが…(既に民放ではこういったドラマ作品の制作は難しいのが悲しい)。

 

外国人ジャーナリスト:

「黒人解放の指導者であったキング牧師はこんな言葉を残しています。『問題に対して沈黙するようになった時、我々の命は終わりに向かい始める。そして、最大の悲劇は悪人の暴挙ではなく、善人の沈黙である』」(『今ここにある~』第3話より)

 

『地下鉄道~自由への旅路』(2021年/アメリカ)

海外ドラマデータベース:地下鉄道 ~自由への旅路~|海外ドラマNAVI

圧倒されました。

キング牧師がいた頃よりもずっと前、奴隷制度があった時代を舞台に、アメリカ南部のプランテーションから自由を求めた少女の逃避行。実史では「地下鉄道」というのは逃避経路の当時の隠語だったとのことで、実際に地下鉄道があったわけではないんですが、この作品ではフィクションとして逃避用の地下鉄道が登場します。文字通り地下鉄道に乗って逃げるんですね。凄惨な虐待シーンが多くあり、大半は見るのがつらいんですが、「これがアメリカなんだ」「これが人間なんだ」っていう力強さに目が離せませんでした。この作品で描かれる奴隷狩りをする白人の心理は、現在の世界的なヘイトの心理にもかなり通じているなと感じます。映像的には光と影、そして闇の描写が鮮烈で悲しいほどに美しい。『ムーンライト』のバリー・ジェンキンスが監督です。

 

『PRODUCE 101 JAPAN Season2』で印象に残った練習生

韓国発の視聴者投票型サバイバルオーディション番組の日本版、の第二弾です。シーズン1でも見るのが辛かったのに、結局シーズン2も見てるし投票もしています笑。来週6月13日のテレビ生放送でファイナルステージを行い、国民投票の結果でデビューメンバーが決定する予定です。それに先駆けて、先週練習生が40名から21名にまで人数が絞られてしまったんですが、既に私は喪失感でいっぱいです…。なんでこんなに残酷で悲しいシステムなんだろう…(でも見てる)。前回もほぼ同じルールだったし、分かってはいたけども…。

 

ただ、前回と今回では個人的にちょっと見方が変わりました。

シーズン1の際はとにかく何もかもが新鮮で、特に技術面で「こんなにすごい子がいるんだ!」という驚きが大きかったんですよね。シーズン2にも技術的にすごい子は沢山いて、実際に投票もしてきたんですが、今回は最初の技術レベルのクラス分けで一番下のFクラスだったとある練習生たちにも心惹かれました。映像で見られるのはごく一部でしょうが、自分らしさを失わずに自分を変えていく勇気を持っているところが凄いなと感じたんですよね。話してることも面白いし。で、その方々が先週あえなく脱落してしまったんですよ…。お名前を出していいのか迷うところですが、ひっそりしたこのブログからのささやかなエールという意味で、篠原瑞希君と森井洸陽君、このお二人の名前を挙げさせて頂きたいと思います。

 

篠原君は最初「癖が強い感じの子だな」って正直思ってたんだけれども笑(ごめんね)、そんなに技術的に悪いってことはなかったんですよ。でもクラス分けの時にトレーナーから「人のまねしようとしないで」「自分をもっと出せ」みたいなことを言われてFクラスになっちゃったんですね。で、Fクラスメンバーはほとんど未経験者だからダンス練習するにも困難を極めて、トレーナーにも「エンターテイメントなめんな!練習しろ!」と激怒されて、クラス内で数少ない経験者だった彼は責任を感じて泣き崩れてしまったんですよ…。ただ、この後が凄くて、この人は再テストで上から2番目のBクラスに飛び級しちゃう。そもそも何故Fクラスだったのがよくわかんなかったにせよ(Fクラスはかなり理不尽だったと思うと同時に、トレーナーの言わんとしたことも少し分かるっちゃわかるんだけども…。まぁ一番はそういう役割を与えられてしまったってことなのかな…前回もそういう人がいた)、こんなに飛び級だったのは彼だけでした。よく頑張った。

 

で、次にグループでバトル形式でステージをすることになるんですけど、またドラマがあって。グループのメンバー決めで彼はかわいい高校生たちを戦略的に集めてキンプリの曲をやるんです。「高校生にしかできないことがある」と。実はこの人はアイドルが滅茶苦茶好きで、ずっとアイドルの研究をしてきたっぽいんですよ。エンターテイメントなめるどころか、ものすごく意識が高い人だった(それなのにあんなことトレーナーに言われて激怒されたら泣くよ)。だからここでもリーダーとして頑張るんですね。ただ、高校生たちは激動の環境にまだ心がついていかないし、怖いトレーナーには怯えて何も言えないし、自分達の可愛さがどれほど貴重かもわかってないから(しょうがないよね。この年ごろはカッコいい系に憧れるしね)、様々なフラストレーションをぶつける形で篠原君に反発しちゃうんですよ。篠原くんも21歳で全然若いし、個人差もあるんだけれども、この年頃の数歳の差って大きいんですよね。大人から見ると「そりゃないぜ高校生たち…」ってなるけれど、もし自分が16歳の男の子だったら反発してしまうかもしれないって思います。出会ったばかりで目指すものが共有できていなかったということも大きかったでしょうね。ただ、このグルーブが凄いのは、すったもんだの挙句(古い表現)、本番のバトルで一番点数をとって優勝しちゃうんです。ひとりひとりが頑張った結果であることは大前提ではあるんだけれども、「篠原君、すごい男だな」と思いました。

で、そのあともステージが2回あって、歌も初期の癖が抜けてよくなってるし、若い仲間たちとも一歩引いてうまくやっていくんですね。自分に確固たるものがある人が自分を変えるのってキツイし、痛みも伴うけれど、それをしていた(ように見えた)。常にアイドルらしい振る舞いで、何をやっても想像を超える爪痕を残していました。

 

そんな篠原君が残念ながらファイナルに進めなかったんですよ…。で、本当に感動したのは、順位発表式が終わったあと、ファイナルに進める子と敗退する子で別れをしのんでいるシーンで、あの反発していた高校生の中でも一番反発していた波留くん(ファイナル進出決定)って子が篠原君と向かいあって手も篠原君の肩に置いて大号泣してるんですよ。波留くんっていうのがまたすごく素直な人で、だからこそ反発したんだと思うけど、この涙にも嘘がないんですね。で、篠原君はどうしたかというと、穏やかな笑顔で涙なんて一切見せずに「一生忘れられない、波留と会えたこと」って言ったんです。もうこの言葉が衝撃でね…。こんなことサラリと言えるか?「波留のこと一生忘れない」でも相当すごかっただろうけど、「一生忘れられない、波留と会えたこと」だから、よりポジティブだし、しかも体言止めよ?もう参っちゃうね。美しすぎるよ。行間なのよ。この言葉は波留君への最大級のエールだし、波留君と篠原君を推してた人をはじめとする多くの視聴者をも救う言葉だったと思います。「物語」を見事に帰結させていた。賢い篠原君だけれども、賢さだけでも言うことはできない言葉です。このシーンでは二人の宝物を少し分けてもらったような気持ちになり、本当に胸がいっぱいになりました。

 

もう一人は森井君。彼はイケメンぞろいの中でも突出してイケメンな容姿なんですが、全くの未経験で本当に歌もダンスも全くできない人だったんです。今までは勉強ばかりしてきた人生らしく、点数のつけられない表現の世界に憧れて応募したみたいです。ただ、本当に何もやったことがないから、ダンスとかもう、こちらも見ているのが悪いなと思うほどに、痛々しいほどに踊れていなかった。ずっと優等生だったのなら「できない」ことが人以上に辛く感じる可能性も大いにあります。でも、この人が凄いのは、卑屈な姿を全く見せなかったということです。プロダンサーレベルの練習生もいる中でFクラスになると、心が折れたり、自分を肯定できなくなる人が出てきてもおかしくないんだけれども、ひたすらに努力していくんですね(今回のFクラスは、最終的に雰囲気がとてもよかったですね。みんな本当に頑張ってた)。ただ残念ながら、再テストに臨むも彼だけがFクラスに留まることになってしまったんですよ…。テスト中にフリも歌詞も飛んでしまってね…。

でも、それでもこの人は心折れた姿を見せないんですよ。いつも堂々としてるし、グループのリーダーをやったりもするし、全然自分を否定しない。かといって傲慢でも虚勢でも現実を直視していないわけでもない。篠原君も前シーズンにいないタイプだったけど、森井君のようにここまで(いい意味での)自己肯定感を強く持って挑んでいる人も前シーズンにはいなかったように思います。

で、やっぱりスタート地点がみんなと違い過ぎるから、最初はなかなかダンスが上達しないんだけれども、それでもステージを重ねるうちに上手くなるんですよね。一生懸命だから、チームメイトも練習に付き合ってくれて。真面目に取り組む姿勢が周りにもいい影響を与えていたように見えました。そりゃバックダンサーをやってた人とはまだ違うけれども、それでも信じられないくらい上達してるんです。

 

そんな森井君が残念ながらファイナルに進めなかったんですよ…。敗退が決まったあとのインタビューで「やっぱりこの人ごいな」と思ったのは、現実を受け止め、仲間にエールを送りつつも「僕はありのままの自分を受け入れて、まずは自分自身を愛してあげようと思います」と言っていたことです。人気投票っていう身も蓋もない方法で暴力的ともいえる順位をつけられる中で、こう言える強さね。本当すごいよ。

 

私は101人の段階で(辞退者がいたので実際には100人)、全員分の歌、ダンス、自己PR等の動画をノートをつけながら真剣に見たんですけど(あ、ひかないで…人様の人生がかかってたから…)、そのノートを見返してもその時は篠原君も森井君も、正直全然ひっかかってなかったんですよね。でも、番組を見ていくうちに気になるようになりました。それを考えると、本編に入れなかった40人のことももっと知りたかったし、本編には登場できたけどあまり映像的な分量をもらえなかった子のことももっと知れたらよかったのにな、と思います(カメラの数考えると相当編集も大変でしょうね)。分量があっても切り取りに過ぎないですけれどもね。

あと、リーダーをしても報われない子が多かったのも切なかったです。いきなり出会った人とグループワークをするのって本当に大変だから、どうしても技術的に能力の高いリーダーに負担がいってしまいがちでした。うまくいっているチームはリーダーシップが取れる子と、フォロワーシップが取れる子の両方がいた気がしますね。

 

あと、これは大事なことなんですけれど、今回は2人の練習生について書きましたが、本当にみんないいところがあって特別な存在なんです。大の大人でも、アイドルに興味がなくても、見ればひとり一人から学ぶことがある。誰もが努力しています。これは忖度でも配慮でもなく、私の好感度も関係ない、事実です。八方美人と呼ばれようともみんなを応援してたし、これからも応援してます。感染症のせいで前回以上のストレスがあったと思うけれども、よく頑張った。ファイナルも無事にステージができますように(もうみんなデビューでいいのにね)。みんな本当にありがとう。幸せになれ!

 

 

またも長くなってごめんなさい!

では!