お出かけ手帳

誤字脱字病。書いては直す人生。

2023年1月〜3月 印象に残った作品

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こんにちは!

 

あっという間に6月も終わりですね。

今更感はありますが、ひとまず3月までで印象に残ったものをまとめます。

遠い記憶をたぐり寄せながら…。

 

 

韓国ドラマ

『ザ・グローリー』(2022~23)

最近見た韓国ドラマの中では最も緻密でメッセージ性の強い作品です。

mikanmikan00.hatenablog.com

 

記事で書けなかったのは、いじめ問題で「見て見ぬふりをした人」や「知らなかった人」のこと。今作ではあまりフォーカスされてなかったですが、ほとんどの人がこのどちらかに属しているのではないでしょうか。私もそうです。

 

作中でも書かれているように、いじめは苛烈な犯罪行為におよぶことも多々あり、その場合、「周囲の人は知らなかった」では本当は済まないですよね。犯罪行為がそばにあるとき、それに気づいて被害者を守る行動ができるか。とても難しいことですが、ここがうまくできないと社会は変われないのかもしれません(某事務所の性的虐待もメディアや世間があまりに無力だったことも問題を悪化させていたと思います)。

 

理想はあるけども人間は弱い、だからこそ法があるわけだけど、整備が送れていたり、組織が機能してなかったり、うまくいかないですね。で、復讐しかなくなってしまうってなると、被害者が全てを犠牲にして立ち上がらなければならず…やっぱり司法でどうにかならないのか。堂々巡りですね。『D.P.』もシーズン1はこのあたりのテーマが佳境に入っていたので、シーズン2はどう描かれるか気になります。

 

『クイーンメーカー』(2023)

面白かったです。主人公は元フィクサーということでドラマチックな存在なんだけど、世知辛い世の中を思うと「こんな人いそう~」となりました。ムンソリさんの役柄が非常に親しみやすい人柄で、こちらも世知辛い世を思うと「こんな人いて欲しい」と願ってしまった。

 

『イルタ・スキャンダル』(2023)

面白かったといえば面白かったのですが、後半は詰め込みすぎというか、あそこまでする必要があったのかなぁという気がしてしまいました。室長の暴れっぷりとその顛末とか、実のヘイオンマが出てくるとか…。

 

普段、ドラマや映画を見た時の感想で「別の展開のほうがよかったのではないか」というのはなるべく言わないようにしてるのですが(様々な条件のなかで制作陣が決めたことなので)、この作品は主演二人の恋愛描写がすごくよかったので、そこをもっと見たかったなと感じました。幸せな二人がもっと見たかったです笑。受験をテーマのひとつにする以上、生半可な描き方はできないのかな。実際に受験戦争がきっかけで様々な事件が起きているので…。

 

あと、ヘイちゃんのセリフで「40歳までにトラウマを克服出来たら立派な人間だ」というようなのがあって、ドキッとしました。お年寄りなどを見ても、それはかなり難しいことなんだろうな、と最近よく感じます。

 

『哲仁王后』(2020)

とてもおもしろかった!特に前半のギャグの入れ方が半端ないし、後半シリアスの比重が多くなっても尚、笑いを忘れていないのが立派だと思いました笑。アジドラで録画して見たのですが、消すのが忍びないので、早くアマプラやNetflixで配信してほしい。

 

『フィジカル100』(2023)

ドラマじゃないんですが、おもしろくて夢中で見ました。筋肉が欲しい。

 

日本ドラマ

『ブラッシュ・アップ・ライフ』(2023)

おもしろかったです!最初はながら見みたいな感じで適当にしか見てなかったのですが、女性の友情を中心に描いていると気づいてからは、かなり真面目に見ていました。

特に、まりりんの正体がわかったあたりから俄然おもしろく、「大人の女性が友達のために人生をかける」ということを描くドラマが今まであるようでなかった気がして、心に残りました。

 

今放送中の『日曜の夜くらいは…』も女性の友情を描いていますが、こちらは個々のキャラがコミュニケーションを渇望するような飢えた状態でスタートしていて、それがすごく切ないことを考えると、『ブラッシュ~』は「密なコミュニケーションは可能である」ということを最初からしっかり見せているので、結構恵まれた人たちなのかもしれないと思ったりします(だからこそ、失われた時の喪失感は大きかったわけですが)。

 

舞妓さんちのまかないさん』(2023)

本当にずるい作品。だって、実際の舞妓さんがこんなにホンワカな訳ないもん笑。でも、見ると「いいな~舞妓さんかわいいな~京都行きたいな~」ってほとんどの人がなると思います笑。私も早く京都に行きたいです。現実にいる、キヨとすーちゃん、他の舞妓さんたちのような人々が、こんなふうにホンワカできる業界、社会にしないといけないですね(これは『日曜のよるぐらいは…」を見てても思ったことで、あの3人や3人のような沢山の人たちが笑顔でいられるような社会にしないとダメなんですよね涙)。

 

『舞いあがれ!』(2022~23)

子ども時代に「自分の気持ちを伝える」大事さを学び、実践練習もしたはずの舞ちゃんなのに、父亡きあと「空が飛びたい」とは一言も言わず、最終回で空を飛んだ舞ちゃんにおばあちゃんが「舞は向かい風に負けなかった…」と言わせるだけで終わったのが本当に本当に衝撃的でした…!「空を飛ぶために生まれてきた」とまで言っていた舞ちゃんが最後空を飛んだのに、本人はおろか、周りの人さえも「夢が叶ったね」と喜んであげることもできないとは、どれだけ言いたいことも言えない世の中なんだろう。ある意味、時代の空気をくみ取った、挑戦的な作品だったと思います。わかりづらさの中に、言いたいことがそっと置いてあったような気がしました。

4月から始まった『らんまん』もおもしろいです。こちらはかなり意図的に物語を組み立てていて、テーマもストレートに伝えている印象ですね。

 

『大奥』も面白かったです!続きが楽しみ。

 

アメリカドラマ

『ザ・ラスト・オブ・アス』(2023)

ゾンビ系ですが、文芸色の強い端正なゾンビ物語。これはすごい。面白かった!

 

『メディア王(サクセッション)』シーズン1~3(2018~)

登場人物がみな酷い性格なので笑、最初は見てて辛かったのですが、だんだんと子供たちが父親を排除しようとし始めてからが面白かった。最終シーズンも6月に見たので、次の記事に感想を書けたらいいな。とにかくすごい作品。世界中の面白いドラマを作ってる人たちは絶対にみんな見てるはず。

 

中国ドラマ

『バッドキッズ』(2020)

すごく面白かった。子ども3人が山で記念にビデオ撮影をしたら、背景の遠い崖上で人を突き落としてる様子が映っていた…というところから始まるサスペンスなのですが、不思議な空気感で、ドラマ定型をある意味壊しながら、でもすごく教訓深いお話で、心に残る作品でした。

 

『ロングナイト』(2020)

こちらは正当派なサスペンス。面白かったです。作中「中国の警察官には悪い人もいるかもしれないが、ほとんどは善良な警察官だ」というようなことを強調する流れがあり、中国のドラマ制作も大変なんだな、と思ったりしました。

 

映画

『イニシェリン島の精霊』(2022/アイルランド・イギリス・アメリカ)

とても面白かった!これは見る人によって感想が全然違うかもしれません。昨日までめっちゃ仲良かったおじさん達なのに、ある日急におじさん①がおじさん②に絶好宣言されてしまう、なぜ?というお話。

 

あらすじだけ聞くと不思議すぎる物語なのですが、「規範のなかでどう自己実現するか」というようなテーマが込められていて、考えさせられました。どのキャラクターも意味深く、実はどんな人にもここに出てくる全ての人物が心の中に住んでいる気がしました。状況によって、いま自分の持っているものによって、社会での振る舞いは優しくも意地悪にもなるのでしょう。

 

『別れる決心』(2022/韓国)

面白かった!だが見るのにかなり集中力を要す!急に場面が変わったり、カメラが変な風に動いたり、なんか夢みたいな映像なんですよね。だからむしろ集中してみないほうがいいのかも。細部に意味が込められてはいるけれど、意味を追わずに感じるままに見るのが夢だから。映画館で見ましたが、家で部屋を暗くして、テレビとかパソコンでボーっと見るのも良さげです。

 

『ソウルメイト/ 七月と安生』(2016/中国・香港)

女性の生き方が描かれていて、わりとオーソドックスな手法ではあるのだけれど、切なくてたまらなくなりました。映像が岩井俊二っぽいなと思ったら、エンドロールに名前が入っていました。

 

ダウンサイズ』(2017/アメリカ)

2017年にアレキサンダー・ペイン監督がこんなSFコメディを撮っていたのですね。すごく面白かったです。様々な社会問題を克服するために、自分の体をダウンサイジング(縮小化)してみた人々のお話で、テーマは自己決定と死。主人公は自分で何も決められない人で(ダウンサイジングするかどうかも自分で決められない)、めちゃくちゃ現代人だな~って感じでした(滑稽なんだけど自分を振り返ると両手ばなしで笑えない)。

様々な理想や理論が提示されていく中で、それに流されずにどう自分の頭で考えて自分の人生を決めていくかっていうのは、今の時代にまさに合っているというか、時代より少し早かったとさえ思える内容でした。迷っても迷わなくても、人生の行きつく先には死があるわけで、後悔のない人生をつかみ取るためには自分の基準が大事だよ、とコメディタッチで教えてくれる異質な作品。

 

主人公とは対照的に完全に自己決定しているキャラがまた、みなよかった。最終的に、人類やばいかもだからダウンサイジング人間の一部はシェルターに入って種の保存をしよう的な展開になり、主人公はすんなり賛同してしまうんですが、クリストフ・ヴァルツ演じるキレキレの自己決定男が「あんなもんに入ったら殺し合いになるに決まってる」って言ってて、私もこのくらい自分で考えられる人になりたいと思いました笑。そのあともゾッとするようなことが出てきて、本当に心に残りまくった映画でしたね。『ザ・ホエール』にも出てたホン・チャウもすごくよかったです。

 

3月まではこんな感じ!

 

あまり更新できないので、もうブログはやめてしまおうかな…と思う時もあるのですが、ブログをやめたら考えることもいよいよやめてしまいそうなので、不定期ですがもう少しは続けようかなと思ったりしています。

思うところあり、Twitterでも作品の感想系をつぶやくのはあんまりしなくていいかな…とかも考え始めてて、色々迷いの時期です。最近Twitterは健康関連のつぶやきばかりですみません汗。ってかTwitterってやめられるのだろうか。