お出かけ手帳

誤字脱字病。書いては直す人生。

『月の恋人』 17話 生きたいと思うのは罪?

☆ネタバレしています☆

 

 

もー色々ありすぎだよ17話!16話だって乗り越えるの大変だったのに!!

 

まずワン・ヨね。かなり辛いけどいいシーンでした。

ワンソが襲来、そして抱える病もあって、今にも死にそうなのに、母はヨよりも一族の皇位維持を心配(あの状況じゃ仕方ないけど)。次の皇帝としてジョンの指名を強要します。自分は母親の欲のための道具でしかなかったのか…。あの絶望感。「ソがどんな気持ちか分かった」ってヨが言うのは沁みた。

ヨは最初から好ましい人物ではなく、皇位に就いてからは完全に暴君でしたが、あの最期の心情吐露は泣いてしまった。

ソは母親から直接虐待されてきたけど、それを見ていたソもまた間接的に虐待されていたんですよね。ソみたいに母に見捨てられたなくて、ただただ皇位だけを見てきた男。結局最期に自分の気持ちを言えるのは、ヘスぐらいしかいないっていうのが、また寂しい人生だよ(八つ当たりも相当してたけど。「兄弟を殺してまで皇位を狙わねばって思ったきっかけは、雨乞い祭でヘスがソに化粧をして、自分の座が奪われた時」ってヨが言ったのには、ぞっとしましたね。あそこで歴史が狂ったんだ。ヘスは歴史に関わりすぎてるよ。「こうなったのもお前のせいだ」ってヨが責めるのもわかる…。)。

何を間違えちゃったんだろうって…ってもうヨは泣いてて、「私はただ生きたいと思っただけなのに」的な言葉には、かなり心にずしんときました。そうなのよね。やらなければ、やられてしまう。この人にとっては悪事も生き残るために必要だった(と思い込んでいた)。でも、そうやってでも、生きたいと思うことは罪なの?ドラマ早々に出てきたテーマが帰ってきました。ウヒとヘスもこのテーマについて語ってる。

ホン・ジョンヒョンの演技が本当に素晴らしかったですね。最後に渾身の力でヨの罪悪感と悲しみを表現し、役を全うされてました。

 

あとはウク。そりゃウクもかなり悪いことに手を染めましたけど、ファンボ皇后がヨンファに「皇位か心か」と迫り、「皇位を選ぶならウクを捨てる」って言ったのを聞いたときは、耳を疑いましたよ。あの良識ある皇后が!ウクはなんのために、今まで罪を犯し泥水飲むようなことを我慢してきたのか。「お前は変わった。反省して大人しくしてろ(←じゃなかった。正しくは、”道を外せば外すほど、お前が傷つく”)」的なことまで言われて、ホントに気の毒でしかない。

この件で数時間落ち込んだのち、「でもウクがヘスと結婚したいって言った時は『皇位を捨てる』って言ったからこそ、ファンボ皇后は結婚を認めたんだよな」って思い直し、少し気持ちを持ち直しましたが。ファンボ皇后はやっぱり筋通ってるかもしれない…。

一族のことを考えると、ソが皇帝になる以上、ヨンファが皇后狙うしかないわけだから、ファンボ母娘の決断も「生きたいと思うのは罪?」にかかってきますね。ウクがそうしてきたように、生き残るためには、やるしかない。

ヨンファはウクに借りがあるし(皇后はヨンファの毒殺事件加担は知らない…よね)、新たな決意したぽいっけど、彼に心の平穏が来る気がしないよ…。ヘスと幸せだった頃の回想はあると予想してましたが、こんなに早くやるっていうのが不穏過ぎる。

ヘスにも直接「あなたがこうなったのは、あなたのせいじゃなく、運命」って言われちゃうし。これって一番つらくないか?

(追記:もう少し詳しく書くと、ウクは「いつも気になっていた。お前は何故私が皇帝にはなれぬと思うのか?私では不十分だと?」と聞いたらヘスが「そうではなく運命」と。ヘスそんなこと言ったっけ?って思ったけど、12話最後の方の夜のシーンでソに「もし皇子様が皇帝になると言ったら?」っていうのを陰で聞いてた時のことかな?この辺ちゃんと見直さないとだめね。追々記:この疑問すごい重要だった。)

ただこの人は今まで、特に13話まで、何度もチャンスはあったのに、ワンソほど積極的に行動していなかった。ヘスが言うように正直じゃなかった。「あの時ああしてれば」っていうのがいっぱいあるんですよね。ウクって本当に「後悔の人」なのだよな…。

ウクには「ヘスと付き合ってた」「ヘスから『ワンソに気を付けろ』と言われた」というカードだけじゃなく、今まで皇政で築いた力もあるし(ソへのあの反撃の仕方はさすが賢いと思った)、嫉妬に燃えているので、まだまだ勝負が残ってますね。

 

そして、なにより、ワンソが光宗になったこと。

あれって実質ヘスがソを皇帝にしたみたいなもんだよ。なんの遺書も証拠も残ってないなか、とっさにヘスが「新皇帝にご挨拶いたします。まんせい、まんせい、まんまんせい」って言ったことキッカケだもの。兄弟は殺さないってヘスと約束してたけど、ソはそれ以外の人々はもろもろ粛清を始めたっぽいし(ジモンがひいてた)、やっぱり血の君主にならざるえないのかな。いままで「皇位と国を守るためには、それ以外を捨てねば」って何度も出てきたし。メンターでもあった大将軍も去っていったし。

ウクは実質、皇帝に留まるためにヘスを捨てさせようとしているけど、どう決断するか。

「皇帝」っていうものになったら、どうしても「皇帝らしい」振る舞いをしてしまうのが人間なのかも。心理学の実験とかでも、看守役をやると普段おとなしい人でも「いかにも看守」っぽくなるとか、聞きますものね。

 

ペクア&ウヒ大丈夫なの?とか、まだまだ色々ありましたが、あとはヘス。膝が悪いのはわかるとしても、余命宣告っていきなり何!?10年ってまたなんとも…。まぁよく胸押さえたもんなぁ。心臓が悪かったのか。あと3話しかなくて余命の話が出るとか、ますますハッピーエンドを想像できないよ。彼女は文字通り「生きたい」と願ってますね。ヘスはソと長く一緒にいたいし、婚姻話も出てきたけど、どうなんだろう。今ですら、ちょっと楽しくなさそうなんだよなぁ。

17話の最後でウクがワンソに「体に傷がある女性は皇帝と婚姻できない」ルールを持ち出して結婚を阻止しようとしてましたけど、ジョンがヘスに「これから増えるであろう皇帝の女のうちの一人として生きるのは幸せなの?」って言ったほうが婚姻を止める説得力があるように聞こえましたね。もともと皇子たちがヘスを好きにたったのは、彼女が自由な心をもっていたから。鳥かごのなかにいるヘスは、やっぱりヘスらしくない。

 

ワンソの皇位継承に肩を持ったことで、ジョンとヘスはちょっとひびが入りかけましたが、ジョンはヘスがまだ好きだし、純粋に心配してる。良心を持ち続けているのだよな、この人は。皇后ユ氏の子供って3人全く違うんだけど、ジョンは皇后のピュアなところだけ引き継いでいるのかな。皇后ユ氏ってたまにすっごい少女みたいな顔しますからね。

ジョンが言う「ヘスを皇宮から出す方法」ってなんだろう。インター版だとたしか(色々バージョンがあるので曖昧…)、ジョンはヨに何か貰ってたんですよね。ヨとの「皇位以外で欲しいものがあればやる」みたいな会話があった。で、そのあとチェリョンに伝言残していたので、この辺関係あるんでしょうね。

 

チェリョン…(泣)。

明日一体どうなっちゃうの?

あまりに展開がつらくて、すごく面白いしよくできたドラマなんだけど、知らなければよかったって最近感じたりもする(笑)。でも「つらいことを全部忘れるのは本当にいいこと?そんなの無理だし、きっと違うよね」っていうのが、このドラマの趣旨の一つでもありそうなので、最後まで見届けたいと思います。。。